今日は僕の失恋記念日だ
バイト終わり、理由があったわけでもないがイルミネーションを見に行った。今日はカップルがやけに多く普段一人で行動し、人が多いところが苦手な僕は普段こういった場所に寄り付かない僕でもなんだか今日は浸りたい気分であった自販機で買ったホットココアを片手にベンチに浅く座り広場の中央に建てられた二階までの高さがある木を模したイルミネーションを眺めていた。光と笑顔に包まれた木をただ眺めていた冷めたココアを片手に車に乗り込んだ、汚い助手席に荷物を投げ込み他人が作った失恋ソングのプレイリストを流していた今日は少し遠回りをして帰った。町と違いアパートの明かりはあまり点いておらず、かなり静かであった。
家に帰ると少し僕の家が広く見え二人掛けのソファーに寝ころびながらちょうど一年前の写真を眺めていた。写真には僕の元カノが写っていた僕はそれを記憶とともに見ていた。僕はソファーから跳ね起きると部屋を見渡したあの時より広くなった部屋を見ながら一年前の今日を思い出す。あの時は部屋が広くなり自由を手に入れてかなりうれしかったのを覚えている、少し時間がたったある日ふと寂しくなり、一度彼女ができたことから自信ができマッチングアプリを入れ穴を埋めてもらおうと考えていた時期もあったがこれじゃない感があり、また君の笑顔を見に来た日が多くあった。このままでは君の笑顔の代わりを探し続ける人生になってしまいそうであると感じた。君は彼氏との六か月記念の写真をSNSに上げていた。僕はまだ一年前から変われていないのに、アニメのように君は僕に依存することはなく早く見切りをつけていた。君が主人公なら僕は確実に悪役だろう。なんとなくスマホを見るとまだ音楽は流れていた。
「今日は僕の失恋記念日だ、一年記念には君を忘れる魔法を教えてくれよ」
きっとこいつもこのやるせない気持ちを音楽に書いたのだろう。僕もこの気持ちをどこかにぶつければいいのだろうか?僕はパソコンを開き小説執筆サイトを開いた。
タイトルはきっとこうなるだろう
「今日は僕の失恋記念日だ」