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「あぁ。なんともったいない」を練習した日

 なるべく早く採取に行って欲しいと言われたが、こちらにも予定がある。まずは薬草薬学管理資格上級を受験したいのだ。あれもこれも王家の言うことばかり聞けるか!とははっきり言わなかったが、そのような感じのことを言ったら、それが終わってからで良いと渋々了承を得た。なんかこっちが悪いみたいな雰囲気になるのやめてほしい。

 薬草採取の任務に行く前に事前に極秘事項の打ち合わせがあった。極秘事項って第二王子の回復薬の事でしょ。なにが極秘事項だって思ってたら、なんと一緒に行く王城騎士団の人たちには内緒だった。

 高麗ニンニック草を採取する時わざと傷を付け(わざとじゃなくても傷さえ付ければいい)、

 「あぁ。なんともったいない!とりあえず痛む前に何か薬を調合します!!!」

と言って、サクッと第二王子の回復薬を調合せよ。

 というものであった。「ああ。なんともったいない・・・・」というのは俺の役割らしい。自然に言えるのだろうか。こんなしょーもない事が極秘任務・・・大体薬の調合をその場でサクッとって言うのが無理あるって知ってるのか?薬の調合って衛生面しっかりしないといけないのに野外でサクッとしろという丸投げにも程がある。俺にしたら、「あぁ。なんともったいない・・・」って言うより野外でサクッとの方が荷が重い。


 そんなこんなで、薬草薬学管理資格上級の受験を終え、高麗ニンニック草採取に行く日がきた。

出発前に王城の騎士団が荷物を馬車に付いている間に身近な者たちの見送りがあった。

 来てくれたのは、王、王妃、第一王子、第二王子。リアム、兄上、ベンジャミンの7名であった。

リアムが、

 「ノンタン本当に大丈夫ですか?魔獣が、魔獣豹だと聞きました。基本単独行動らしいですが、夜行性な上、今は繁殖期だそうです。十分気を付けてくださいね。」

と心配してくれている横で、第二王子が面倒臭そうに

 「おい、ノア・ハワード。お前ちゃんと任務を遂行できるのか?足をひっぱるなよ。」

とムカつくことを言ってきた。腹立つ~こいつのせいで俺が行く羽目になったというのに、なんだこの言い草。

 「殿下!なんですかそのような言い方をして!ノンタンはあなたの為に行くのですよ!」

リアムがプンプン怒っている。たじろぎながら

 「なっ!俺なりにその心配はしている。気を付けて行ってこい。」

あぁ、気分が急降下。お前のツンデレなんて要らない。どんどん不機嫌になる俺。それに気づいたベンジャミンが

 「大変です。ノア君が不機嫌になってきてます!ヘンリー!なんとかして機嫌を直してください!」

 「ノアー!どうしたの?なにか嫌なことあったの?もう行くの辞める?」

こくんと頷く俺。

 「ノンタン、頑張ってください。お昼に食べるように家の者にサンドウィッチを作らせました。デザートも入ってますよ。」

なんとか気分をあげさせようと、にっこり微笑み弁当を渡してくれるリアム。

 「なっ!お前そのような笑顔が出来たのか!初めて見たぞ!俺の前で一回も笑ったことなどなかったのに!」

 「は?私だってかわいげのある人の前では笑顔にもなります。」

 「第二王子殿下は、僕に任務遂行が困難だとお思いなんですね。僕は自分から望んでこの任務に就いたわけではありません。今から、あなたは、周りが敵だらけになるでしょう・・・・え~ん兄上~第二王子が意地悪言うよぅ。僕、僕、こんな重要なお仕事出来る気がしなくなってきたよぅ、帰りたいよぅ~」


ヘンリー「わー!ノア!頑張ったね。もう帰ろうね。第二王子殿下!弟にひどいこと言わないでください。ノアは繊細な子なんですから!」

リアム「殿下、上に立つ者として、そのような態度で良いとでも?再教育されているらしいですがもっと学ばなければならないのでは?」

王「デービィット!ノア・ハワード殿には無理を言ってお願いしておる。出発前に心を折るようなことを言うでないぞ!」

王妃「ディー!ノアさんには日頃お世話になっているのに、今回も更にお世話になるのよ。謝りなさい」

第一王子「ディー・・・行く前に不機嫌にさせないでよ。君の為でもあるんだから。」

ベンジャミン「デービィット様、本来ならあなたの側近候補が行ってもいい任務ですよ。こちらとしても無理をお願いしてるのですから、言動にお気をつけくださいませ。」

 「なっ!こいつ猫を被っている!皆騙されるな!」

 第二王子の主張は聞き入れられず、俺に「すみませんでした」と頭を下げていた。勝った。


 今回の任務には王城騎士団から5名、俺の護衛にオリヴァー、高麗ニンニック草の群生地をみた冒険者1名で行く事になった。馬車の中でオリヴァーが

 「なんか行く前騒がしかったけど、何かあったのか?」

と聞いてきたが、第二王子がつまらないことで俺を怒らせたと言ったら「なるほど」とだけ言っていた。多分色々想像出来たのだろう。

 「高麗ニンニック草がある場所なんですが、どのあたりなのでしょう。いつ頃着くのですか?リアムが色々調べてくれたらしく、魔獣豹が居ると聞きました。夜に着くとなると危険ですね。」

夜行性って言ってたし、夜に採取して調合、となると夜行性の魔獣豹の相手は分が悪い。

 「へーミッシュ領の近くだ。今から行けば夕刻には着けると思う。少々時分が悪いな。宿を取ることになる。野宿は危険だ。」

夕刻か~採取出来たら採取して、駄目なら翌朝かな?へーミッシュ領か~たしかハワード領に行く途中の領だったな。


 


 

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