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天使の前世はボッチ?

あどけない表情で寝ぐせのついたホワホワの髪の毛。

フリルがたっぷり付いた可愛らしい水色の寝間着がよく似合っていて、まるで人形のような可愛さ。

ちょっと前までは本当にお人形のようだったのだが、ぽてぽて歩いたり、鈴が鳴るような声でコロコロ笑い、少ないながらも話すようになった今では、より可愛さが増している超絶美幼女。


それが私、リリーシュである。

この家の人間たちは、「うちのお嬢様は天使。世界の至宝。」と口をそろえて語っており、その噂は他家の耳にも入っているらしい。

揃いも揃って親バカだよね!恥ずかしいから言いふらすのやめて!


「リリーシュ様…?大丈夫ですか?どうしましょう!お医者さまを!!」


あまりに返事をしない私の様子に、とうとう心配が爆発したマーサ。

あ!また返事忘れてた!!まだ言葉がスラスラ出ないからついつい自分の中だけで喋ってしまって、実際に喋るのがすごく遅れるし、言葉が少なくなってしまうんだよね。


「まーしゃ、だいじょぶ。よ~」

「良かったです!!リリーシュ様、まだ眠たいのではありませんか?どこか苦しいとかありませんか?」

「ないよ~」


元気だよとアピールしたものの、マーサの心配症スイッチを押してしまったようで完全に体調不良を疑われている様子。

その後ろでは、おそらくドアを開けたときにマーサから1日の予定を説明されていたのであろう10代後半くらいの侍女、エメリとミアの2人がこの世の終わりのような顔をしていた。

ちなみにマーサは25歳らしい。侍女長の娘であり、幼いころから侍女の仕事を仕込まれたスーパー侍女である。最近ちょっと太ったらしくお菓子を我慢しているらしい。かわいい。


「もしや私共がうるさくて、起こしてしまったのでは!?」

「もしやお部屋が暑かったのでは!?それとも寝具が合わなかった…?私の管理不足ですわ!!」

「お嬢様の眠りを妨げるなどあってはならぬこと…。マーサ様、わたくしをどうか鞭打ってくださいませんか」

「いいえ、エメリ。それならば私こそ!!!どうか!」

「「マーサ様!!どうか私どもに鞭打ちを!!」」


げっ、鞭打ち!?

そう、この世界(分かんないけど世界って呼ぶ)には鞭打ちという罰があるらしいんだよね。

怖い!怖いよ!怖すぎる。私が早起きしただけで鞭打ちとか、トラウマものだよ。

てゆうか鞭打ちとか痛いことはやめよ。もっと平和な感じでいこうよ…。


「もう!あなたたち!リリーシュ様の前でおやめなさい!驚かれて固まってしまってます!!」


そうそう、やめてねー。


「「お嬢様!!!大変申し訳ございません」」

「ですがどうか侍女のままでいさせてくださいませ!」

「私も!ずっとおそばにいさせてくださいませ!!」


当たり前だよー。ずっといてね。

元はと言えば、私が勝手に早起きして、しかもその後喋らなかったせいなんだから。

自分の中でグワーッと喋って自己解決しちゃって、口数少ないのってどうにか治るのかな?

もはや癖みたいな感じなんだけど…。

そういえば、そのせいで前世では「何考えてるか分かんない」ってよく言われたっけ?友達も…いたっけ?あれ…もしかしてボッチってやつだったかも。

いや、1人くらい居たよね?覚えてないけど…。うん、あんまり多くなかったかもしれないけど。うん。


ぶっちゃけあんまり前世のことって覚えてないんだよね。自分の名前すら憶えてないもん。でも日本で暮らしてた冴えない女子学生だったのは漠然と覚えてる。

変だよねー。これ転生なのかな?知識だけ持って来たパターン…?


あ!また忘れてた!!ヤバイ。この場を収めないと!!


「えめ、みあ…だいじょぶ、だよ?」

「ずっと、いっしょ…。いてね?」


うお、幼児の頭って重いんだよね。グラグラするー。


「グフッ…!お嬢様が首をコテンと…!!!かわ…!」

「ず、ずっと一緒…!はい!一生お世話させてください!!!」


なんとか無事2人に伝わったみたい。めっちゃコクコク頷いてくれてる!

一生は重いし、可愛い可愛い呟いててちょっと怖いけど、とりあえず収まったからまぁいいか。しかも、これ今世はボッチ回避できたってことだよね!?よかった!!


リリーシュ(2歳)は細かいところはテキトーなのである。

だって2歳だもん!


小説ってこんなので良いのかなぁ…。ゆるっと続きます~

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