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友達をもう少し作ろうと反省した日

 翌日ガルシアは学園を休んだようだ。彼のクラスの3年1組に顔をだし、クラスメートに聞いたらそう言われた。3年3組によってパーシーに声をかける。

 「パーシー今日の放課後時間ある?ちょっと付き合って欲しいんだけど。」

 「ノンタンがここ来るの初めてじゃない?いいよ。どこ行くの?」

 「カフェと、お見舞い。」


 放課後カフェ【ポム・ソレイユ】に二人で向かった。

ここは俺がオーナーを務めるミラー領の店。王都でアップルパイとタルトの店を出すと決まった時、店でお茶も飲めて、パイとタルトは持ち帰りもできるお店にしようと考えた。ミラー領のトーマスの兄は

 「王都で田舎のアップルパイが売れるかな?」

と不安がっていたが、

 「ここのリンゴは、王都で出回っているリンゴより酸味があるからアップルパイにするにはこっちの方が絶対美味しい。ハワード領で出す店はホールで売るけど、王都は一人暮らしの人が多いからカットして売れば客は来ると思う。」

 と言って説き伏せ、出店した。客席はそれほど多くないが、有り難いことに連日行列が出来ている。

二人で店の裏口から店内に入り、店長をしているパーシーの双子の兄たちに声をかける。

 「ドムさん、ドナさんこんにちは。ちょっと話があるからどっちかオーナー室来られる?」

 「あ、ノア様お疲れ様です。もう少ししたら手が空きますので、しばらくお待ちください。」

 

 しばらく待っているとアップルパイとアップルティーをトレイに乗せてドムさんがオーナー室に入ってきた。それを食べながら、

 「アップルパイのカスタードクリーム量もう少し増やしてみる?リベイクして、バニラアイス添えても良い感じじゃない?」

と新しい提供の仕方を提案した。しばらく店の売り上げの話などをして、一息ついたので、一番言いたいことを言う。

 「あのさ、今度もし王城の騎士団が店を貸し切りに出来ないかって言ってきたら断って。個室がないかって聞かれてもないって答えて。オーナー室をちょっと片付けたら個室になるけど、絶対ここには入れないで。列に並んでまで購入してくれるお客様に当日貸し切りで休業なんて言えないからマジで断って欲しい。」

と言うと、

 「えーなに?王子が視察にくるの?」

 「多分、昨日聞いちゃったんだよ。第2王子が男爵の娘と城下にデートって。それで男爵の娘がアップルパイの店行きたいってねだってたから、多分ここのことだろ。騎士団の方で却下されると思うけど、なんか強引に来そうな気がしてる。このあたり車止めもないし、王族がここに来ようと思ったら結構騎士団の人員割かなきゃなんねーから却下になると思うんだけど、嫌な予感すんだよな。貸し切りにしろとか言い出しそう。ま、なんか言ってきたらオーナーに聞かないとわかりませんって言っといてよ。」

ドムに言うと、無言でうなずく。「ドナさんにも伝えておいてね。」と言って何個かホールでアップルパイを用意してもらい、辻馬車に乗ってパーシーとガルシア邸に行った。

 「なんで俺まで一緒に行かなきゃなんないのよ~」

と言うパーシーだが、婚約者の居る人の見舞いに一人で行ったらそっちの方が問題だろと言うと納得した。


 「すごいお屋敷だね。こんなところ辻馬車で来て歩いてくるような所じゃ無いと思う。」

パーシーよ、俺も今思っている。二人でガルシア邸の門の所に立って呆然としている。

門から屋敷なんて見えやしない。庭園は色とりどりの花が咲き誇り、なんかわからん石像とか立っている。すげー以外の言葉が見つからない。多分野生のリスとかいそう。アップルパイの箱を二人で持ち呆然としていると門番が声をかけてくれた。

 「あの、ガルシア公爵令息のお見舞いに来たんですけど・・・突然きたので、お会い出来ないようでしたら帰ります。」

そう言うと、家令の方に連絡を取ってくれたようで、しばらく待っていると馬車でお迎えが来た。

門から屋敷まで馬車って・・・どんだけ広いのよ。

 家令に

 「あの、良かったらこれどうぞ。アップルパイです。」

そう言って渡すと、にっこりと微笑み

 「人気のお店のパイでございますね。ありがとうございます。」

と受け取ってくれた。そして部屋に案内され、待っていると普段着のガルシアがやって来た。

 「わざわざお見舞いに来てくれたんですね。ありがとうございます。」

 「昨日より顔色がいいですね。お加減いかがですか?昨日お預かりした計画書ですが、第一王子殿下の方から騎士団長に直接提出して頂きました。ちゃんとガルシア公爵令息から預かったって付け加えて」

 そう伝えると、ふふふと笑って

 「本当に第一王子殿下を使ったのですね。あの人をそんな風に使う人今まで居ませんでしたよ。殿下もよくあなたの言うことを聞きましたね。どんな手を使ったんですか?気になります。」

 「え?ノンタン第一王子殿下になんかやらせたの?マジ?」

パーシーよ、ここでもノンタンって呼ぶのね・・・

 「別に大したことしてませんよ。以前贈り物をしたことがあって、それのお礼を貰ってないからお願いを聞いてくださいって言っただけです。」

 「俺、ノンタンに物貰ったら後で大きな物返さないといけない気がしてきた。」

とパーシーが言うから、ガルシアが運ばれてきたアップルパイを見て

 「私も何か大きな物をお返ししなければいけませんね」

って言うから微妙な空気になってしまった。

 「やめてよ、別に何も要らないから!たまたま思い出しただけだって!王子殿下が私を顎で使うのかって言うから、めんどくさい事いうなぁって思ってあ、そういえばって思い出したんだ。でもそれで言うこと聞いてくれたからラッキーじゃん!」

 「王子殿下に顎で使うのかって言われたの?ノンタン・・・やばいね」

そう言ってパーシーとガルシアがあははと大笑いしていた。俺はもううつむくしかなかった。

 パーシーをなんで連れてきたんだろう。パーシーしか友達が居ない俺が悪いのだ。



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