思わぬ事態
今の行進速度なら、あと二日でドワーフの戦士達は里に着く。
悪神に騙されて、無意味な闘いに巻き込まれ、酷い目にあった。
でも、もう少しい、やっと家族と会えるんだ。
昼ご飯の休憩時間、暖かい雑炊を口に運ぶ。誰も故郷が大変なことが起こったと思わないだろう。
向かってる方向、里からの道、一騎のドワーフの騎兵が現れた。
騎兵が馬を全力疾駆させる有様はエロンを驚かせた。よく見ると、馬に乗ってるのは里の衛兵じゃない。馬は伝令専用の軍馬、乗ってるのはただの馬飼いの若造だ。
「どうした?里は何かあった?」
大声で質問しても返事がない。
あど二十歩に、馬の膝が崩れて、騎手がとばされ、地面に何周も転んだ。
エロンが向こうへ駆けて、様子を見る。馬は痙攣し、口は泡を吐く、騎手の両足は震えて、息が荒くて話せない。
「水を、速く!」
焦ってる族長の袖を引っ張って、懐に倒れてる若造はひとつの手紙を取り出す。手紙を書いた人は、この状況が予想したんだろう。時間をかかっても手紙を書く、戦力が惜しがって戦士を遣わない、伝令の軍馬を乗馬に馴染む一般人に乗させる。一体、里に何が起こってるんだろう。
手紙を奪うように取って、早速読む。
書いてある言葉は簡短、エロンの顔色が一変。
「水はもういい!精鋭隊のやつはすぐ集めろう!馬で一刻でも早く里へ駆け出せ!!」
なんの説明もない、たださっき読んだ手紙を腹心の部下に渡す。下の戦士は多少混乱があるが、里から二日程度の路程しかないので、大丈夫だろう。それより、厄介のは連れてるの二十一人の異世界人だ。
「ハスルンカ、頼みがある。」
いきなりに大きい声が耳に入って、一緒にいるフィリップとターラーもびくりさせた。
「伯父、何があったか?」
少女に応じず、ドワーフ族長はエルフと話し続ける。
「俺はいまここに離れる、この間君は異世界人達をしっかり見張るぞ。あいつらが何が変な動きがあったら、あんたの責任だぞ。」
巌しい顔、強硬な態度、無視されたターラーを憶測と妄想の淵に押す。再び恐怖に襲われ、親が亡くなった時の感覚はまた蘇る。
「伯父さん!一体何があった?応えてよ!」
ただ一瞬黙ってターラーへ見て躊躇しただけ、エロンは振り向きもせず、集合した精鋭隊へ向かった。
なんだその反応?うちと無関係と思うか?うちが役に立たないと思うか?うちは、一族の一員と思ってないか。
「フィリップ君、ターラーと一緒にいって、俺ちょっと見に行ってくる。」
「いや、俺達も連れて行こう。」
別にそうする必要があるだけど、少女のためにか?長くとは言えない時間の触れ合いの間、何か共感する所があったか。
まぁ、気にするが、いまはそういう所じゃないか。
「ほら、ターラー、自分で考えるより、状況を確認しに行こう。」
二人は少女を助け起こす、こんな短時間で、エロンと精鋭隊はもう出発した。
「なんのことですか?なんのことでこんな騒ぎましたか?」
ハスルンカの疑問に、ドワーフの戦士達も説明出来なく様子、ただただ手紙を渡して見せる。
「里の鉱山が異変、予想した以上。」
書いたはこれだけ、読んでも情報が取れない。族長のエロンは読んだあどすぐ反応したが、他のドワーフの連中は困惑してる。これで判断すると、その異変はきっとごく一部の上層の人しか知らないことだ。エロンの個性も考えて、多分大戦に向かう前にもうなんの前兆が見えたが、まともな対処はしてなく、下っばの人にも話が及ばなかった。
「異変って、里は一体何か…」
顔色真っ青で、冷え汗が止まらない。ターラーは手紙を読んでも読んでも分からない。
「君か?この手紙を持ってきたのは君か?」
まだ地面に座ってる馬飼いは族長の姪に大声で聞かれ、魂消て、体が震える。若造は何も言えない。
「なんか言え!水か、水を飲ませたら言えるか?」
隣の人の水筒を奪って、無理矢理若造を水飲ませようとする。
「やめろ、ターラー。」
フィリップに全力で阻止された。腕が掴まれて、体がおさえられた少女は暴れてる。故郷が未知の事件があって、焦るのは当然だろう。
「速く答えろ!これ以上黙ったら彼女に何かされるか知らないぞ!」
異世界の少年に指摘されて、馬飼いはようやく口を開いた。
「里の裏に、昔が廃棄した鉱坑がありまして、そこの中に魔物が現れました。」
その鉱坑ハスルンカは知ってる。群山の神、サイーワ様の祭壇は坑道の一番奥にある。今回ドワーフ一族と一緒に里へ向かうのも、ドワーフの守り神のサイーワ様に新たな情報を尋ねるためだ。群山の神の祭壇はあそこにしかない、もし坑道が塞いだら、神と話すのができなくなってしまい、とても厄介な状況だ。
「具体的どうのような魔物だ?その数は?」
「僕も実際に見たはありません。もう鉱坑から出てきたが、数匹らしいです。」
「じゃ里の中は?里は損害が出たか?」
束縛から抜き出して、ターラーは馬飼いの襟元を掴む。まるで彼の喉を奥まで掘って、自ら答えを取り出そうみたい。
「鉱坑の出入り口に障害物が設置しましたから、僕が出発した時まだ損害はありません。」
「障害物?なんの障害物だ?いつ設置した?」
幼い頃よくあの辺で親と遊んでいた。すぐ近くにある大木には、父が身長を測ってくれて残った記号がある。鮮明な記憶の中、鉱坑の出入り口に障害物がないのは確かだ。
「廃鉱坑に魔物を発見したのは結構前のことでした。今回の戦争に参加する同時、障害物で鉱坑を閉鎖するのも決められました。」
「何!?」
なんでうちは何も知らなかった、なんでうちに何も知らせないだ、やっばり、うちを一族の一員と思ってないんだ。
「すみません、すみません、僕も事態が悪化した後に告げされました。」
ずっと隣で静かに考えてたハスルンカは、大体の状況は分かった。これ以上聞いても詳しい情報が聞き取れない、今は一刻でも速く行動するべきだ。
「ターラーもういい、これ以上責めてもどうしてもならないんだ。」
襟元を掴んでる手が放して、若造は再び地面に倒れた。
背負いたくないが、エロンに頼まれたから仕方ない、もうちょっと頑張ろう。
「ドワーフ族のみんなさん出発ですよ。里までの路程はあど少しい、一気に終わらせて家に帰った後ゆっくり休みましょう。」
次は異世界の学者達ねぇ…反応が予測できないから、ある意味で変な動きしそうだなぁ。どうしよう、全て教えるか、一部隠すか。
「フィリップ君、もし今の状況をペトロに告げたらどうなるか、想像できるか?」
「ん…あのアテナイのクソおっさんか…」
嫌そうな顔して、行動を想像するもしたくないぐらい仲悪い。本当に客観的な答えが得られるか?
二人が悩んでる間、急に蹄の響きが聞こえる。振り返すと、見えたのは馬を乗ってるターラーの後ろ姿。
「なんだと!?」
「俺が追う。」
「は?」
ハスルンカはまだ現状が理解してない時、フィリップはもう走り始めた。
追うって、人の足は馬を追いつける訳がないんだ。あんた、本当は付いて行きないだろう。
やっばあの二人はクソガキだ!
「せめて緊急食を持ってけ!」
自分の食糧袋を全力で投げる、少年が受け止め、もっと速い速度を出して走った。