盗人猛々しい
レデイス賊に対するピンインの案内は、かなり合理的だった。
一度やると決めれば合理的になるのが彼女である、決して手抜きはしていない。
元より亜人を連れて護送隊をしていたピンインは、多くの裏道や獣道を知っている。
それらを合わせれば、なんとか人通りの少ない道を最短で向かうルートも構築できた。
理由はいくつかある。
まず前提として、レデイス賊はピンインを、というか人間を嫌っている。
仮に彼女たちの不興を買えば、そのまま殺されてしまうだろう。
仕事とあれば命をかける彼女ではあるが、今回の件で自分を犠牲にするつもりはない。
加えて、道案内をしながら騙す、というのはとても高度な作業だと知っている。
もちろん相手が全面的に自分を信用していれば話は別だし、戦闘能力がなければなお楽だ。
だが相手は最初から自分に不信感を抱いているし、少しでも疑わしいところがあれば殴ってきかねない。
であれば最初から全力で案内したほうが、よほど簡単というものだ。
加えて言えば、彼女たちを道に迷わせることは簡単だが、それでは周辺に被害が及びかねない。
一番確実に彼女たちを始末でき、かつ周辺への被害が出ることを抑えるには、やはりAランクハンターのいるシュバルツバルトへ案内するのが確実だった。
そうして案内をすること、およそ三週間。
道なき道を超えてなだらかな丘陵地帯に入ったピンインは、ひとまずため息をついた。
ここからなら比較的視界が開けているので、道に迷うことはない。加えて言えば、人里もないのでうっかり人に出くわすこともないのだ。
(人に会わないように案内しろとか言われたけども、そもそもこの恰好じゃあ人のいるところなんて通れないねえ)
視界の開けた場所に出て、改めて背後のレデイス賊を見る。
大型、ないし中型のモンスターの骨や皮で武装した、如何にも蛮族という姿の集団である。
この国において、亜人というものは一種の外国人であり、よほど『高貴なるお方々』の前に出なければとくに迫害されることもないし危険視されることもない。
だが武装していたら話は違う。
武装している血気盛んな外国人が、集団で人里に入ってくる。
これはもう、普通に軍隊が出動するレベルだろう。
(殺されても文句言えないねえ)
もちろん武装を隠せばいいのだが、彼女たちにその配慮を求めることはできまい。
彼女たちにしても人間は外国人であり、異邦の地である。
そこで武装を解くなど、何をされるのかわかったものではない、とでもいうはずだ。
それなりに正当性はあるので、つまりお互い様である。
こういうのを、武力衝突というのだろう。
よって、彼女たちが人里を避けたのは、結果的に双方の利益になったのだ。
「シュバルツバルトは、なだらかな丘の中にある、深く暗い森だというが……なるほど、近いというわけか」
亜人の女性は、クツロほどではないにしても大きい。
その彼女たちの中では、比較的背の低い、レデイス賊のカシラ。
顔をすっぽりと隠している彼女だが、どうやら感銘を受けているらしい。
故郷の者たちが恐れて近づかない場所、そこで居を構える鬼の王。
亜人を統べる冠を持った、偉大なる女傑。
その彼女との対面が近いことに、緊張をしているのだろう。
「皆よ、聞け! 我等は亜人を統べる冠を持ちながら、人間に服従する、世にも情けない王を討つ! あと数日で、私たちはそれを叶えるのだ!」
彼女の激励を受けて、誰もが勝鬨にも似た絶叫をする。
顔は見えずとも、背は低くとも、彼女たちはカシラを信じている。
(もう王様になった気かい……いや、それだけの志はあるか)
Bランクに達しているものは、なにがしかの志を持っている。
そうでなければ、態々鍛える意味がない。
彼女たちにとっての志とは、つまり『亜人の国』を作ることであろう。
レデイス賊は亜人を束ねる国をつくるために普段から鍛えていた、だからこそこの好機に挑めるだけの気概を持っている。
(まあそれが及ぶかはともかく……この熱狂、若いねえ)
Cランクハンターとして、Bランクハンターに相当する熱量を持った彼女たちに、わずかながら羨望する。
そのうえで、彼女たちの前途が暗いことを知っていた。挑むということは、決して楽しいことではないのである。
「いいかい、それじゃ案内を続けるよ」
「さっさとしろ、人間」
「はいはい」
一行は、さらに前へ進んでいく。
文字通りの意味で、無人の野を行く。
何も阻むものはない、ありとあらゆる意味で。
これまでは山あり谷ありの危険な道中だったが、ここにきて一気に足取りが軽くなる。
順調な旅路、目的地の近い行軍。それは歩くものの足を軽くする。
結果に近づいている、夢に近づいている。その事実が、彼女たちの興奮を助長するのだ。
しかしそれは、やはり彼女たちの理屈でしかない。
しばらく進むと、丘陵地帯に陣幕が張られていた。
簡易のテントがいくつか用意されており、その周囲には若く武装した男たちが警戒態勢になっている。
「なんだいありゃあ?」
先導役のピンインが、当然ながら真っ先に気付いていた。
そのうえで首をかしげて、地図を広げて確認する。
この辺りに陣を敷くような理由が、彼女にはまったく思いつかなかったのだ。
「おい、人間。お前がキョウショウ族の男を先に行かせていたことは知っている」
レデイス賊のカシラは、地図を見ているピンインを見て確認をした。
「アレは、その仕込みか?」
「違うって、私はあんなの知らないよ」
「どっちでも構わないが……一応言っておく。アレがお前の用意した相手だろうが、そうでなかろうが構わないが……もしもこの先にシュバルツバルトがなければ、亜人の王が不在なら、覚悟をしておけ」
慌てているピンインの振る舞いを見たうえで、最初から分かり切っていたことを言う。
「お前だけではない、近くの人里を片っ端から焼き払うと思え」
「わかってるさ。だからここまで案内したんだ」
「ならばいい」
レデイス賊にとって、大事なことはピンインが迎撃の準備をさせていたことではない。
彼女の案内する先に、本当に亜人の王がいるかどうかだ。
それさえ守っていれば、他のことはどうでもいいのだ。
少なくとも彼女は、最初からそう思っていたようである。
「行くぞ、前にしか道はない」
カシラの命令に従って、誰もが前に進む。
武装している亜人の女たちというのは、当然ながらとても目立つ。
それこそ無人の野では、その姿を見つけることはたやすいだろう。
必然的に、遠くに見えた陣があわただしくなる。
武装した人間の男たちが、血気に燃えながら走ってきた。
その数はレデイス賊と大差はない。
体格も同様で、ほとんどの男がレデイス賊と同じ視線だった。
並みの人間を見下ろす亜人の女たちにとって、自分と同等の体格を持つ人間の男たちがたくさんいるというのは一種驚きだった。
「とまれ! 亜人共!」
集団を統べる者であろう男が、包囲ではなく相対という形で向き合う。
「ここから先に! 何の用だ!」
声に覇気があり、顔に戦意があり、立ち姿に意気がある。
彼に従っている一団も同様で、今すぐに戦闘を始めそうな勢いだった。
レデイスの女たちをして、ひるみそうになる気迫がこもっている。
「答える義理はない! お前達こそ、なぜ私たちの邪魔をする!」
その恐れを払うように、レデイスのカシラが叫び返す。
ともに百人も率いていない者同士だが、その気迫は軍勢を率いる将のようでさえあった。
「邪魔をするのなら、打ち破るまでだ!」
「ああ?!」
毅然と向かうカシラに対して、男たちの中から一人だけ前に出る。
「俺達を、打ち破るだあ? なめてんのか、亜人! ぶっ殺されたくなかったら、とっとと失せろって言ってるのがわからねえのか!」
この男も、強い。
レデイスの女をして、見ただけで強いと分かる男だった。
「大人しく帰れば、痛い目見なくて済むって言ってんだよ! 消えろ!」
「はぁ?!」
だがレデイスの中でも抜きんでた女が前に出る。
「消えろ? 消えろって言ったか、お前?!」
将同士を抜いて、二人でにらみ合う。
「なあニンゲンサマ? 私たちは急いでんだよ、お前らなんかの相手をしないって言ってるんだよ! ここを退けば、ぶち殺されなくて済むなんて、運がいいと思いな!」
「誰が俺達をぶっ殺すって言ってるんだよ!」
「私だよ!」
「おうおう……二度と硬い物が食えないようにしてやろうか!」
「二度と水も飲めなくしてやるよ!」
お互い、手を出さない。
至近距離でにらみ合うが、まだ斬りかからない。
だが、それは溢れかけたコップから、しずくが落ちる直前のこと。
ほんの一瞬で、何もかもが決壊する。
「ヂャン、待て!」
「キッポー! 下がれ!」
その二人を下がらせたのは、互いのトップだった。
他の誰から言われても下がらないであろう二人は、しかし黙って下がる。
お互いの陣営に戻り、何時でも飛び出せるように構えていた。
「私たちは、レデイス賊だ!」
「俺達はシュバルツバルトの討伐隊、一灯隊だ!」
名乗れば、名乗り返す。
その程度には、お互いに誇りを持っていた。
敵を威圧するためではなく、仲間に尊厳を持たせるための名乗り合いだった。
「私たちは、ここから先に住む、亜人の王クツロなる者に用がある!」
「恭しく頭を下げて、部下にしてくださいとでもいうつもりか?」
「違う! 私たちは王を討ち、その冠を奪いに来たのだ!」
ともに、ただ勝てばいいという野卑さを捨ててここに居る。
そちらの方が楽だと分かったうえで、それを脱ぎ捨てようとしている。
「人間に従う王が、冠を持っているなど言語道断! 私たちはその王を討ち、新しい王となり、亜人による国をつくる! そのために、私たちはここへ来たのだ!」
礼儀作法とは、お互いの文化がかみ合わなければ意味を持たない。
そのうえで言えば、お互いの礼儀はかみ合っていた。
だがしかし、それは言葉が通じるとか、その程度の浅い共有である。
言葉が通じ、礼儀が共通しているからと言って、争いがなくなるわけがないのだ。
「ここを通せ! 人間! お前達には関係がない!」
「断る!」
ともに、義を語る。
口から出る言葉は、どちらにとっても第一義であった。
妥協の余地など、一切ない。
「確かにこの先には、亜人の王を名乗る女がいる! そいつは強大な力を持ち、そのうえで無力な人間に仕えている! はっきり言って、俺達も不愉快に思っている!」
一灯隊のリゥイは、真摯に、怒りながら答える。
「だが! 奴はカセイを守る討伐隊の一員! それを倒そうというものを、通すわけにはいかない!」
立場が違えば、志も違う。
最初から分かり切っていたが、何時戦いが始まるかの違いしかない。
「亜人の王を名乗ろうと、クツロは人の法において、Aランクハンター狐太郎の所有物だ! それに手を出すのなら! どう言い訳をしたところで、お前たちは小汚い盗人に他ならん!」
「亜人の王を、仮にも冠を頂く王を……物だというのか!」
「呼んで悪いか!」
物扱いして、守ろうとする男たち。
王扱いして、殺そうとする女たち。
最初の最初から、相手を想いやる気持ちなど一切ない。
「悪いとも、ニンゲン! ……レデイス賊!」
「ほざけ、亜人! ……一灯隊!」
見合って見合って、発気良し。
共に殺すと決めれば容赦のない一団が、真っ向から正面衝突する。
残るのは、どちらか。
「かかれ!」
「殺せ!」
戦闘が始まった。
武器を持った男たちと、骨で武装した女たち。
互いに全力で、真っ向から相手を倒そうとする。
共に陣形もへったくれもなく、初手から乱戦に入った。
「……こりゃあ、思ったよりもヤバいね」
慌てて離れたピンインは、丘の頂点に伏せて戦況を見ていた。
もとよりカセイで護送隊をしていた彼女である、一灯隊のことは知っていた。
白眉隊に一歩劣るものの、精強なる隊員で構成されているという『前線基地の常駐員』。
ガイセイやシャインのような抜きんでた実力者こそいないものの、Bランクモンスターを日常的に狩っている実力者である。
だがその一団が、攻めあぐねている。
仮にピンインが手勢を率いてあの場に参加し、部下を強化して陣形を構築したとしても、数秒で倒されるだろう。
しかしレデイス賊は、真っ向からぶつかっているのに対抗できていた。
「やっぱりレデイス賊……Bランクハンター相当の実力者だ」
「貴女もそう見ますか」
伏せているピンインを見下ろしているのは、武装している公女だった。
髪を切っているし、筋骨隆々の体が見える服装なのだが、それでもすぐにわかってしまった。
それだけピンインにとって、リァンは会いたくない相手だったのである。
「こ、公女様……わ、私は……」
「貴女の部下から、手紙や報告を受けています。今回の件は、クツロさんの意向に従った結果であり、貴女に非はありません。先日のことも父が許している以上、私が口を挟むべきでありません。むしろ私の友人が、愚かなことをしたと謝りたいほどです」
「そ、そうですか……」
戦況を俯瞰するに、均衡は保たれている。
リゥイはレデイスのカシラを倒せておらず、グァンとヂャンも敵と打ち合っていた。
一灯隊の中でも抜きんでている三人さえ、一対一で勝てていない。
その事実を見て、リァンは戦慄する。
「貴女の見立て通り、彼女たちは強いですね。まさか一灯隊と互角とは」
「ええ……」
もしもこれをレデイス賊が聞いていれば、怒っていたかもしれない。
言っては悪いが、一灯隊はBランクでしかない。そのBランクと打ち合えるのは凄いと褒められても、Aランクを狩りに来た彼女たちにとっては侮辱だろう。
そして実際その通りで、一灯隊を相手に攻めあぐねている時点で、狐太郎の率いるクツロに勝てるとは思えなかった。
「ですが、あれでは白眉隊が出てくれば終わりでしょう。彼女たちを止めることはできそうです」
「ええ……ですが」
「ですが、なんですか?」
「あの連中が、それを知らないとは思えないんですよ」
間違いなく、彼女たちは志が高い。
普段からとまではいわないが、Bランクモンスターぐらいなら何体も何度も倒しているだろう。
そうでなければ、あれだけの力は得られない。
しかし、だとすれば。
「言っちゃあ悪いですがね、あの連中じゃあBランクの中位を何体か倒すのがやっとでしょう。Bランクの上位、ましてやAランクの下位だって仕留められるとは思えない」
「……そうですね、一灯隊と互角ということは、そういうことです」
Bランクの上位モンスターを単隊で撃破できるのは、それこそガイセイが隊長を務める抜山隊だけだろう。
一灯隊や蛍雪隊、白眉隊では他の隊と連携を取らなければ難しい。それは人員が補充された現在も、さほどの変わりがない。
その一灯隊と互角である時点で、彼女たちはAランクを倒せないのだ。
だが、ならばなぜ彼女たちはここに来たのか。
「何か、あるとは思いませんか?」
「何か?」
「私は、そう思います」
※
「おおお!」
「ぬうん!」
隊長を務めるリゥイは、やはりレデイスのカシラと打ち合っていた。
エフェクトを込めた大矛が、何度も巨大な骨の棍棒とぶつかり合っている。
レデイスのカシラを一刀で切り伏せたいと思っているが、相手が強いため均衡してしまっていた。
おかげで、周囲の部下を助けることができずにいた。
しかしそれはレデイスのカシラも同じ。
信頼している側近さえも、ヂャンやグァンに押えられている。
この状況では、ただ潰し合うだけだった。
それだけは、彼女としては避けなければならない。
「おい! リゥイと言ったな!」
休みなく打ち合いながらも、カシラはリゥイへ提案をする。
「お前が強いことはわかった、大言を吐くだけのことはある! 私の部下にも、故郷の戦士にも、お前ほどの者はいない!」
話している最中も、お互いにまったく手を休めない。
カシラはやや守勢に回っているが、それでも反撃の機会を逃すことはなかった。
「その上で! お前達の部下も強い! まさか人間風情に、同数で抑え込まれるとは思っていなかった!」
「だから、なんだ!」
「お互い、部下の手を止め! 私とお前の一騎打ちにしよう!」
「なんだと!」
レデイス賊にとって一灯隊は邪魔者ではあるが、倒してもいいことがあるわけではない。
もちろんこのまま戦って勝ち目がないというほどではないが、それでも戦力は大幅に下がる。
戦力が互角であるなら真っ向から衝突すれば、負けた方は壊滅するが勝った方も消耗が激しいのだ。
「私が負けたのなら、大人しく部下を下がらせると約束する! お前に私が勝ったとしても、お前の部下に手は出さないと誓おう!」
「ほう!」
部下を守るために、己だけで戦う。
その覚悟を、彼女は持っていた。
「この一騎打ち、受けないとは言うまい!」
それが彼にあることも、彼女は見抜いていた。
「断る!」
だがしかし、それは少しだけ間違っていた。
「なんだと! このままでは、お前たちが勝っても、部下の半数以上が死ぬぞ! それでもいいのか!」
「当たり前だ!」
彼女は将であり王。
率いている部下を守るためなら、何でもする覚悟がある。
だがリゥイは、あくまでもハンターの長。
そしてここに居るのは、義であり仕事である。
「俺達が全員死のうが! お前たちを道連れにできるなら結構だ! 上々だ! 望むところだ!」
「……お前にとって、亜人の王など物でしかないはずだ! 自分の命ならまだしも、部下の命までかける価値があるのか!」
「ある!」
一旦手を止めようと提案するカシラだが、リゥイは一向に手を止める気配を見せない。
一応交渉しようとしている彼女を、双方の被害を抑えようとしている彼女を、真っ向から切り伏せるつもりだった。
「お前たちを前線基地に行かせるということは! お前たちという脅威を前線基地に通すということだ! 前線基地には一般の職員もいる! 彼らに被害が出ないともかぎらない! ならば! だったら!」
そもそもリゥイや一灯隊の隊員にとって、自分の命や仲間の命にそこまでの優先順位はない。
たとえ全滅したとしても、全員モンスターに食われても。それでもカセイやトウエン、前線基地の一般人が守れればそれでいいと思っている。
だからこそ、ここに来ているのだ。
「俺達は、お前たちを止める! そのために来た!」
根本的に、意識が違う。
彼女と彼では、守りたいものが違うのだ。
「死ぬのが怖くて、討伐隊が務まるか! 俺達が命を惜しんだら、どれだけの人が死ぬと思っている!」
部下の犠牲をいとわぬ発言だが、それへ誰も反論しない。
一灯隊という組織の結束は、血よりも硬かった。
「進みたかったら、俺達を殺して進め!」
その気迫を見て、彼女は決断を迫られた。
「レデイス賊、全員下がれ!」
相手が引かないのなら、仲間を引かせるしかない。
そして、命をかけるのは自分だけであるべきだ。
「なんだ、逃げるのか!」
「いいや、逃げない! お前たち全員、私一人でぶちのめす!」
魔王を討つ勝算。
それを、彼女は切ろうとしていた。




