第55話 お忍び旅行 5
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アーシュライラは、また一つ、甘いため息を落とした。
ちょうど昼のお祈りの時間だ。誰かがいるときは、心の中だけでお祈りをするけれど、宴の後始末や領内の片付けに人が出払った家の中は、母上と自分だけ。
タイミングを合わせるでもなく、自然とお祈りの姿勢を取ったのは母子同時だ。
「大地に宿るグレーヌの神よ……」
ギュッと両手を握り合わせ、神に祈る定型句を捧げた後だ。ここは、それぞれが懺悔や願いを入れる場所となる。
「愛の時間が、あんなにも幸せなことだったなんて。神様、あんなに素敵な人とお引き合わせくださって、ありがとうございます。そして、せっかくの愛を三度も受け入れながら、偉大なる神の思し召しに従えなかった罪深き行いをお許しください」
そう。女は、グレーヌを受け入れても、受精するかどうかを決められるのだ。罪深きことだが、グレーヌ教徒としての教えは柔軟だ。女が時に応じて受精を拒むことを容認しているのである。
とは言え、本来、それは神の教えに背くことでもある。心から神に赦しを請うアーシュライラである。
お祈りそのものは一分もかからない。毎日3回の祈りとは、神の存在に触れるための時間だ。「祈る動作や祈りの言葉そのものよりも、神の存在を意識することが大事なのです」というのが巡回主教様が繰り返すお言葉だった。
「大地にグレーヌを満たせ。満たすことこそが神の望みである」
巡回主教様は、常にそうおっしゃった。
そして王国西部の下級貴族……アーシュライラの家のような男爵家くらいまでは、領民達との結びつきが強いということで、特別な教えが渡されている。
「人は、それぞれが違っているのです。空をふわふわ飛ぶ種もあれば、地道に周りを同じ仲間で埋め尽くすための種もある。役割に応じて種にはいろいろな形があります。すなわち、人もまた役割が違えば義務が違うのですぞ」
そう言って聞かせるのが巡回主教様達の常でもあった。
敬虔なグレーヌ教徒である母に従ってきた、素直なアーシュライラは教えをちゃんと理解していた。
そもそも、この祈りの姿勢だってそうだ。たとえ形を取らなくても良いと言われても、やっぱり人がいないときは、こうして祈りの姿勢を取った方がしっくりくる。
「あぁ、明日も幸せに生きさせていただきます。シーメンティア」
祈りの言葉を終えると大地に1度、額を着ける。
そうやって腰を深く折ると、胎内に鋭い痛み。
『ふふふ。また、痛みがあるわ。幸せ』
痛いことが幸せだなどという不思議な経験だ。こんなこと、本当にあるのだなと思ってしまうアーシュライラだ。
昨夜の幸せな時間と引き換えに、股間の奥には違和感がある。身動きするとそれが鋭い痛みにもなる。
幸せな痛みだ。
だからアーシュライラは「痛い」と思う代わりに愛しい人の名を呼んでしまう。
『ショウ様』
自らの英雄的働きによって奇跡のように人々を救い、叙爵された少年貴族。
それなのに無骨一辺倒なこの辺りの男達とは正反対。顔は甘く、スラッとしていて、それでいてしなやかな筋肉で均整の取れた身体。
しかも、偶然にも、ブロック男爵領が襲撃を受けた日に現れて、荒れ狂う暴風になるはずの騎馬民族を想像だにしたことのない鮮やかさで討ち取り、解決してくれた英知の持ち主。
ソフィスティケートされた振る舞いをしながら、容赦なく敵を撃滅する決断力を持ち、味方の安全を十分以上に配慮しながら「貴族だから」という理由だけでは考えられないほどに発揮された強烈なリーダーシップ。
あれほどの活躍を見せられて惚れない女がいるだろうか?
もしも親から言われてなければ、自分から寝所に忍び込んでいたかもしれない。まだ見ぬ王立学園よりも「あの人に抱きしめてほしい」という気持ちが抑えられなかった。
しかも、一度閨に誘われれば、経験した現実は夢よりもさらに甘やかだった。
『ギュッとしていただいたら、思っていたよりも全然痛くなかったわ。ショウ様はすごぉくお優しかったし、いっぱい私のことを褒めてくださって。三回目には、少しだけだけど、身体がとろけてしまいそうな…… ふふふ。幸せだったなぁ』
昨夜のことをホンの少しでも思いだしてしまえば、キャッと声を上げて足をジタバタしてしまう。
はしたないと思うけれども、止まらなかった。
一方で、自身の祈りを終え、ソファの反対側に座る母は、ホワホワと夢見る娘の心の内など手に取るようにわかってしまう。
『ちゃんとした側妃にするのは無理な身分差。でも、こうしてご寵愛をいただけただけでも良しとするべきよね。今朝の感じだと、愛妾とまではいかなくても、再びお情けをいただける可能性が高いわ』
有力貴族が旅先で子種を落としても子宝に恵まれない場合がある。心ある貴族であれば再会した時に「もう一度」を許してくれることが多いのだ。
だから、むしろ王立学園に進む前の今、お子を授かるよりも、これで良かったのだとさえ思う。
『少し話しただけだけど、あの少年貴族様は、涼しげで誠実な目をしていたもの。あんな少年なら、きっとアーシュをムゲにしたりしないに違いないわ』
祭の後、少年貴族は早々に旅立った。
一族総出で見送った後「アーシュラがお手つきになった」と、一族をあげて喜びの宴が再開された。
「これで、伯爵家の跡取り様の子種が実れば」
口々に、そんな夢を語り合い、大役を果たしたアーシュライラを誉め称えた。
頬を染める娘の横で微笑む母。しかし娘とメドゥーサだけの秘密があった。
結婚以来初めて夫を裏切ったのだ。
つまり、アーシュライラは妊娠しない。少なくとも今回は。
それが娘と仕組んだ秘密の裏切り。
『やっぱり王立学園での2年間は、アーシュの人生にとっての特別な時間。できる限り与えてあげたいもの』
田舎暮らしというよりも、定期的に遊牧民族から襲撃を受ける男爵領は、王国にとっては「辺境」と呼ぶべきだろう。
メドゥーサ自身も、かつての学園生活でいろいろなものを学んだ。勉学もそうだが、王都での暮らしによって考え方や生き方、人生に対する感じ方まで変わる大きな体験であった。
例え高位貴族のグレーヌであっても、今妊娠してしまえばアーシュライラは、その貴重な2年間を人生から喪うことになる。それを「繁栄の犠牲だ」と言う言葉で片付けられないのが母親という存在だった。
密かに娘に伝えた言葉。
「王都に行けば、また会っていただけるわ。その時こそ授かって良いのよ」
その言葉だけで娘には十分伝わった。だから、きっと今回は「残念ながら」とお館様には報告することになる。ガッカリされるだろうが、もともとアーシュの身体は若すぎるのだ。さすがにちょっと無理のあることくらいはわかっていたはずだから「結果を決して責めない」はお館様にいただいたお約束。
アーシュの身体が受胎可能になったのはつい先月のことだった。それだけでも運命を感じてしまうが、母のメドゥーサにとっても実は幸運だった。
「だって、そうじゃなければ、間違いなく私だったもの」
息子の嫁三人の中で、一番美しいと言われているのが自分なのだ。それが何を意味するのか、辺境の嫁としては痛いほどにわかる。子種をいただくのは自分の役目となる。
王都でも売り出し中の少年貴族の種が、この地に実を結ぶのが母なのか、娘なのか。一族にとって、あるいは領民達にとっては気にすることではない。大事なのは領主一族との間に子が生まれることであって、母となるのはどっちでも構わないのだ。
今回は、たまたま産める身体で、そして「王都の貴族にも愛でられるほどの美女」が未婚だったというだけの話なのだ。
『あの人ったら、露骨にホッとした顔をしていたわよね。父親のくせに、ひどいわ』
夫でもあり、父親でもある以上、その心理を憎むわけではないが、皮肉の一つも言いたくなる。ただ、今回の少年貴族が「当り」だっただけ。
ブロック男爵家にとっても、アーシュライラにとっても、考えられないほどの幸運が幾重にも重なった形だ。これこそ神のお導きだと考えるのが当然だった。
『それにしても、思い出しちゃうわ。王都学園の入学式。ふふふ。評判の美しさって言われて私も少しは自信があるつもりだったけど、しょせん、田舎のマドンナだったのでしたね』
母であるメドゥーサ自身も、この辺り一帯では評判となる美少女であっただけに、それなりに自身はあった。けれども、現実の壁の高さを思い知ってしまった。
『可愛いと言われて育っても、しょせん私なんてその他大勢でしかない、もっともっと可愛い子が沢山いるのが現実だったもの』
学園に入学する前は「美しさを見初められて白馬に乗った王子様に迎えられる」という淡い夢だって持っていた。しかし、実際に入学してみれば、むしろ自分などは平凡な田舎娘に過ぎないのだという現実に打ちのめされるだけだった。
結局、学園にいる間も、西部の小領主地帯界隈の子女と交流したのが精一杯。気が付けばブロック男爵家の跡継ぎの嫁という立場になっていた。
しかし、メドゥーサは決して、それを悲しいとは思ってない。
『暮らしは楽じゃないけど幸せだもの。優しい夫に、素敵な家族。そして賢くて美しい子ども達。私には、これで十分。でも、できれば、この子には少しだけ夢を見させてあげたい』
だからこそ、一族の願いよりも娘の2年という時間を優先させたかった。
「ショウ子爵は、伯爵家の跡取りでもある。高位貴族の子を産めば、この領の向こう30年が保証されるだろう」
そう言って、一族の期待を一身に背負った娘を送り出したのが昨日のこと。しかし、母はこっそりと囁いていた。
娘は母の言葉を受け入れた。
ただ、それだけのことだ。
もちろん、こんな日が来るかもしれないと思っていたメドゥーサは、子を産める身体になったと知って、すぐに教育をすませている。
『でも、たとえ、やや子を宿さなくても、あの様子だと、ずいぶん素敵な体験をさせてくださったのね。本当に素敵なお方が来てくださって良かったわ』
あらためてグレーヌの神に感謝を捧げ終わった母をアーシュが見ていた。
「お母様、本当に良かったのでしょうか?」
よい子の娘は、やはりお館様の期待を裏切ったことが気になるのだろうと思ったら、違っていた。
どうやら、あの少年貴族は「聖痕」のことをちゃんと知っていたらしい。入浴という口実で、体中を見られたのだとアーシュが顔を真っ赤にする。
もちろん、男性が美少女の裸を心ゆくまで見つめていたいというのは理解できる。しかし、耳の後ろまで見つめて来たというのは、もはや聖痕を探していたとしか思えない。
実際、アーシュが尋ねると否定するどころか、率直に尋ねてきたらしい。
「あなたはなんと答えたのかしら?」
「はい。お母様に言われてきた通りに」
「そう。よかった。一族の者は一人も教徒ではない。でも領民に気を遣わなければならない、ということね。偉いわ、アーシュ。よく頑張ったわ」
「お母様、でも、いまさらですけど、私はウソを吐いたことになります」
「いいのですよ。神様はちゃんと、あなたのことをわかってくださってます」
「ウソを吐いてはいけないと教えにはあります。どうしても、それが胸につかえるのです」
「何度もあなたには教えてきたはずですよ。誰かに尋ねられて、自分が損をするとか傷付けられるとかいうことを恐れてウソを吐けば、一番基本の教えである『誠実に生きるべし』を守ってないことになります。けれども、あなたが言った偽りの事実は、あなたの損や得とは関係ないわ? ただ、ひとえに領民達のためです。だから、神様はきっとお許しになるから心配しなくて良いのよ」
「でも、お母様、ウソを吐いた…… 偽りの事実のおかげで、私は、今とても幸せな気持ちで一杯になってしまっているのです、良いのでしょうか?」
「いいえ。アーシュ。それはね、ご褒美なの」
「ご褒美、ですか?」
「そうよ。アーシュにとって、偽りの事実を言葉にするのは辛かったはずよ、よくそれを堪えました」
敬虔なグレーヌ教徒なのに「自分は信徒ではない」と言いきるのはどれだけ辛かったか、経験者である母にはよくわかった。でも、その結果として、ブロック男爵家の全員をグレーヌ教徒へと改宗させられたのだ。
グレーヌを増やすために辛いことに耐える。それが天国への道だと、今では確信しているメドゥーサの言葉は確信に満ちていた。
「確かに辛かったですけど」
「それにね、アーシュ」
「はい」
「幸せな気持ちだけど、今、すごく痛いでしょ? もしも、今の幸せな気持ちがなかったら、きっと耐えられなかったはず。神様は、ちゃんとあなたが領民達のために辛いことをやりおおせたことをご覧になっていたのよ。だから、そのご褒美として、今の幸せな気持ちを与えてくださったのです」
「それでは、私は、この幸せな気持ちのままで良いのでしょうか」
「そうよ。うーんと幸せになりなさい。それこそがグレーヌの神の教えよ? 産めよ、増やせよ、ね。そのために私達ができる最善を尽くすのが義務なの」
西部小領主地帯のグレーヌ教徒である貴族は「聖痕」を女の子に刻まぬことを巡回主教から口を酸っぱくして説かれている。例え教典にそう書いてあっても、グレーヌの教えである「産めよ、増やせよ」のために堪えよ、と繰り返し説かれてきたのだ。
この秘密は、今のところ、西部の小領主地帯の貴族の妻達の間だけでしっかりと守られていた。
そう、この秘密は女たちだけによって守られる秘密なのであった。
「やっぱり、巡回主教様のお言葉は正しかったのだわ」
メドゥーサは、娘のささやかな幸せと、いつの日か娘が王都にてグレーヌを増やしてくれることを祈っていた。
・・・・・・・・・・・
8月7日
ショウがブロック男爵領に到達したころのガーネット公邸。
影の者はリレーをしつつも命の限りにと走り続けてきたのだろう。ホコリにまみれた商人姿のまま、エルメスの前で水を飲み干してから報告をした。
公爵の前でありえない態度だが、床に座ったままだ。そうでもせねば気を失いそうなほど疲労していたのだ。
千キロを超えて急報された情報だった。
もちろん、エルメスが使者の疲労困憊した姿を咎めるわけが無い。むしろ、重大な情報であると見抜き、直ちにアインス ツヴァイ ノイン アハト ズィーと言った、騎士団の最古参と、幹部を直ちに呼び集め、嫡男を呼べと指令を出していた。
そして、嫡男の到着を待たずに男から話を聞いたのである。
絶え絶えな息の合間に聞く「ローディング」と言う言葉。それが始まってしまったのだという。
「なんだ、そのローディングというのは?」
使者が言うには、アマンダ王国の王都から枢機卿の一人が信者と共に歩き出した。その数は3千以上だという。
さすがのエルメスも、グレーヌ教のことまでは分からない。互いに顔を見合わせた後、アインスが「あやふやですが」と声を上げた。
「おそらくグレーヌ教徒が大挙してシードまで押しかけてくることになるかと」
「攻め込んでくると言うことか?」
「いくぶん、そう言う要素もあるかも知れませんが、え~っと、あやふやなんですよ? ただ、連中からすると聖地巡礼という意味があるはずです」
「巡礼者か。確かに数は多いが、一般人がその程度であれば、国境線でどうにでもできるであろう」
ホッと胸を撫で下ろそうとしたエルメスはアインスの目を見て、自分の想像が全く違うものだと理解した。
「いかほどになる?」
静かに尋ねた。
「おそらく数十万人…… いや、それですむかどうか。お館様、とにかくグレーヌ教について詳しい者を呼んで聞き出す必要があるかと。それに王都ならもっとわかることがあるかも」
「数十万か」
ここでエルメスは戦場においてのカンが働いたのである。
これは単なる「巡礼」の問題で終わるはずが無いのだと。人数だけでも、大問題だ。
「ただいまより、ガーネット家は戦時体制とする。騎士団、兵士を総動員せよ。動員は1万とする。予備はシンの周りに配置。命令次第で第二弾となるようにせよ。領内巡回は極小で良い。本営をナゴに設立する! 三日で用意せよ!」
「「「「「ハッ!」」」」」
「アポロを呼べ、シュモーラー家に使いに出すぞ!」
「ハッ!」
エルメスは、その日王都に向けて緊急動員の要請を行った。同時にシュモーラー家へと四男、アポローニアーズ(アポロ)を出兵の要請のために送り出したのである。
「アインス」
「ハッ!」
「以前、騎士団の中にいるグレーヌ教徒を書き出したはずだ。その者達を直ちに呼び集めよ。何なら教典を持参せよと。ローディングとは何か、これをできる限り早く理解せねばならぬ」
「直ちに!」
「それから……」
珍しく言いよどんだエルメスだ。
「現在は、紹介状を渡したブロック男爵領に着く頃かと。直ちに手配いたします」
「情けないと思わぬか?」
エルメスのカンは、あの小僧が必要だと告げている。理屈ではない。それこそが、戦場で働く、人知を超えた何かの声だ。
それを大切にするからこそ、戦場では生き残れるのだ。
「いえ。見いだした才を活かすのも、お館様の器量でございましょう」
「相変わらず、立ててくれるのぉ」
ふっ小さく笑ってから、エルメスは小さく呟く。
「単なるカンで終われば良いがの」
「それほどと?」
「ひょっとしたら、我が生涯、最大の戦場が生まれるかも知れぬ。腹をくくるぞ」
「心して!」
「頼む」
瞬間、アインスは飛び出していった。
『いつもとお顔が違っておられた』
激戦となればなるほどに、豪快に笑って見せるエルメスが「最大の戦場が」と言いながら実に渋い表情をして見せたことに、アインスは一抹の不安を覚えたのである。
はい、ここで前々話での後書きの意味をご理解いただいたかと思います。
グレーヌ教徒ですが「自分がグレーヌ教徒である」ということを否定して良いという「方便」が与えられているわけです。ちなみに「方便」という言葉は元々仏教用語です。真実の教えに至る前段階として教化される側の,宗教的能力に応じて説かれた教え。(大辞林より)のこと。つまり、立場によって教えを変えてもOKってこと。宗教は、けっこう柔軟に生き延びるんですよね。ショウ君の頭からも、そういうことは完全に抜け落ちてます。この穴が大事に至らないと良いのですが。
サラッと書きましたが、実は一ヶ月早かったら「年上人妻の寝取り孕ませ」という思いっきりひどい展開もあり得たという事実。それはそれで面白そうですけど、別作品になっちゃいますねw
それにしてもガーネット家の連絡員はすごい。リレー方式とはいえ、たった7日で一千キロはすごいですよね。
※「シーメンティア」とは「種」を表すラテン語の発音を元にして作られた祈りの言葉です。定型句ですね。




