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モノクロンリー  作者: 寺島司
4/6

変態と天才は紙一重

(いつからだろうか、人を信頼出来なくなったのは。

昔から何かに困った事はなかった。知識を付ければ付けるほど近しい言葉やパターンが分かってくる、それに気づいてからは勉強は簡単だった。運動は遺伝と才能がほとんどだ、出ていった父親が元陸上の日本代表だったというのもあって人並み以上にはできた。そんな僕を嫉妬する人もいた、仲良くなったと思ったらただ利用したいだけの奴もいた、だから僕は家族以外の人との距離はある程度おくようになった。)


「お前ら、名簿の順にバスに乗れ!」


オリエーテーション合宿が始まった

学力社会である白兎のA組のバスは予想以上に豪華だった


「うわー、めっちゃ綺麗じゃん!」


「何これー、デカいリムジンじゃん!!」


騒いでいるクラスの皆に先生が言った


「お前ら、一度席に着いたら静まれ」


全員が席に着いたのを確認した先生は話を続けた


「このオリエーテーション合宿はクラスの仲を深めるために行われているが、それだけではない。目的地に着いたら荷物は全て我々が管理し、何も手持ちがない状態から2万円相当になるものを我々に渡してもらう。ただし今お前らが身につけているものは価値を有さない。」


急なことに生徒達は動揺を隠せなかった


「お前らに事前に渡した地図があるだろ、そのポイント

と書いてある場所が私達教員がいる地点だ。1組6人の班で行動してもらう、グループ分けは自由だ。安心しろ、そんな難しく考えなくていい。お前らの柔軟性を見たいだけだ。制限時間は1時間、出来なかった者に罰はないが、早く私達に渡せた上位3組には少し嬉しいプレゼントがあるかもな。」


予想もしない展開に一度は驚いたものの、想像以上の

緩さに生徒達は歓喜を上げた


「え、めっちゃ楽しそうじゃん!」


「それな!」


「ここはIQ150の僕のばんですね。」


歓喜に上がっている生徒を煽るよう先生が言った


「着くまでは自由だ!お前ら楽しめ!」


急な展開とクラスの温度に着いて行けない二人の状況に気づいたある生徒はクラスの指揮を執った


「みんな、ちょっと静かにしてくれるかい?

ごめんね、白井君と青葉さんは今日が僕達と顔を合わせるのが2回目だよね?自己紹介も出来てないのにグループを組むのは可哀想じゃないかな?だからもう一度名簿の順番で自己紹介をしよう!」


その生徒が話している内に翼は生徒の凡その性格を探っていた


(あいつの名前は確か 内川優斗だったか… クラスに1人はいる気さくに話かけ信頼を集めてクラスの中心になる奴だな、たが大概こういう奴は生徒会とか無駄に責任がついてくる仕事はやりたがらない。)


「どうかな?青葉さんと白井くんは?」


「私はどちらでも」


「右に同意」


曖昧な答えに戸惑った内川は質問を全体に振った


「皆はどうかな?」


「いいんじゃない?」


「やろぜやろぜー!」


乗り気なクラスの流れで自己紹介をすることになった


「あ、名簿番号1番 相川透っす!

好きなことはスポーツでーす!後、彼女募集中でーす!」


中学生レベルのギャグでも笑う白兎の生徒に少し驚いた翼だが、次に立ち上がった女の姿を見てそんな驚きはすぐに消えていった


「名簿番号2番 あ.青葉皐月ですっ

色咲中学から来ました、趣味は花の研究です。

好きな花はヒガンバナです。怪我をしてしまった為皆さんとは1週間ほどお会い出来てませんでしたが、仲良くして貰えると嬉しいです。」


(片手を骨折している?こんなタイミング良く怪我をする人が2人も現れるか?考えすぎか、もう少し様子を見よう)



「名簿番号 5番 内川優斗です!

趣味はサッカーです!これから皆さんと楽しい日々を送 れることを楽しみにしています!よろしくね、みんな!」



「名簿番号10番 黒崎 麻弥です。

趣味は特にありませんが、目標は白井君にテストで勝つことです。 以上です。」


急な宣戦布告に驚き、軽く会釈をすることしか出来なかった。


(え、なんだあいつ。初回の自己紹介から急に人の方指差して宣戦布告とか… 怖っ。)


「名簿番号11番 佐藤茜ですっ!

趣味はこう見えて裁縫です! 白兎のA組に入ったからに はみなさんは友でありライバルです! 楽しい学校生活が送れると嬉しいです、よろしくお願いします!」


そして遂に翼の番が来た


(やべ、次は僕か… 自己紹介は最初の印象付に大事だ。

でも僕にはさほど関係ない。それよりもあの青葉さんだ。僕を助けた人は名前も言わず去っていたなら恐らくあまり恩に感じて欲しくなかったのだろう。青葉さんは僕と同じタイミングで怪我をしている、なら一つ試してみるか。)


「名簿番号12番 白井翼です!皆さんもご存知かと思われますが、実はこの前暴走車に引かれてしまったんです。実はその時ある女の子に助けられまして、人との縁は大切にしないとな なんて思わされました! なので皆さんとの縁も大切にして学校生活を送りたいです!皆さんよろしくお願いします!」


(青葉さんは特に表情は変えないか…

というか我ながら完璧な自己紹介。青葉さんの様子を伺いつつ、明るいイメージをクラスに植え付けれた。)


自己紹介は盛り上がりが絶えず、終盤まできていた


「名簿番号29番 森谷 颯太です——」


「名簿番号30番 山口 巴です ——」


自己紹介が終わり再び内川が指揮を執った


「みんな、僕の意見に乗ってくれてありがとう!

ここで僕から提案なんだけど、グループ分けはまだみんな知り合って間もないから名簿順にしないかい?」


そんな内川の意見に反対する者はいなかった


「それでいいよー」


「それが最適かと」


「ありがとう、みんな! それじゃあ、席を回転させてグループ事に椅子を向けようか!」


最先端の技術であっという間に席が変わった

新しい環境に早く慣れ、想像以上に会話が進んでいるように見えたが、翼達のグループは沈黙が続いていた


(ヤバい、気まずい。 これは誰が話を切り出さないとダメなやつだ… 仕方ない、ここは僕が)


「あの」 「あのっ」


「あっ」 「あっ」


話を切り出そうとした翼と茜が綺麗に言葉が重なり

両者共に会釈で終わり、更に気まづい雰囲気になったが白兎の行事の大切さをある程度理解していた翼はこのまま静かになるのを嫌って、話を切り出した


「すみません、ちょっと良いですか。

この行事、多分制限時間内に渡せなかったらペナルティがあると思うんですよ。」


翼のこの言葉に一人動揺を見せない者がいた


「それは、同感よ。白井君」


黒崎 麻弥だ


「流石白井君ね、目の付け所がいいわ」


「そうかな、ありがとう。黒崎さん」


「麻弥でいいわ」


「分かったよ麻弥さん、僕も翼でいいよ」


二人のペースで進む会話についていけない者が一度会話に割って入ってきた


「あのぉー、麻弥さん。なんでペナルティがあると思ったんですか?」


「あなたに名前呼びを許した覚えはないわ、やめて。」


まさかのキツい言葉に割り込んだはいいが何も言えなくなってしまった


「まぁ、でもいい質問だわ。確かあなたは名簿番号7番

大川義彦、身長164cm 体重72kg 白兎高校入試テストの 点数は76点、超大手大川グループのおぼっちゃまで間違いないわね?」


「えっ、あ、そうだけど… 大川グループのことは自己紹介でも言った事がないのに…」


当たっていることにあの翼さえも驚いていた


「勝手にごめんなさい、私このクラスだけでなくBCの組の人の名前も全部暗記してるの。」


黒崎のこと言葉に興味を持った佐藤は黒崎に質問をした


「凄い!黒崎さん! え、じゃあ私は私は?」


「あなたは名簿番号11番佐藤茜さん、女の子だから体貌に関しては控えるわ。白兎高校入試テスト点数は脅威の93点素晴らしい点数だわ、あなたはライバルとして見ているわ。」


「私気にしないから身長とかも当ててみて!」


「分かったわ、身長159cm 体重43kg スリーサイズはヒップが…」


「ちょっとそこまでっ!!!

危ないなぁ黒崎さんはぁ」


「あら、ごめんなさい。スリーサイズは駄目なのね以後気をつけるわ。」


「ねぇねぇ黒崎さん、他の子も当ててみてよ!」


「分かったわ。じゃあまず名簿番号8番 河合遥さんから

体貌は伏せるわ、白兎高校入試テスト点数は69点

あなたはアルちゃんという名前でアイドル活動をしてるわね、クラスの男子が騒いでいたわ。」


「はい、そうです…」


「ちなみに身長は…」


「あ、それはダメですっ!」


「あらそう、あなたに関しては公式サイトにいけば載っているのに…」


「それでも、ダメですー」


「分かったわ、次はあなたね。名簿番号9番神戸真守

身長179cm 体重69kg あなたは失礼だけど特に何の特徴もないわ、強いて言うなら中学時代はハンドボールをしていたとか、白兎高校入試テスト点数70点」


「何の特徴もないとか酷いなー、麻弥さん」


「あなたにも名前で呼ぶ許可は出てないわ」


「あ、ごめん。」


「最後、翼君ね。名簿番号12番白井翼。

白兎高校入試テスト点数史上初の110点、キチガイね。

身長は176cm 体重56kg 少し痩せすぎじゃないかしら。

あなたに関しては悪いけど少し調べさせてもらったわ。

お父さんは陸上で日本を湧かせた白井瑞希、お母さんは 名女優の松原奏音、現在白井奏音。中学全国模試は毎回一位、馬鹿なガリ勉君かと思いきや中学陸上競技大会100m走で全国8位と運動神経も良い、誰がどう見ても天才だわ。」


「凄いな、麻弥さんは。」


「あなたに比べたらこんなのたかが知れてるわ

それよりも本題に移りましょ、無駄に時間を取ってしまったわ。」


「そうだね、今回可能性のあるペナルティ又はアドバンテージは白兎の進級クラス替えの際の点数だと思う。」


「私も全く同意見だわ」


何を言っているかさっぱり分からない神戸が二人に言った


「ごめん、話についていけないんだけど。どういうことかな?」


麻弥が答えた


「私が説明するわ。まず、みんな知っての通り白兎では

進級時に進級テストがあってその結果でクラスが決まるとされている、だけど白兎は進級テストだけ点数が全員に提示されないの。ということはそのテストはフェイクと考えられるわ。」


この答えに翼が付け足した


「ごめんね、付け足していうと。フェイクではないと思う。そのテスト自体をフェイクにすると白兎の生徒なら凡そ自分の点数が分かるはずだからすぐに違うと勘づかれてしまう。だから僕が考えたのは加点減点の方式。

進級に大切なのは一番が進級テスト、それに加えて様々な行事で得たポイントが加算、減点されていく形だと思う。」


大川も分からなさそうな顔をしてこう言った


「つまり、今回のこのゲームは進級に関わるということなの?」


翼が答えた


「予想だが、そうなるね。」


本題に戻すように佐藤が質問した


「翼君!じゃあ、今回のこのゲームどうすれば5位以内に入れるのかな?」


「今回は何も無いとこから価値を出すという事が前提だよね。一見難しいようにみえるこのお題なんだけど、今回は必勝法があるんだ。河合さん、協力して貰えるかな?」



話し合いが丁度終わった時に席が自動で戻った


「お前ら着いたぞ!今から一時間頭を動かして楽しめ!」


「しゃっー!!」


ゲームが開始して 10分


「大川、河合、神戸、黒崎、佐藤、白井 合格!」


翼の作戦によって圧倒的一位でゲームをクリアした



第3話見てくださりありがとうございます。寺島司です。

さて、翼はどんな作戦でゲームをクリアしたのでしょう


ここでは主にキャラクターの詳細を書いていますが

今回は一部キャラクターの詳細紹介とクラス全員の

名前、入試テスト点数を書き留めておきます。


白兎高校 1年A組


担任 浅葱 千夏

1番 相川 透 71/110点

2番 青葉 皐月 70/110点

3番 伊藤 颯斗 66/110点

4番 今田 美穂 69/110点

5番 内川 優斗 82/110点

6番 江川 舞 65/110点


7番 大川 義彦 76/110点

8番 河合 遥 69/110点

9番 神戸 真守 70/100点

10番 黒崎 麻弥 103/110点 (会長と並び歴代2位)

11番 佐藤 茜 93/100点

12番 白井 翼 110/110点


13番 鈴木 辰巳 68/110点

14番 鈴木 功 68/110点

15番 鈴村 寧々 73/110点

16番 瀬戸 早輝 78/110点

17番 館山 裕 80/110点

18番 寺本 陽介 71/100点


とりあえずここまで! 次回に18~30まで


内川 優斗 (うちかわ ゆうと)


性格

誰にでも気さくに話しかけるクラスのムードメーカー

クラスの指揮を執るのは好きだが、大きな責任を負うことはあまり好まない。だか、押しには弱い。


誕生日 4月26日 年齢 15歳

身長 170cm 体重56kg

見た目 金髪の短髪

趣味 人の指揮を執ること



青葉 皐月 (あおば さつき)


性格

恥ずかしがり屋で努力家の女の子

小さな頃に両親を亡くし、花屋のおばあちゃんと一緒に暮らしていた。現在は一人暮らしをしている。


誕生日 5月5日 年齢15歳

身長154cm 体重46kg W57B82H80

見た目 撫子色のウルフ 優しい丸い目

趣味 花の研究



黒崎 麻弥 (くろさき まや)


性格

容姿端麗スポーツ万能の天才

白井翼にライバル心と尊敬の念を抱いていて、少し怖い見た目とは裏腹に大分素直。容姿には気を使っており日焼け防止のため夏場でも黒タイツを履いている。


誕生日 1月28日 年齢15歳

身長162cm 体重50kg W59B85H83

見た目 黒髪ロングの清純派 少しつり目

趣味 自分より上の人に勝つこと






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