ハーレムか馬鹿か考えた日
「ところで、ノア君・・・こんな所でなんだけど、例の薬品どうしても作れない?」
第一王子が、突然そんな事言うから、周りに聞こえたらどうすんの。俺は外部に漏らしませんって契約書にサインしてるんだから、もっと慎重になってほしい。
「夏期休暇は薬草薬学管理資格上級を受験する予定なんですよ。もう少しそれについての勉強したいし、美容液も作る予定ですし・・・なんなら、親しくもない人のためになんか作るの嫌です・・」
「ふ~ん、忙しそうだね。何かノア君のやる気になる良いものないかな~ねぇ、オリヴァー、ベンジャミンなんか良いアイディアない?」
急に側近候補に無茶を言い出した。何気にこの二人と挨拶以外話したことないな。
「・・・・ヘンリーと街で買い物に行く。」とオリヴァー
「!ノア~兄様はいつでもオッケーだよ。」
「ヘンリーと王立の薬草植物園に行って展示禁止の植物を特別に見せてあげるのはどうでしょう。」
賢そうなベンジャミンの魅力的なご褒美。ただ一つヘンリーとってのが要らない。
「ちょっとお待ちください。ノンタンが半目になっております。」
「ノンタン!リアム君、ノアのことノンタンって呼んでるの?うらやましい。ね、兄様もノンタンって呼んで良い?ね?ね?」
ぐいぐい抱きつかれて、頬と頬をくっつけられている俺。
「ノンタン、何かやる気になった?嫌だったらやらなくていいよ。やらなくても兄様はノンタンと街で買い物して薬草植物園に行って展示禁止の植物を見せてあげるよ~」
兄上にまでノンタンって呼ばれてる・・・そして、展示禁止の植物はそう簡単に兄上でも見せてもらえないと思う。
「あの、薬草植物園には行ってみたいです。出来ればリアム・ガルシア公爵令息とでお願いします。」
やっとの思いで第一王子に伝える。苦笑しながらも、リアムに確認を取って了承してもらった。
「なんでー?なんで兄様とじゃないの?」
泣き崩れる兄上に
「お友達とどこかに出かけるの初めてなんで・・・」
とうつむきがちにもじもじしながら言うと
「ぐう~もうしょうがないなぁ~」
と諦めてくれたけど、周りの目が「誰だよこいつ」って感じだったのはしっかり見たからな。
第一王子たちが去って行ってすぐにパーシーは復活した。
「ねぇ、ホントに作ってあげるの?」
「王城の薬師に頼まず、兄上の第一王子を頼ったのですね。小狡い感じが腹立たしい。」
もう第二王子への嫌悪を隠さなくなってきてるリアム。最大の爆弾発言をかました後は何を言っても俺たちは気にならない。
「あのさ、ずっと気になってたんだけど、側近候補の二人もずっと男爵令嬢の側に居たじゃない?その、なにが元気にならなかったの?」
ずっと精力増強剤の匂いを嗅がされてたんだぞ、第二王子はギンギンになるのは当然だけど、側近候補の二人もただでは済まなかったんじゃないの?昨日横に座ってるだけでも臭かったし、なんなら、あいつの親父はギンギンになって途中で鎮静剤飲んでたもんな。
「性欲が増したと思っていたようです。目の前の女性に襲いかかるわけにもいかず、必死で耐えて王城の薬師に性欲減退の良い方法はないかと尋ね、処方してもらったそうです。しかし、その副作用でしょうか、最近は薬を飲まなくても減退しているそうです。」
「不憫だね・・・でも主への忠誠心はあったんだね。一応王子と男爵の娘の仲を応援してたんでしょ。男爵の娘に手を出さなかったって王子の手前ってのもあるんじゃない?応援してなかったら襲ってても仕方ないじゃない?だって匂いキツかったってノンタン言ってたよね。」
無言になる俺とリアム。
「確かにそうですね。あの薬品の匂いは相当キツかったです。それで、二人が反応しないなんて普通考えませんよね。もしかして・・・」
「ハーレム狙ってたんじゃない?」
静まりかえる俺たち。
「怖いー!王子も側近候補も手込めにする気満々だったって事?」




