ちゃんちゃん
俺のこの「絶品」というスキルは一体何なのか。アツシにもわからないとなると謎のままだ。アツシはそれ以外の魔法の説明をしてくれた。すっかり話していると森の奥まで来た。
「うわっ」
急に押し倒されたので、急に声が出た。
「随分と男らしい驚き方だね。もしかしてそんな言葉遣いしか知らないのかな。まぁでも、いいや。流石にこの後何をされるかはわかるよね。可愛がってあげるよ。」
アツシの態度が急変した。気持ち悪すぎる。
「話せよ、このやろう。」
「大人しい子だと思ったけど案外気が強いんだね。安心して気持ちよくしてあげるから。ちなみにここには誰も来ないよ。わざとそういう場所の依頼を受けたから。」
「頼むからやめてくれ、俺はホントは男なんだ。」
「嘘言っても無駄だよ。こんなに可愛い男がいるわけないじゃないか。」
拗らせ野郎は聞く耳を持たないみたいだ。俺は無我夢中で暴れアツシを殴った。その時不思議なことが起こった。一般男性を倒せるほどの力ではないはずなのに、アツシは泡を吹いて倒れた。だが意識はあるらしい。俺はアツシの腰にある剣を持ち上げ、アツシの眉間に突き刺した。血飛沫が上がって俺に跳ね返って来た。我に帰った俺は唖然をした。確かに俺は殺意を持ってコイツを殺したんだ。
「あぁ、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
いや待てよ。コイツだって悪いじゃないか、俺だけが悪いわけじゃないコイツが先に俺にエロいことをしてこようとしたじゃないか。俺は必死に自分の行いを正当化しようとした。
「コイツも悪いんだ。お前みたいなやつは死ぬべきだ。これがこの世からみんな消してやる。」
俺は自分を守るために、コイツみたいなやつを消すために旅に出た。
アツシをいい奴にしようか迷った挙句悪者にしました。これで終わりです。全国のアツシさんごめんなさい。