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ヴァルキリーアーマー  作者: 廿楽
第2章 序幕
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2-1 部活動、始めます

 僕がヴァルキリー学園に転入し、授業が始まってから1週間が経った。

 授業中は皆静かにしており聞こえるのは先生の声とチョークの音、そして筆記具から発せられる筆記音だけだ。

 前の学校では授業中にもかかわらず私語を行う生徒がいてその度に先生が注意する声が聞こえており学校での勉強に身が入らないため入学して間もないころから塾通いを行っていた。

 それに比べ、ここでの授業はかなり落ち着くため勉強に身が入りそうだ。

 食事も充実しており朝夕は寮にある食堂に集まって食べる仕組みになっており朝食は和と洋が交代で出て夕食は魚がメインのA定食と肉がメインのB定食から選ぶ方式になっている。

 昼食は原則学生食堂で食べるか購買部で購入する仕組みだが前日までに予約する事で業者が弁当を届けてくれる。

 弁当は唐揚げ弁当、のり弁の他に日替わりスタミナ弁当、日替わり栄養弁当がありどれも美味だ。

 学園生活に関しては最初は不安だったが1週間もすれば多少は慣れる。

 今の所男子も女子も僕に対して良くしてくれたりあるいは関心を持たなかったりしているため安心できるがふとしたことがきっかけで空気が変わるかもしれないため油断はできない。

 放課後になり帰ろうとすると(やなぎ)さんが「そういや酉島(とりしま)君って部活決めた?この学校部活強制なんだけど。」と聞いて来て僕は「うーん、まだかな。」と答えた。

 すると柳さんは「運動は得意?」と聞き、僕が「苦手。」と答えたら「じゃあ運動部には入る予定は無いの?」と聞き返したため僕は「そうだね。」と返事をした。

 それを聞いた柳さんは「という事は放課後は別行動か・・・」と呟くと僕は「どうしたの?」と聞き、柳さんは「何でもないよ。」と取り繕うように言った。

 そして、「それじゃあまたね。」と言って柳さんはグラウンドの方へと去って行き、僕は「部活かぁ・・・そういやここに転入するまで殆ど学校に行ってなかったからどんなものなのかパッとしないな・・・」と呟き、「取り敢えず部室棟行くか。」と部室棟へ向かった。

 部室棟に着いた僕は「えーっと、ここは1階が運動部で2階が文化部と同好会の部室で・・・」と案内板を見ていると後ろから「酉島君?」と声を掛けられた。

 振り向くと声の主は奏さんだった。

 奏さんは「酉島君、もしかしてこの学園にどんな部活があるか調べようとしてました?」と聞くと僕は「は・・・はい。」と答える。

 それを聞いた奏さんは「それなら生徒会室に来ればサポートできますけど。」と言うが僕は「それって生徒会に入れって事ですか?」と奏さんの言葉を疑う。

 奏さんは「生徒会に入れなど一言も言ってませんけど。もし生徒会室に来るのならこの学校にある部活が全部乗ったリストをお見せします。」と言うと僕は「嘘じゃないですよね?」と疑う。

 未だに疑う僕に奏さんは「いえ、本当です。それだったらこちらからリストを持って来ましょうか?」と提案すると僕は「はい。そうしてくれると助かります。」と言う。

 その言葉を聞いた奏さんは「分かりました。お待ちください。」と言って去って行き、それから数分後、奏さんが戻って来て「お待たせしました。これがリストです。」と僕に部活のリストを渡した。

 運動部は野球部やバスケ部、バレー部といったメジャーなものから自転車競技部や山岳部といったあまり見ない部活まであり肝心の文化部は吹奏楽部や書道部、さらには将棋部や天文部といったものまである。

 そして同好会は漫画研究会、クイズ研究会、料理研究会、テコンドー研究会の4つがありテコンドー研究会は避けた。

 リストに一通り目を通し、僕は自分の趣味である執筆をするため文芸部に入ろうとした。

 僕の様子を見た奏さんは「決まりましたか?」と聞くと僕は「はい。一応文芸部に入ろうかと思っています。」と言う。


 奏さんと別れた僕は教えられた通り部室へ向かう。

 部室へ到着し、扉をノックすると中から「どうぞ。」と聞こえたので扉を開けて中に入るとそこには高等部の制服を着用した長い黒髪の女性がいた。

 その女性は「文芸部へようこそ・・・私は部長の鳩岡(はとおか)です・・・」と自己紹介し、「貴方は確かこの前転入してきた・・・中等部3年の酉島君ですね・・・」と確認する。

 僕は鳩岡さんに対して「はい。」と返事をすると鳩岡さんは「ところで酉島君は執筆の経験はありますか?」と聞いてきたため僕は「それ、他の人に言ったりしませんよね?」と聞き返す。

 鳩岡さんはそれに対して「い・・・言うだなんてとんでもないです。これはあくまで黙っておく事ですから・・・」と言う。

 それを聞いた僕は「本当ですか?」と聞き返すと鳩岡さんは「本当です・・・貴方って猜疑心(さいぎしん)が強いんですね。」と答える。

 それを聞いた僕は「実はネットで『鬼人転生奇譚』を書いて投稿しておりまして。」と言う。

 すると、鳩岡さんが「もしかして酉島君があの(あき)先生ですか!?」と興奮するように詰め寄った。

 それに対して僕は「はい、そうですけど。」と答えると「私、あの作品大好きなんです。続きが楽しみで仕方ないんです。」と興奮している。

 そんな彼女の様子を見て僕は「ここってネットは繋がってますよね。」と聞くと鳩岡さんは「はい。主にPC部が使ってます。」と答えた。

 そして僕は「じゃあここで書きましょうか?ノートパソコンありますし。」と提案したら鳩岡さんは「是非お願いします。」と言った。

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