苦手な人が出来た日
「ところで、こちらはどういった施設なんですか?」
フィン・アルバートの出てきた施設を見ながら聞くと
「治療室だ。校舎の方にも治療室あるだろう。ここは騎士科の連中が訓練時にちょいちょい怪我するから近くに作られてんだ。中で街側と繋がってっから奥の扉あけたら一般の患者が診察に来てるぞ。」
「へーそうなんですね。」
「良かったら見てくか?さっき笑ったお詫びに見学させてやってもいいぞ」
そう言われたので、ジト目をして
「見学させて頂きます。言っときますが、規定の改正行われたのまだ許してないんで。なんでもっと早めに変えてくれなかったのか本当に未だにむかつきます。それで入学金払ってしまった後で、お祖父様に返金してもらいましょうって提案したら恥ずかしい事できるか!って怒られたし・・・」
ぶーっ!
いきなり吹き出さないで欲しい。そしてまたくっくっくっく・・・て震えながら笑ってるし。
「貴族が返金してなんて言うわけ無いだろう。しかも・・・くっくっくっく・・お前んちハワード領
だろ?めっちゃ今儲かってるって話じゃんか・・・」
「あのね、アルバートさん。お金って大事なんですよ。あーなんか笑われすぎて腹が立ってきました。後で怒られたら良いと思います。」
って言ったら
「誰にだよ。まぁまぁ・・・こっち」
と言って治療室に入れてくれた。
中は、簡易的なベットと診察する机と椅子。薬品棚があり、手を洗うであろう洗面器が台の上に置いてあった。
「清潔ではありますが、いかんせん薄暗いですね。光魔法って怪我をしたところにかざせば、怪我の程度関係なく治るものなのですか?それとも光魔法による光であたりが明るくなるので、魔導灯の明かりは最低限で良い感じですか?」
俺は光魔法が使えないのでよくわからないが、ハワード領でも光魔法を使える者は治療にあたっていた。しかし光魔法がそれほど強くなく、治療出来るのは軽い怪我や軽い病気で、重い病気や大けがなどは入院させゆっくり何日もかけて光魔法で治していた。そして精神の病を患った者は、光魔法でも治療ができないので入院させてゆっくりゆっくり周りがケアをしながら回復するのをまっていた。そこで重要なのは、部屋が薄暗いと病人の顔色や怪我の回復具合などがよく見えないことであった。俺はすぐに治療院の魔導灯を明るさ重視の物に変えた。治療師からは大変喜ばれたから、ここではどうなんだろうと聞いてみたのだ。
「う~ん・・・ここは学生が訓練中にちょっと怪我する程度だから問題なしよ。ただ、実践の訓練の時は大けがする奴もいるから面倒なんだよな。魔獣駆除の実践は野営だからな。表の治療院の方は入院患者もいるから・・・・あ、そうか魔導灯と言えばハワードか。最近有名だもんな。」
「そうなんですか?確かにウチは魔導灯にうるさい領ですが、世間に疎くて・・でもまぁ、治療室の方はこれで良いのならいいんじゃないですか。」
そう言って帰ろうとすると
「まぁまぁまぁ・・・こっちも見とく?」
と奥の扉を指さして案内しようとするが、
「いや、もう結構です。でも入院患者さんのためには魔導灯の新調をなさった方が良いと思います。」
「ハワード君に頼んだら簡単に魔導灯手に入らない?」
「俺がハワード領に注文しても納期は特別には早くなりませんよ。今は王城の魔導灯の発注でてんてこ舞いらしいので。それに俺にメリットないですよね?」
「え?急に冷たくなるじゃん。さっき笑ったから?でも単純にそのメガネはめちゃくちゃすごいものだよ。自信を持って!俺はすぐに見抜いちゃったけど。実力有りすぎてごめーん」
・・・なんでこんなにこの男ムカつくことしか言わないんだろう。
「なんか、あなた嫌いです。」
またおいでよ~と叫んでいたが、もう二度と関わりたくないと思った。




