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第十一話【二人の大切な夢】


その日の夜、いつもとは少し違う雰囲気だった。

保育園での実習の話をしていた。

彼が少し寂しそうな顔をしているのが分かった。


そして彼がいつも以上に透けているのが分かった。

そうか…もうすぐ夢を叶えるから…。


薄々は感じていた。

もうすぐで二人の時間が終わりを迎えること。

彼が一番、そのことを感じていること。

だから彼は今そんな寂しそうな顔をしているのだろう。



――そんな寂しそうな顔をしないで。

もうすぐ私が夢を叶えるからそんな顔をしているのでしょう?


私が夢を叶えてあなたが成仏しても

絶対にあなたを忘れたりしないから。


保育士になる夢は二人にとって大切な夢だから。

あなたが視えなくなっても私の心の中にはずっとあなたが居る。

だからそんな顔をしないで。心配しないで。



~~君にはもう隠し事が出来ないみたいだね。

ありがとう。そう言ってくれて少し気持ちが晴れたよ。


成仏するのが、君ともう会えなくなるのが本当に寂しいよ。

前世の彼女のことが好きで未練だったはずなのに

生まれ変わりの君と過ごす時間が楽しくていつの間にか

君のことを好きになっていたんだ。


でも、君にはまだこれからまだまだ楽しい人生が残っている。


どれだけ君に恋い焦がれても恋仲には決してなれない幽霊の自分が悔しい。

前世で俺が彼女を幸せにできなかった分

君には絶対に幸せになってほしいと心から願っているんだ。


でも気持ちとは複雑なもので、まだ離れたくないと

この世にしがみついている自分が居るんだ。



こんな未練がましい幽霊で本当に申し訳ない。


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