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ノアが気持ちを吐き出した日

 あれから風呂に入り、夕食をご馳走になって一息ついたところでお祖父様とお祖母様、トーマスと4人でゆっくりお茶を飲んでいるとお祖父様がゆっくりと口を開いた。

「ノアよ、別にここに来ては駄目という話ではないんじゃが、今回の家出は何が原因なんじゃ?手紙には家庭教師が、そこのトーマス君をとエイダンに打診したら断られたと言うことじゃったけど。エイダンが反対するのも無理ないと思うがの。トーマス君には悪いが、彼は男爵という話じゃないか。家庭教師を認められなかっただけで家出というのはかんしゃくが過ぎんかの?」

 まあ、言わんとすることはわかりけどね。

「お祖父様のおっしゃることはわかります。ですが、家庭教師の件は譲れません。僕は残念な話ですが、両親に愛されていません。親の愛情という物がどんな物かもわかりません。このまま将来大きくなってやがて婚約者が出来ても人を愛する自信がありませんそして、自分の子供が出来ても子供を愛する事が出来そうにありません。でも貴族として生まれたからには責任があります。ハワード領民がハワード家に税金を納めてくれるようにハワード家として領民を守り豊かにせねばなりません。政略結婚が出来そうにない僕はせめて領の為に利益を上げなければなりません。父や兄を補佐するにしても、政略結婚で得られる利益以上の価値を自分に付けなければなりません。僕には時間が無いのです。学園に行ってる時間も領の為に領が発展することに時間を割きたいので学園に行く予定はありません。しかし、学園卒業資格は取るつもりですので、そのために優秀なトーマスさんに教えを請いたいのです。」

 黙って聞いてくれたお祖父様がう~んとうなり、お祖母様が

「ノアちゃん・・・私はノアちゃんを愛しているわ。親の愛情が感じられないなんて悲しいこと言わないでちょうだい。エイダンもソフィアさんもあなたをきっと愛してると思うわ。」

と涙を浮かべながら言ってくれた。お祖父様はお祖母様の背中をゆっくりさすりながら

「残念じゃが、あやつらの目にはヘンリーしか映ってないじゃろ。王都の家でノアがさみしい思いをしてると言うことは家令から聞いておった。ノアよ、そう先々の事を今すぐ決めんでもよかろう。しばらくこの家でゆっくり過ごすが良い。まぁ、その間トーマス君よノアの勉強を見てくれ。給金はわしの方で支払うからの。」

と言ったので慌てて

「僕が、僕が将来きちんと返しますので、今は立て替えていただきませんでしょうか」

将来きっと俺に掛かった金はきちんと返す。俺の我が儘だから!と思ってると、お祖父様は俺の頭をなでながら

「子供がそんな事きにすることではない。親が子供のために金を使うのは当たり前の事なんじゃよ。ノアよ、そんなに早く大人になろうとするな。子供で居る時間は短いもんじゃ。ゆっくり大人になればいいんじゃよ。」


 早く大人になりたかった。大人になったら自分のしたいことやりたいことが出来ると思っていた。

 早く大人にならなくてはならなかった。意見を言えば大人しくしていろと言われ、話も聞いてもらえず空気のように扱われ、何をするにしても兄と比べて出来損ないと罵られる。

 子供のままでいいなんて、ゆっくり大人になれって・・・

 気がついたら涙があふれていた。トーマスが眉毛をこれでもかという程下げながら笑って背中をさすってくれた。


 

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