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モノクロンリー  作者: 寺島司
6/6

至った点は立った点

お久しぶりです。寺島司です。

ある種一つのスランプと言いますか、この合宿編の終わりが見えず筆が進まない時期が長くありましたがようやく一歩前に進めましたので、どうぞ楽しんでいってください。


「分かりました。それは今回のゲームの本来の答えです。」


真剣な眼差しで浅葱先生を見つめ、万が一の場合を想定し一通りの辯解を考えていた僕に対し今にも吹き出しそうな顔で言った


「プッ、ハッハッ! 何だその真剣な顔は!」


その瞬間、空気が一気に急変した。まるで子供のように笑い、僕を嘲笑う先生を見て、正直少しばかり苛立ちを覚えた


「翼っ、お前怒られると思っただろう?」


「はい、正直。」


そして先生は本来の答えである鍵のようなものを吊るしたペンダント2つをぶら下げながら言った


「それで、何でわざわざこれを出さずに河合のライブで手を打ったんだ?」


「先生、僕は先生から地図を貰ってないんですけど。」


「ん?じゃあ、何で場所が分かったんだ?」


そうして僕は事情を説明した。

 

<<<


1時間30分前


「っと、その前にごめん。誰か地図を貸してくれないかな?」


「そっか、白井君今日が2回目の登校だもんね!はい、どうぞ。それ、ずっと持ってていいよ!」


こうして僕は作戦会議の為に必要だった地図を河合さんから借りる、いや、貰うことになった。

その時にふと気付いた、地図には所々にシミのようなものがあったんだ。

周りの地図にも同様に、極薄くだが六点シミが残っていた。


(なぜ、同じところにシミがあるのか?)


素朴な疑問はすぐに解けた


「それにしても、鏡を持参しろだなんて珍しい学校だよな」


「先生たちは今のうちから身なりに気を使えって言ってたよね。」


ごく自然な大川と神戸の会話を聞きすぐに脳裏に滾った


「炙り出しか…」


こうして僕はこのゲームの真相にたどり着いた



>>>


「とうわけです。先生。」


「それで太陽の光の反射で炙り出しができると思い付いたのか。化け物だな。」


まだ何か疑問がありそうな目で僕を見つめていた先生は重ねて言った


「炙り出しが分かっても場所は簡単にわからないだろ?」


「先生、地図を炙ったことあります?」


「いや、ないが?」


「にしても、この仕掛け作った人は律儀ですよね。だって、炙ったら二つずつ色が変わる様になってるんですよ?点を線にしろって答えを言ってる様なもんですよね」


そう、地図にはあらかじめレモン汁の様なものが一部に塗ってあって全体に均等に火を当てると酸の濃度によって焼ける速さが変わる仕組みになっていた。その焦げ目の近い点同士を結んで線を作り、線と線が交わった場所がペンダントの位置になっていたんだ。


「ハッハッ!律儀かぁ、緑川も言われたもんだな。」


「もしかして、緑川って…」


まさかとは思うが…


「あぁ、恐らくお前が想像している奴と同じだろうな。緑川花、白兎の生徒会長だ。」


まさかこの合宿に会長が関わっているとは…


「まぁいい、話は終わりだ。時間をとって悪かったな、翼。」


「いいえ、とんでもないです。」


こうして怒られるかと思った僕と先生の初の会話は終わった


(ん?よく思えば先生と話すの初めてじゃね?ヤベェ、調子乗りすぎた…)




その後、白兎高校生徒会室に一本の電話が鳴っていた


「もしもし、私立白兎高等学校生徒会、緑川花です。」

「」

「浅葱先生、どうかしました?」

「」

「そうですか、翼くんが1人でやってしまいましたか。」

「」

「ふふふっ、(律儀)ですか… 面白いことを言いますね。」

「」

「はい、わかりました。それでは失礼します。」


受話器を置く音が生徒会室に響く


「白井翼… 面白い子ですね。」


悔しさではなく嬉しさが先走ったかのように薄気味悪い笑顔を浮かべ重ねて言った。


「でも、次はどうでしょう。」


そう、これはまだオリエンテーション合宿の序章に過ぎなかった。

















見てくださりありがとうございました。

いかがでしたか?楽しんでもらえましたでしょうか。

次回からはついにラブコメ要素を入れようと考えてますのでどうぞご期待を。


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