表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴァルキリーアーマー  作者: 廿楽
第1章 転入
3/11

1-3 ヴァルキリー学園最高特殊部隊「ACE」

 桑野先生に紹介された僕は「酉島(とりしま) 章佳(あきよし)です。これから1年間一緒に過ごさせてもらいます。」と名乗った。

 そして「酉島の席は廊下側から見て3列目の一番後ろだ。」と桑野先生が教えると僕はその席に座った。

 クラスメイトは30人中24人が女子(じょし)、その事実を把握した僕は取り敢えず安心した。

 それからも話は続き、時刻は午前11時となって「今日は解散だ、教科書が部屋に届いていると思うから名前を書いておくように。」と声が掛けられて解散となった。

 机の上に置いてあった書類を鞄に入れて帰ろうとしたら「待って、酉島君。」と話しかけられた。

 後ろを振り向くと赤茶けた短髪と中学生にしては大きい胸を持つ女子が僕を呼び止めていた。

 僕は「何?僕に何か用?」と聞くと「酉島君って確かACEに入る事になったんだよね?」と聞き返してきた。

 その問いに対して僕は「確かに理事長にはここの最高特殊部隊に入るよう言われてるけど・・・」と答えるとその女子は「そうだよ。」と反応し、「私、(やなぎ) 千夏(ちなつ)。ACEのメンバーなの。」と名乗り、その横にいたギャル風の見た目で胸は柳さんより大きいだと思われる女子も「あたしは伏見(ふしみ) 楓音(かのん)。千夏と同じくACEのメンバーやってまーす。」と名乗った。

 そして、伏見さんは「ところで、ランチはどうするか決めてないんでしょ?」と僕に聞き、僕は「まだだけど。」と答えた。

 すると、「折角だしさー、あたしらと一緒に行かね?」と伏見さんが提案し、僕が「えっ、ちょっ・・・」と狼狽(うろた)えていると「じゃあ行くよ。」と柳さんが強引に連れ出した。

 連れ出された先は女の子が集まるようなカフェだった。

 店内の様子を見た僕は「ここ・・・僕みたいな人が来ていいのかな?」と不安そうに聞くと伏見さんは「大丈夫。この店、男もパンケーキ食べに来たりするから。」と言う。

 だが、僕は「えっ、それってカップルなんじゃ・・・」と言い返す。

 それに対して伏見さんは「あまり信じてないの?今のあたしと酉島はカップルみたいなものじゃん。」と説明するが「でも付き合ってないでしょ。」と僕は否定する。

 そんな僕を見た伏見さんは「ごめんごめん。」と謝罪し、「それじゃあ席につこっか。」と4人が座れるテーブル席に座った。

 メニューを見ると生パスタやパンケーキ、パフェといったカフェでよく見る料理がラインナップされていた。

 価格は学園専用通貨であるVL(ヴァル)で表記されておりメニューに掲載されているもの価格は280VL~500VLとなっているが高いのか安いのかよく分からない。

 僕は伏見さんに「ねえ、VLって日本円だとどのくらいになるの?」と聞くと伏見さんは「1VLが2円50銭だから安いもので700円、高いもので1250円だよ。値段的に普通のカフェと変わらないって。」と説明した。

 それを聞いた僕は安心し、注文する料理を選んでいると柳さんが「みんな決まった?私はもう決まったけど。」と聞いて来て僕は「いや、まだだけど。」と言うと「じゃあこれはどう?」と写真を指差した。

 柳さんが指さした写真を見るとそれは明太子のパスタで麺はスパゲティとフェットチーネから選べるらしい。

 僕はこの機会に家では食べることが出来なかったフェットチーネを注文し、しばらくして届いた料理を味わいながら僕は「強引だったけどこの2人ならいじめはしなさそうだな。」と思った。

 食後になって支払いを済ませると柳さんが「今からACEの拠点に行くからついて来て。」と僕に言い、店を後にした。

 十数分歩いて辿り着いた先には門に「ヴァルキリー学園 高等部防衛学科 学生寮」と彫られていた。

 僕たち3人はその敷地に入り、外を通ってとある建物に入った。

 その建物の最上階まで上り、一番奥の部屋のドアを開けた柳さんは「転入生を連れて来ました。」と中にいる人に声を掛けて入った。

 室内には緑色の髪とかなりの巨乳を持つ高等部の制服を着用した女性がいて柳さんに対して「お疲れさん。転入生もあたしに顔を見せな。」と言って迎え入れた。

 僕が警戒しつつも中に入ると女性は「何怖がってるんだい。大丈夫、あたしはあんたを酷い目に遭わせたりしないさ。まあ、ACEには約1名風紀を乱したら酷い目に遭わせる超弩級の畜生がいるがな。」と僕を安心させる。

 すると、「誰が超弩級の畜生ですか!?」と怒鳴り声が聞こえ、振り向くとそこには今にも部屋に置いてあった椅子を投げようとする黒髪のセミショートが特徴の大柄な女性が立っていた。

 僕が怯えていると「美空(みそら)、あんたいい加減にしな。そんな行動理念でやっていけるほど社会は甘くないよ。」と緑色の髪の女性が美空と呼ばれた女性を(たしな)めた。

 だが、「甘いのは瑠果(るか)さん、そっちじゃないんですか?世の中には暴力でないと解決できない案件もあるんですよ。」と言い返し2人は喧嘩になりかけたが伏見さんが「まあまあ、2人とも落ち着いて。折角酉島が来てくれてますから喧嘩しちゃだめですって。」と宥めたことでその場は収まった。

 その直後、「ACEの部屋の方から騒がしさを感じると思ったら、またですか美空さん。何があったかは知りませんがいい加減丸くなったらどうですか。」と声が聞こえ、そこには青み掛かった黒髪のロングヘアーの女性がいた。

 伏見さんが事情を話したらロングヘアーの女性は「なるほど、美空さんは『超弩級の畜生』と言われたから椅子を投げようとして瑠果さんが止めた結果、喧嘩に発展したというんですね。」と状況を理解した。

 そして、「うちの仲間が怖がらせて申し訳ありません。私は現在ACEのリーダーとこの学園の生徒会長を兼任している新富(しんとみ) (かなで)と申します。」と謝罪と共に自己紹介した。

 僕は「酉島 章佳です。」と名乗り返し、瑠果さんは「あたしは青柳(あおやぎ) 瑠果。で、こっちが京山(きょうやま) 美空だ。」と自己紹介して美空さんの事も紹介した。

 美空さんは僕に「先ほどは申し訳ありませんでした。」と謝罪したが僕は第一印象が先走ってしまいうまくコミュニケーションが取れなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ