決裁
ハスルンカが駆けつけた時、ペトロはもうフィリップを聢とつかんだ。
「フィリップ!お前何しようとしてるんだ!」
調査団の隊長は大きい声で少年を叱って、ドワーフの族長は顔色が真っ青になった姪の前に立つ、短剣が奪われた少年はまた暴れてる。
「俺は負けてない!俺はまだ戦えるんだ!」
「いい加減に大人しくしろ!これは命をかける戦じゃないんだぞ!」
ただ一回の勝負で納得させるのは思ってないが、でもこれやっぱりやりすぎた。この未知なこといっぱいある世界に生き延びるために、蛮族に守られて、寄付するしかないんだ。こんな簡単なことも分からないスパルタの若造のせいで、いつか調査団全員殺される。むしろいまは既にその最悪の状況だ。
「さっさと謝れ!誠意を込めて謝れ!一所懸命謝れ!」
「嫌だ!俺は何も間違ってない!」
エロンもはや激怒の状態だ。フィリップを睨んで、瞳の中に炎が燃えてるようが、目つきが険しい。
「みんな落ち着いて、穏やかに話し合いましょう。」
宥めようとするハスルンカを無視して、直接ペトロを聞いた。
「おい、異世界の学者よ。これはどうすればいいんだ。」
ごく冷たい口調で聞かれて、ペトロは極度の恐怖を感じだ。
「どうか、許してください。こいつは未開の地で育てられた野蛮人で、文明の影響を受けず、人間の常識がわからないんだ。」
「じゃ、あんたはそれを知った上で、こんな碌でもない奴と調査団を組んたか。」
どう答えか分からなくて、額から大粒の冷や汗をかく。何を言っても聞いてくれないだけは分かったペトロは、助けを求めるような顔で耳が傷ついたエルフに向かった。
「エロンさん、まずは怒りを抑えて、ここは俺に一言をさせて。」
ハスルンカはドワーフ族長と異世界人の間に立って、両方の様子を観察する。
異世界の少年は激しく暴れている。歯ぎしりして不服で、理性を失ったに見えるが、特に異常がなさそう。
一方、エロンの状態はかなりヤバイ。
皮膚下の血管は虫のように蠢いて、瞳は燃えてるようなではなくマジで赤くなり、顎の形はもう変形した。濃密な髭に隠れたからほかの人はまだ気ついてないが、どんどん悪化していく。
「大丈夫か。聞こえるか。」
聞いてない様子で、ハスルンカが赤い瑪瑙を出して、魔力を注ぐ。この数日は何人を治療したが、今回はあんまり順調じゃない。瑪瑙をエロンの心臓に一番近い所に押す、耳元に囁いて注意する。
「しっかりして、姪が隣におるぞ。いまターラーの親族はあんたしかいない、このままじゃ、彼女
に二度と思い出させたくないことになるんだ。」
話が耳に入ったみたい、エロンの息が和やかになって、瞼が瞬く、意識が戻た。
「ハスルンカ、君、前歯に野菜の葉が付いてるぞ。」
まぁ、知り合いが魔物に化すと比べ、そんなことどうでもいいんだ。
「さっきはちょっと危ないんだよ。族長としてもっと気を付けないと。」
「分かった。すまない。」
ハスルンカ次はフィリップに向かう。少年はまた暴れ、自分の主張を言い張って、全く反省する気がない。
「死んでないなら戦うべきだ!死ぬまで戦うんだ。」
「いいかけんにしろう!そんなスパルタの考え方どこでも通用すると思うか。」
ペトロに叱れられて、フィリップは逆に鼻で笑った。
「通用しない国はもうマケドニアに征服された。この考え方が持ってる我が祖国スパルタは唯一の挫けない独立国家だ。」
事実で反論できないから絶句になったのか、怒れた言葉が失ったのか、ペトロは少年の頭を押さえている手にもっと力を入れた。逆効果になって、もっと大きく叫ぶ。
「戦士として、戦には全力で戦うんだ。全力で尽くさないと仲間が亡くすんだ。」
この論調はターラーを殺そうとする理由になる訳が無い。でも、は周りの人に大きな衝撃を与えた。
数日前の異変で、仲間も、友人も、親族も…自分がもっと頑張ったら、何が変わるかもしれない。
ただ言葉一つでみんなを落ち込ませて、影響が広まっていく。ヤバイと感じたハスルンカはフィリップの後頭部に叩き気絶させて、次はターラーでみんなの注意をそらそうとする。
「ターラー、大丈夫か。」
少女はまだ地面に座り、体が震えてる。
ハスルンカはターラーの様子をしっかり診察し、念のため瑪瑙で魔力を回した。魔獣化する兆しは見えない、多分これは怒りではなく、恐怖心に縛られているだろう。気が狂う心配はないが、これもこれで厄介だ。
エロンの姪ターラーは幼いから一族最強の戦士の親父に憧れ、日々鍛えていた。結局、数日前の大異変で両親の死を目撃し、その死の恐怖が自分自身を襲ってしまう。このまま何とかしないと、立ち直れないかもしれない。そうなってしまったらドワーフ達の精神も不安定になり、被害が更に拡大する恐れがある。
「エロンさん、この少年の処分について、ターラーの意見も聞いたほうがいいと思う。」
「その必要はないぞ、この小僧を極刑に処していいんだろ。」
族長として忙しくて親族と触れないが少ないとは言え、そこまで姪のために考えてないなんで。
他人の意見はどうでもいいと思う癖があるドワーフ族長を相手より、少女に直接に聞いたほうがましだか。
「ターラー、本当にいいんか。初めての闘いこういう形で済むって。」
それを聞いて、少女は少しい反応して、ぼかんとした顔でハスルンカに向かう。
「前は負けてないのに、彼は勝利を主張している。今回が勝ったはずなのに、彼は負けたとは認めない。いま彼が死んだら、勝敗をはっきりする機会がないんだ。これでもいいんか。」
正気付いて、怯えた表情が怨みに変えた。
「嫌だ。悔しい、このまま済むなんでたまるか。」
「こいつ、この野郎。絶対に勝つ!言い訳が二度と言えない敗北を味わせるんだ!」
少女の目は生き生きして、単純で強気な子で本当に助かった。
「そして何度も勝って、その実力の差を知らせるだろう?」
「そうだ。うちには絶対敵わない事実を一生覚えさせるんだ。」
計画は成功したみたい、少なくとも目の前の問題は解決した。
「じゃ、」
助言に聞こえるが実は誘導、ハスルンカがエンコにこう言った。
「この少年をターラーの専属の奴隷にしようか…」