正気の沙汰じゃない
買い物も終わったところで、アツシは次に向かうとこがあると言う。結局今着ているのは、可愛い服では無く、動きやすそうな服だ。残りの買ったはアツシのアイテムボックスなるものに入っている。アイテムボックスはギフトの一つらしい。ギフトって笑
「ここが冒険者組合だ」
アツシが連れてきたかったのはここか。冒険者組合ってことは俺も戦わせるってことだよな。この体で戦えるのか。
受付に行くと、愛想の良いおっさんが受付をしてくれた。
「登録の方ですか。ではお連れの方の冒険者カードを拝見させてください。」
おっさんはアツシのカードを確認すると色々準備してカードとナイフを出してきた。
「ではこちらのカードに血をお願いします。」
切るってことか切るって。まじかよ。
「大丈夫かいユウ。」
アツシが声をかけてきた。
「はい、アツシ様の為でしたら。」
俺は自分で自分の指に切り傷と入れ、カードに血を垂らした。血が一滴垂れると傷は治った。カードが光り出した。光終わったカードを見ておっさんは
「ええと、レベル10ですね。知能も高いですし、魔法使いがおすすめです。」
何が良いのかわからない。俺はアツシを見た。アツシはニッコリ笑って説明をしてくれた。
「カードには自分のレベルとステータス、職業が映し出されるんだ。レベル10から登録することができて、ステータスによって職業が決まる。自分の好きな職業でもいいけど、なかなかレベルが上がりづらいから、おすすめの職業で登録したらいいよ。因みに僕はレベル65の剣士だ。君が魔法使いになってくれたら助かるよ。」
なるほどね。でも、名前は映らないのか。
「でしたら、魔法使いでお願いします。」
俺は最大限、少女っぽく言った。
「かしこまりました。ではこちらにお名前をお願いします。」
名前は手書きなのか。でも文字が分からん。
「アツシ様、私文字がわかりません。」
甘えるように言った。
「でしたら代筆でも構いませんか。」
おっさんがアツシがしゃべる間も無く言った。
「はい、お願いします」
おっさんは書き終えると説明をしてくれた。ランクはEから始まるらしい。ある程度経験を積むとDに上がることができ、Cになると一人前らしい。Bにもなると一目置かれ、その中でも功績のある者がAランクになることができるらしい。Sは今のところ世界に6人しかいないくらいに強いらしい。パーティーだと8つがSランクらしい。パーティー全員がAランクだとSだとか。まぁそこはおいおいってとこかな。
「登録完了です。アツシ様がAランクですので一緒でしたらBランク以下なら依頼を受けることが出来ます。」
いきなりBランクの依頼を受けれるとかアツシってかなり強いのか。ギフトが強いのか、本人が強いのか分からないが。できれば、高くてもCランクの依頼から受けたい。
「よし、だったらBランクの依頼を受けよう。その方がユウのランクも早く上がるしね。」
終わった。俺は魔法使いになったが魔法の使い方は知らないんだぞ。どうかしてるよこいつ。だが、俺は気持ちを抑えて
「かしこまりました、アツシ様。」
と、言った。