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心配と叱責と夜パン部

──痩せ型の巨乳は、痩せ型と巨乳を掛け合わせればできる

 ▶︎SIDE OLちゃん


あ!今日も会えた。

口だけで「おはよ」と動かして、おじに挨拶。

おじもニコッと微笑み返してくれた。可愛っ!

賢そう×お金持ちそう×シュッとしてる=スパダリ風なのに、笑うと可愛いのすごい。


今日はBL小説タイム。

おじも小難しそうな本を読んでる。前からよく紙の本を持ってて、たまに英語の時もある。


ウチも外国語読めたらな〜。英語のBL小説とかあるのかな?ネイビー×アーマーのガチムチイケメン同士!?読みたすぎる。海外のBL漫画も絵が綺麗で萌えたけど、翻訳アプリだと変な日本語になって萎えるから、原文で読めたら最高。


今日もBLは世界中で熱い。


ぺらりとおじが、ページを捲る音がする。いい音。それに今日もいい匂いだし、この人の作る空気が好き。喋ったらいい人そうだし。ラーメン屋でもコンビニでも店員さんに「ありがとう」って言ってた。ママ曰く「ちゃんと感謝できる人はいい人」。間違いない。


聖域で読書を楽しみ、会社の最寄駅に到着。


駅のホームを歩きながら、「エルちゃん、寒くないの?」おじが声をかけてきた。


「ん?ノースリーブ?平気だよ。クーラー用のカーデも持ってきたし」


「心配だな」


「今日のえる、かっこよくない?できるOL感出てない?」


黒のノースリーブに白のワイドパンツ。

ママのお下がりのブランドベルトでアクセント。

#丸の内OLってSNSに上げたらいいねもらえそう。


「かっこいいけど、心配だな」


「おじ、おばあちゃんみたいに“お腹出すと冷えるよ”って言いたいの?ウケる」


「まぁ、そういうことにしておこう。女性の先輩に何か言われたら素直に聞くんだよ。じゃあまたね」


そう言って東口へ消えていった。

……変なおじ。


 *


おじの心配が的中。

めっちゃ女の先輩に怒られた。


「会社に着てくる服はTPOが……」


ちょっと待って、える横文字むり。英語難しい。耳からスルー。


「仕事では身体のラインが出る服はNG!露出控える!ノースリーブだめ!Vネックだめ!ヘソ出しだめ!ミニスカだめ!分かった!?」


復唱させる先輩に、心の中で宇宙猫顔。先輩めっちゃおこじゃん!イライラにはカルシウムが効くらしいし、あとで小魚せんべいあげよ。


 *


「それでカーディガンをボタン全閉めで着てるんだね」


帰りの改札前でおじとばったり。壁際に誘導して報告する。


「おじの心配が当たったよ」って。


「暑いしテンション萎えー。甘いもの食べなきゃやってられない」


「夕飯はエルちゃんが作るの?」


「うん、一人暮らしだから自炊してる」


「若い女の子が一人暮らしって知り合って数日の男に言わない方がいい。本当に心配だな」


「あ、出た。おじの心配は当たるから、今度からは内緒にするね」


「そうした方がいい」


「あ!ミルフィーユ食パン!見てあの広告!」


駅のデジタルサイネージにパン屋のCM。


「……知らないな。新しいスイーツかい?」


「ちがうよ!パン!分厚くてふわふわで、バターがじゅわって……!」


「それは……いいパンだね」


「そう、いいパン!」


「おじ、ヒマ?夜パン部しよ?あ……でも奥さんに怒られるね。夜ご飯って不倫っぽいね。慰謝料なんて払えないから、この誘いなしで!」


「ははっ。一年前なら妻帯者だったけど、今は一人寂しく帰るだけだよ」


「え、バツイチ?おじ振られたの?」


「そう。元妻は年下の外国人と再婚して、今は三児の母」


「三つ子!?すご!」


「違う違う。相手がバツ3で連れ子が三人」


「山あり谷ありじゃん!その話もっと聞きたい。パン行こ!寝取られ秘話教えてよ」


「こらこら、“寝取られ秘話”なんて……デリカシーないよ。他の人には言っちゃダメ。私は気にしないけど、未練がある人なら怒られちゃう」


「える、ノンデリだった!?気をつける!じゃあ、おじ、えるの直した方がいいとこ教えてね」


「そうだね。知り合ったのも縁だ。これからは伝えるよ」


「じゃあ行こう、“夜パン部”の活動に」


「レッツゴー!!」


 改札を離れ、肩を並べて目当てのパン屋へ向かった。

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