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ノア・ハワード②

 「君に聞きたいことは、ハワード領の街灯や、民家の明かりが一般的な魔導灯より明るい。これに関して君が関わっているとルイズ・ハワードより聞いている。どういう事か説明してもらえるかな?」

「なるほど・・・わかりました。魔導灯の明かりは半分の魔石の消費で一般的な魔導灯の光量数倍の明るさで照らしております。魔方陣を改良致しました。」

 ノア・ハワードが答えると一斉にザワつきだす。

「そんなの出来るわけがない!魔石の消費半分だと?光量倍以上?」

主に魔導塔の連中が騒いでいる。

「何故そのようなことをしようと思ったのか?」

王が問うと何でも無いように

「部屋が暗かったものですから。魔導灯の改良は今まで出来なかったのではなく、やろうと思わなかっただけではないですか?誰も今まで改良しなかっただけです。魔導灯はそんなもんだという考えだったのでは?殿下、魔導灯が明るくなり街が街灯で照らされるとどうなると思います?犯罪が減るのです。治安の良い街は人が増えるのです。」

「なるほどな。それで発展していったという訳か。しかし、その改良した魔導灯を魔導塔にて認定してもらおうと思わなかったのか?あらゆる魔導具は魔導塔に認定してもらえば各地で信頼を得て販売できるであろう。王城にも採用されるだろうし。」

「確かに魔導塔に魔導具の申請をすれば認定マークをもらえて各地に販売できますが、申請料が高すぎます。領内での使用だけですので販売を目的としておりませんので申請はしません。」

魔導塔の申請料についてもノア・ハワードは噛みついてきた。一般人が魔道具を発明した場合、魔導塔に性能、安全性、耐久性を検証してもらい認定マークが魔道具に入れられる。認定マークの入った魔道具は魔導塔のお墨付きなので販売されるとなんの疑いもせずに購入される。反対に認定マークの入っていない魔道具は販売されても敬遠されることが多い。そして王城の魔道具はすべて魔導塔認定のマークが入っている物ではないと購入されない。しかし、それについての申請料が高額であるとノア・ハワードは言う。

「払えない料金ではございませんが、僕が平民なら作った魔道具が人気の商品とならないと元が取れない料金です。あれやこれやとダメ出しをされ突き返されると聞いています。そして後に申請した魔道具とほぼ同じ魔道具が魔導塔から発売されると・・・申請した物に難癖をつけアイデアを盗まれているのではと感じましたので、僕は申請しませんでした。」

やばいことになったと思った。このままでは魔導塔の連中が怒り出すと思ったら案の定

「だまれ!俺たちが技術を盗んでいると言いたいのか!俺たちはエリートだぞ!そんな一般人の作ったちんけな魔道具のアイデア盗むかよ!」

激しい怒号がノア・ハワードに浴びせられる。しかし本人は一点を見つめ静かに

「そうですか?実は最近ハワード領の街灯が一つ盗まれまして・・・製造番号4の街灯が付け根からバッきりとへし折られて・・・ご存じ有りません?」

「知るわけ無いだろ!いい加減にしろよ。俺たちを盗人扱いするのか!」

「では盗んでいないと?本当に?」

「当たり前だろ!名誉毀損で訴えるぞ!俺たちを盗人扱いしやがって!」

あまりにも騒ぎ立てるので宰相が静粛にとどなり静かになったところで王が

「なんじゃ、街灯が盗まれたのか?それは誰かが君の作った街灯のアイデアを盗んで申請されてしまうかもしれんのう。」

「大丈夫です。殿下、そういうことは作った時に想定しております。街灯の魔導灯をですね、解体して仕組みを探ろうとすると肝心の魔方陣が消える仕組みにしてます。」

「ほう・・・用意周到だな。しかし残念じゃ、王城にも君の作った魔導灯を着けたかったの」

「魔導塔の方はエリートだそうですので、魔導塔の方が作ってくださいますでしょう。しかしですね、実は魔方陣を再び浮かび上がらす方法が一つだけあるんですよ。ここだけの話ですが・・・」

ノア・ハワードがそういった途端静まりかえった。聞きたいですか?と王に問うノア・ハワードの顔は妖艶に微笑み皆が息をのんだ。

「簡単なことなんですが、柑橘類の果汁を魔方陣のあったところに数滴垂らすのです。」

そう言った瞬間謁見の間から一人すっと姿を消した。

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