捏造の王国 その54 後退国ニホンへまっしぐら、国際大運動大会開催して大丈夫なんでしょうか?ガース総理
ワクチン接種の遅れも、感染対策分科会会長の中止勧告もものともせず、国際大運動大会開催に固執するガース総理とダケナカほかの面々に総理側近のシモシモダ総理補佐官らまで心配し始め…
6月に入り梅雨入り宣言はしたものの、まとまった雨がなかなか降らないニホン国。例年であれば夏の水不足や、秋の農作物の出来具合が話題になるのだが、今年は別の懸念材料がてんこ盛りであった。
「ねえ、シモシモダ君、本当に大丈夫かな」
ため息交じりにつぶやくように尋ねたのはニシニシムラ総理補佐官。総理の執務室の隣で仕事中なのだが、いまいち身が入らないらしい。
「どっちのことを言ってるんだい、ニシニシムラ君」
声を潜めて答えるのはシモシモダ総理補佐官。同じく勤務中ではあるが、こちらも気もそぞろのようで、総理の執務室への扉をチラチラ見ている。
「どっちって、そのう、国際大運動大会もそうだけど、総理のことも」
「はあ、本当に君は素直だなあ。そんなにはっきり言わなくてもいいのに。とはいえ、俺も両方、いや、ほかも含めていろいろ頭が痛いよ」
「ワクチン接種が1000万回って報道されてるけど、ニホンの人口は一億以上だから、7月の国際大運動大会の開催までには到底間に合わないし。おまけに薄めてダメにしたとか、再冷凍・再解凍で使い物にならなくなったとか、予約システムが滅茶苦茶とか」
「防衛省が依頼したダソナのダケナカのポンコツ予約システムか。無料で最速で作り直させたいぐらいだが、無理だろうな、またロクデモナイものを作って知らん顔するに違いない。ダケナカの厚顔無恥ぶりはジコウ党議員なんぞ足元にも及ばんよ、まったく。なにしろあの寄生虫のダソナだけ、純利益900%越えだと。ニホン政府からぼったくるくせに、何をやらせてもロクでもない代物しか作れないのにな。おまけに余計なことを言い出して、ガース総理の立場をますます悪くしてるんだから」
「感染対策分科会のオンミ会長の国際大運動大会は中止すべき発言は越権行為とかいったこと?まあ、越権というか専門外はダケナカさんのほうだよね。オンミさんはカンボジアで停戦させて市民にワクチン接種したとかいう実績のあるウイルスや公衆衛生の専門家なんだし。そりゃいろいろ間違えてもいたかもしれないけど」
「ダケナカなんぞオオイズミ総理に引き立てられて、そのつながりがあるからこそ大きな顔をしていられるんだからな。まともにやったらダソナは赤字続きで倒産だろうよ。破格の受注金額と派遣社員からのピンハネでもってるらしいからな。奴は経営の専門家ですらないよ」
「そうはいっても、つながりがあるからね。まあ、そういう実力よりつながり、コネが横行しすぎてマトモなシステムがつくれなくなってきてるから、ニホンはGDP一人負けっていわれちゃうんだろうけど」
「新型肺炎ウイルスの脅威が比較的少ないアジア諸国で二度も緊急事態宣言やってるしなあ。一度はほぼ封じ込めたとこもあるし、隣国連中はGDP結構上がってるし、ワクチン接種も進んでる。まあ緊急事態宣言は今月中解除だろうが、解除しても感染者が減るっていう保証はないようだし」
「変異株が蔓延って、あれ、ワクチン接種でも感染するんでしょう?まあ重症化とかリスク自体は軽減されるっていうけど」
「もともとワクチンだけで防ぐのは無理だよ。インフルエンザでも同じこと、だが新型肺炎ウイルスは予後や感染力も含めインフルエンザなんぞよりずっと質が悪い。とはいえ、ワクチン接種が進まないことにはどうしようもない」
「国際大運動大会関係者だけ先にって、確かにずるいって言われそうだよね。あと大企業は職場接種できるっていうのも」
「二千人規模の接種って言ったら大企業だろうよ。これを公言して国民の反発を招かないわけはないんだが」
「でも、オーサカなんて、あの知事をやたらマスコミが持ち上げてるから、なんとか批判かわしてるんじゃない?」
「そうでもないさ。実際に飲食店への休業の支援金の支給は10週以上かかる、首都圏と比べて5倍以上だ。2週間後の支給ですらカナガワン県ではクレームがついたそうだから、オーサカの店はどう思ってるんだか。それを指摘したジャーナリストを出した番組では、うまく編集して知事を英雄に仕立て上げようとしてたけど、あんなのバレバレだろうよ、当事者の飲食業の人たちには」
「知事のことを良くやってるとか、かっこいいとかアイドルとか俳優みたいに騒いでるオバサンやオジサンもいるっていうけど、飲食店の関係者とか医療従事者とかが身近にいればわかっちゃうだろうからね、オーサカ府や市の対応の酷さは。そういえば公然と知事を批判する会社社長のSNSみたよ、僕も」
「だろう?今の世の中下手な演出をしても、どこかですぐにばれる。まあ幸か不幸か、人間は反対意見を聞かない、好きな意見だけ集める傾向があるっていうから、まだ黄泉瓜新聞とか政権ご用達メディアの政権支持率はなんとか半分に近いが」
「でも、実際苦しむ人が増えれば違うよね。生活保護は増えるし、個人貸し付けの申し込みは多くなるし、モノの値段は上がるし。いくら誰が総理やっても同じキャンペーンをやったって、ほかに他国の成功例とかほかの政党の訴えとかインターネットでいくらでもみれるし、口コミもあるから、今のニホン政府って不味いんじゃないの思われちゃうよね、ホントのことかもしれないけど」
「実際の生活で触れる情報をきちんと分析すれば、わかることだからな、今の政府の失策は。自分らがやってるというか、やらされてるのに、そういうのは情けないが。中小企業のボーナスが出ないし、大手だってどうなるか。それにリモートワークやら休業やらで国会を生で見る機会が増えてるせいでいろいろと、な」
「そうなんだよね、総理の答弁が生中継だし、いちおうINUHKは配慮して放映してるんだろうけど」
「配慮って言ったって、一応実況だからな。総理が違う答弁書を繰り返し読んでて、質問者が唖然として訂正しようとしても聞かずに壊れたレコードみたいに繰り返したアノ件なんて、小学生だってどっちがひどいかわかるだろうよ。ニホンの政府っておバカなのって、嘘つけば上に行けるんだニホンってって教育上悪すぎっていう親もいるらしいぞ。答弁書作ってる俺らだって、さすがに質問中に堂々と差し替えはやりにくいから、どうしようもない。いっそフリップでもだすか?」
「出しても読んでもらえないかも。一生懸命つくってても、総理にちゃんとわかってもらえてるどうか不安になってきたよ」
「質問の意図がわかってるかってことか。このごろ妙な独り言も増えてきたし。サンカイさんやらアベノ前総理やらが牽制というか余計なことをいうし。さらにダケナカだのが国際大運動大会反対派の神経を逆なでするようなことをするし」
「五輪担当大臣なんて、キズナ、アスリートの力とか連発して非科学的って非難されてるしね。確かにもう滅茶苦茶だよ、開催派の言い分は。ジコウ党内部からだって開催に対して疑問の声が出ているうえに、委員会の経理部長が自殺したって」
「ああ、すぐにマスコミの隠蔽が行われたけど、海外じゃとりあげられてるし。仕方ないから実名報道けしからんとか国際大運動大会関係者のヤマジジタが話題逸らしに奔走してるが、無駄だろ。実名報道なんてどこだってやってる、間違った名前を言ったとかならともかく。かえって遺書もないし告発番組に出演寸前とかの噂が広がったよ。ただでさえ、似非皇族の賄賂疑惑やら、委員会幹部の日当80万円とか金の疑惑がありまくっているのに」
「それ、僕らの報酬より多いよね。はあ、確かに何に使ったか大半が不明って、どうかと思うよ。国民の税金から出してるのに」
「そうなんだよ、ごまかすにしても、もう少し洗練というか国民が納得する形でやらないと。意味不明の非科学的なことを連発したり、聞かれたことにまともに答えないでごまかしたり、疑惑の記事を寸前で差し替えたり、やることがあからさますぎるよ。まるで後進国だ」
「それどころか後退国っていわれてるけど、リベラル連中からは。ワクチン接種率がジンバブエとかとあんまり変わらないし」
「やっぱり隣国にも抜かされたか、一人当たりGDPはもう抜かされしな。下手すりゃ2-3年後には総GDPだかも抜かされるかも。ニホンへの出稼ぎが、ニホンからの出稼ぎになる日も近いかもな」
「そんな嫌なこと言わないでほしいんだけど、シモシモダ君。まあ緊急事態宣言が続けば職がなくなってニホン脱出したくなるよね。渡航制限でてるから密航とかになるのかな」
「ニホン人が不法移民か、笑えない未来だが、現実になる可能性は高いよな。やはり国際大運動大会は中止したほうがいいよ。1.8兆円の損失とかいうが、緊急事態宣言の損失は6.3兆円とかになってるらしい、ゾニーのシンクタンクの試算だが」
「僕もみたけど、ほかの研究所とかでもいってるらしいね、国際大運動大会のスポンサー企業の系列だから大っぴらには言えないみたいだけど」
「そうなんだよな。やめたほうがいいとほとんどの人がわかっているのにこの調子だからな。おまけにガース総理は、あの調子だし」
とシモシモダ総理補佐官はそっと隣室への扉を開けた。
(う、うるさい、だれが死のうが何人死のうが国際大運動大会はやらねばならんのだ)
“そんなこといっちゃってえ、また悪事の証人が来ちゃいましたよお。奪衣婆さんから聞きました、大会の経理知ってる人が亡くなったんでしょ、正義の告発寸前に。その方は自殺なんで待機ですが、極楽いけそうですねえ、ガースさんは無理ですけどお。もう大会も総理もやめちゃいましょうよお。そうすれば私、地獄の書記官が面倒な仕事しなくてすむしい”
(じ、地獄送りがなんだー、大会はやるんだ、総理も続ける、解散もしないぞお。たとえ国民が何人死のうと経済が、私の支援者がー)
“国民の大半が死んだり後遺症で苦しんだら、経済も何も破綻すると思いますけどねえ。そんな簡単なこともわからなくなったなんてえ、やっぱりおかしくなっちゃったんですかあ。答弁書が違うこともわからないなんてえ、アベノ前総理よりひどいですねえ”
(わああ黙れええ)
当然のことながら地獄の書記官の声が聞こえないシモシモダ総理補佐官らにはガース総理が独り言をぶつぶつ言ってるようにしかみえない。
「そ、総理。大丈夫かな」
「総理だけじゃない、俺たちも、そして…」
総理、自分たち、そしてジコウ党やら、ひいてはニホン国の将来を思わず憂いてしまうシモシモダ総理補佐官とニシニシムラ総理補佐官であった。
空梅雨も怖いですが、無理やり国際スポーツイベント開催も怖いですねえ。ワクチン接種完了秋ごろ、ただしイベント関係者やら大企業は結果優先だよと抜かす行政府に国民の大半がしゃーねえなという態度らしいですが、政府の人災で死んでも諸行無常だ仕方ないお思いなんでしょうかねえ。