第十二話【約束】
――あなたの気持ちは本当に嬉しい。
私も同じ気持ちであなたに恋い焦がれています。
でもこの恋は叶わない、叶ってはいけない恋だということも
分かっています。
確かにあなたが成仏してからも私の人生は続きます。
しかし、未来というものは分からないもので。
あなたが成仏してから私が生きている間に生まれ変わって今度こそ
恋仲になれるかもしれない。
それがもし叶わなくても来世があるではありませんか。
来世であなたを絶対に探し出すと誓います。
だからそれまで私を待っていてはくれないでしょうか?
そう少し悲しそうに笑う彼女の優しさに
俺は涙が止まらなかった。
~~俺も約束をしよう。
俺も必ず、君を探し出してみせる。きっと君を迎えに行く。
どうか成仏しても心の片隅でもいいから
俺を覚えていてくれ。
――別れのような感じになっていますが。
まだ私は夢を叶えていませんからね。
まだ一緒に居ますからね。
~~そうだったね。
絶対に君の夢を見届けるよ。
……それからしばらくして
二人にとってとても大切な日が来た。
~~いよいよだね。
これでこれから先の人生が決まる。
どうか無事に上手くいきますようにお祈りしています。
頑張ってね。
――ありがとう。
二人にとってとても大切な日。良い報告が出来るように
頑張って参ります。
今日は保育士の国家試験の日。
これで夢が叶うかどうかが決まる。
二人でここまで頑張ってきたんだ。きっと大丈夫。
そう思っていてもやっぱり緊張する。
落ちれば、まだ彼と一緒に居られるなんて考えてしまった。
それでは意味がない。
どうか上手くいきますように。