死は、或いは泰山より重く、或いは鴻毛より軽し
レッドマウンテンの、ふもとの街。
そこはレンガによる大きな建物の並ぶ、本格的な観光地である。
秋ごろになれば貴賤を問わず、多くの観光客がやってくる。
しかしそれ以外の時期であっても、都会の喧騒を忘れるために貴人がお忍びで訪れることもあった。
その街が現在襲撃され、占領されている。
そこに足を踏み入れた彼と彼女は、周囲をじろりと見てみた。
「思ったのと違うね。てっきりたくさんモンスターや人間が並んでいて、僕たちを迎え撃つものかと」
「真面目に防衛するつもりならそうするだろうが、相手は悪魔だからな。はっきり言えば、何も守る気がないんだろう」
「なるほど……」
「それに、俺達がここに来ることは悪魔にとっても想定外のはずだ。助けが来るにも早すぎるし、一人と一体で来るとは思わないだろう」
正直に言えば、二人にとっては拍子抜けする展開だった。
がちがちの防衛戦に、一気呵成に攻め込み蹴散らす。そんな展開を想定していたので、肩透かしを食らっていた。
てっきり街に入るだけでも一苦労かと思ったのだが、誰と戦うこともなく入ることができていた。
しかしそれは、誰もいない街に二人で足を踏み入れるということである。
それは一種、別の恐怖が走ることだった。
「静かな街だね、まるで僕たちしかいないみたいだ」
「お前こんな時までそんなこと言うなよ。というか今までずっと、俺達二人だけだっただろうが」
「それもそうだ……」
異臭が、鼻につく。
それは明らかに腐乱した肉の臭いであり、なんの肉なのかも事前の説明で知っていた。
ここは、もう街ではない。もはや悪魔の巣窟なのだ。
「二階建ての建物も多い。それに建物同士が密集していて、森の中よりも視界が狭いね」
「守るには不向きだが、引き込めば有利か? 意外と考えているのかもな」
それこそ、観光に来ているかのように歩く二人。
その彼らを狙う、屋根の上に潜む獣がいた。
ロックピューマ。
岩のように硬質な毛皮を持つ、Cランクモンスターである。
仔馬のような大きさをしている肉食獣は、ネコ科特有のしなやかな動きで音も出さずに屋根の上を歩く。
一体、また一体と増えて行って、五体の群れとなる。
それらは互いにアイコンタクトを取ると、声も出さずに真下へ襲い掛かった。
必殺、必勝の型。
彼らは勝利を確信して、無防備な彼らに食らいつく。
「プッシュエフェクト、フラッシュアーマー」
「コユウ技、アルティメットドレイン」
ホワイトに噛みつこうとしたものたちは、大きく吹き飛ばされてレンガの壁にぶつかっていた。
ただそれだけで、強靭なはずの毛皮に守られた骨格は、ほとんどが粉砕されていた。
彼女に噛みついたものは、噛みつくことこそできたものの、噛みちぎることができない。どれだけ噛んでも、歯が肌に食い込まないのだ。
「格好いいねえ。まさに難なく余裕で倒せているじゃないか」
「必死になって努力して、ようやく習得した技をからかわないでくれ。それよりも、そいつらを何とかしろ」
「そうだね……結構可愛いんだけど……いや、可愛くないか?」
「疑問に思う余地がないと思うが」
彼女は、モンスターたちを抱きしめる。
それは聖女が森の獣たちと戯れているかのようだった。
もちろん、必死になって牙や爪を突き立てようとしている、ロックピューマの顔を見なければだが。
「コユウ技、ピンポイントドレイン」
彼女が技を発動させると、見る間にロックピューマがやせていく。
全力で吸い上げているからこそ、ロックピューマは抵抗もできずに枯れ落ちていく。
「……お前攻撃力は低いな」
「この形態だと特にそうだね。でもこの場合、加減が利くほうがいいだろう?」
「それもそうだな」
あっという間に五体を片付けた彼と彼女だが、その周囲は既に囲まれていた。
どう見ても不健康そうな表情の男たちや、口の周りが赤くなっているロックピューマ。
そのほか、多くのモンスターが侵入者を迎え撃とうとしていた。
「さっきも言ったが、お前は人間の相手をしろよ。できるだけ加減して、動けなくなる程度まで吸うんだ」
「了解。それじゃあホワイトは、僕の邪魔をしないでくれ。プッシュクリエイトは、特に使わないで欲しい。アレを使うと、せっかく加減した意味がない」
それでも、数が多いだけだった。
二人は背中を合わせることもなく、好き勝手に動き始める。
「わかった」
短く答えたホワイトは、腰の剣を抜きながらロックピューマに斬りかかる。
その速度たるや、俊敏なはずのピューマをして反応できなかった。
「プレスエフェクト、ミンチボール」
そして、唖然とする。
彼の剣に触れた個体が、圧縮されて肉の塊に変わっていた。
それはまさに、死体の加工に等しい。彼の一撃はもはやCランクにとって、オーバーキル。
如何に頑強な毛皮を持っていても、格が違い過ぎて機能していなかった。
「はははっ! おいおい、僕に噛みついても仕方がないんだって」
そして、彼女にもロックピューマなどのモンスターが襲い掛かっている。
彼女たちの役割分担など知ったことではない、とにかく食ってしまえと襲い掛かる。
だがしかし、そのすべてがミイラのようになって朽ちていく。
「僕に物理攻撃は効かない、相性が悪かったね。さて……」
悪魔に操られている人間たちは、彼女を見た。
多くの凶暴なモンスターに食いつかれても傷一つ負うことがなく、それどころか吸い殺していく慮外の怪物。
不死身、理不尽、無敵。それらが脳裏に思い浮かび、恐怖で震える。
しかし悲しいかな、悪魔の命令が体を動かす。彼らの意志に反して、彼女へ襲い掛かっていくのだ。
「コユウ技、エリアドレイン」
だが、彼女に近寄ることもできない。
すでに心身ともに衰弱していた人間たちは、彼女の吸収技を食らって、一瞬で地面に倒れた。
もはや悪魔の命令が意味をなさない程、彼らは力尽きていたのだ。
どれだけ悪魔の命令に強制力があっても、体が動かなければそれまでである。
「ふむ……まずいね、思ったよりも消耗しているよ。今は死んでいないけど、このまま放置したら死んでしまいそうだ」
「お前が加減を間違えたわけじゃないならな」
「失礼だね。それよりも……気付いたかい?」
二人がその気になれば、街にひそめる程度の数など敵ではない。
既にモンスターは肉塊へ変わり、人間たちは地面に倒れていた。
疲労困憊、死屍累々。
あまりにも圧倒的すぎる二人にとって、この程度は戦いにもならない。
「彼ら……全員、着ている服が粗末だ」
「ああ、避難所にいたご婦人たちの旦那さんじゃないな。多分この街の住人だろう」
「それじゃあ、あのご婦人の旦那さん方は、もう全員手遅れ?」
「いや……生き残りがいるとは思う。だがもしもそうなら……それこそ、人質として自分の傍に置くだろうな」
「なるほど、趣味が悪いね」
だがしかし、その緩みぶりは、これからが本番だと理解しているからこそ。
こんなところで勝ったことを、一々喜ぶことなどできない。
「……行くぞ、悪魔を討伐する」
「ああ」
倒れている人たちに、ホワイトは目を向けない。
彼らに同情をしたところで、彼らのためにならない。
今彼らに必要なのは、慈愛ではなく退魔の剣だ。
二人は並んで歩いていく。
道中は不自然なほど襲撃されることはなく、道なりに歩いていれば自然と広場についた。
おそらく普段は、演劇などが行われている場所だろう。
その舞台で、一体の悪魔が小道具の玉座に座って、ふんぞり返っていた。
「いやあ……なかなかいい二人が来てくれたね。正直に言って嬉しいよ、とても退屈していたのサ」
その彼の前には、身なりの良い男性が並んでいる。
中年や壮年、若年の男性もいる。誰もが絶望したような、しかし期待しているような顔をしていた。
その一方で、声一つ上げず、身動きもとっていなかった。
「お前がここを襲った悪魔か」
「そうだよ、ちょっと面白そうだなって襲ったんだ」
客席の一番外側に立つホワイトと、舞台に座る悪魔。
彼我の距離はとても離れているが、Bランク同士なら一瞬で詰められる間合いだった。
しかしそれをすれば、近くにいる身分の高い男性たちは無事ではすむまい。
「あれれ、どうしたんだい。そんな怖い顔して。僕はそんなにひどいことをした覚えはないけど?」
「ここを襲って、人を操って、女性たちを森に追いやった。それは悪いことじゃないのかい」
彼女は感情のない目で悪魔に問う。
「ははは、全然。こっちは公正で公平だよ」
悪魔は、白々しく笑った。
「私はね、ペット同伴でここに入ろうとしただけなんだ。なのに、ここの連中ときたら、私とペットを見るなり襲い掛かってきてね……許されることじゃないだろう?」
つい先ほど、面白そうだから襲った、という言葉を吐いた口がほざく。
論破もへったくれもない、ただバカにするための言葉が出る。
「その上、私の前にいる連中も、私にこう願ったのさ。『なんでもするから、妻と娘には手を出さないでくれ』ってね。だからその言葉を尊重して、森に逃がしてあげたのさ。今どうしてる? モンスターの餌?」
「ハンターが保護している。彼女たちから事情を聴いて、俺はここに来た」
「へえ~~そーなんだー」
森へ逃げた女性が生きている。
その事実を聞いて、悪魔はつまらなそうにして、男性たちは安堵の涙を流した。
「ん……ま、いいか。別に……」
「おやおや、その割には少し悔しそうだね? もしかして、人質が安堵したことが気に入らないのかな」
「人質? 何をいってるんだい、私の大切な仲間だよ」
人間と共に戦う彼女へ、人間を操る悪魔は答えた。
「彼らは何でもするから、と言って私に願った。だったら私は、彼らに何でも命じていいんだよ。彼らはそれぐらい妻や娘を愛しているんだから……彼らに何をしても、彼らは許してくれるよ」
「そうかな? とてもじゃないが、君を慕っているようには見えないけど」
「はっはっは……なに、行動で証明してくれるよ」
悪魔は、指を鳴らした。
すると、劇場のあちこちから射手が現れる。
誰もが弓矢を構えて、彼と彼女を狙っている。
「……見覚えがある、たしかこの街のCランクハンターだ」
「その通り。彼らもまた、私の仲間だよ」
全滅したと聞いていたが、実際に死んだところを確かめたわけではないのだろう。
Cランクハンターの生き残りが、悪魔と取引をしてしまっているのだ。
「彼らは優秀でね、全員がエフェクト技とやらを使えるんだ。君達がいくら強いと言っても、これだけの数に射かけられれば無傷では済まないだろう?」
「そうかもしれないね」
彼女は状況を把握した。
多くの属性を帯びた矢が、自分たちを狙っている。
場合によっては、弱点に気付かれてしまうだろう。
「公正で公平だと思わないかい? 君たちは人間とモンスターの麗しい友情のタッグ、こちらも人間と魔の契約による仲間たち。全然卑怯じゃない」
「その割には、君は何もしていないと思うけど?」
「はははは! いやいや、そんなことはないんだよ!」
玉座に座り、頬杖をついている悪魔は大いに笑った。
「君たちは、私の仲間を傷つけた。私の仲間に、攻撃を当てたんだ。そのうえで、君たちは無傷だ。不公平だと思わないかい?」
直後、二人の体が黒く光った。
何かの呪いが発動したことは、あまりにも明らかである。
「……生贄を攻撃した対象に、攻撃が必ず当たるようになる『必中の呪い』か」
「はははは! ご名答! よく知っているじゃないか、知っていても遅いけど」
彼も彼女も、悪魔の僕へ攻撃を当ててしまった。
だからこそ、他の悪魔の僕は、彼らへ攻撃を当てることができる。
対等であることを強いる、必中の呪い。
もはや彼らは、攻撃を避けることができない。防ぐことはできるが、相殺することさえ叶わない。
「一方的に攻撃して倒すなんて、性質が悪いだろう? だからこうやって、バランスを取ってあげるのさ」
「……それで俺を倒せるつもりか。矢をもらいながらでも、お前を倒すぞ」
「できるかもねえ……でもそれは、まあ無理なんだよ」
にやにやと笑う悪魔は、周囲の貴族男性たちを寄せた。
まさに、人の盾である。
「ハンターが攻撃し! 貴族が守る! まさに攻防一体、完璧な布陣サ! 私の仲間の優秀さはわかってくれただろう? それじゃあ尋常に勝負と行こうじゃないか!」
あまりにも卑劣、あまりにも愚劣、あまりにも外道。
そして、あまりにも予想通りだった。この地を占領している悪魔は、あまりにも悪魔過ぎた。
「公正で、公平で、対等な! 仲間たちの力を使った戦いを!」
その姿を見て、二人の中に情けはなくなっていた。
もうどうあっても、殺すだけである。
「ねえホワイト、あのバカは殺していいんだよね?」
「ああ、ぶち殺す。異論は認めないぞ」
「いやいや……僕も参加するって話さ」
自分は頑張らず、他人に頑張らせる。
自分は何もせず、他人を酷使する。
自分は酷いことをして、他人には酷いことをさせる。
わかりやすすぎるほどの、悪党だった。
「仕方のない奴だ。いいぞ、手を出してもいい」
「それはよかった、こんなところでケンカをしたくなかったからね」
悪魔が手を上げる。
そして、手を下げる。
それは合図であり、射撃の開始を意味するものだった。
「ところでホワイト。君は年上と年下、どっちが好みだい?」
「別に、考えたことはない」
ハンターたちは、震える手で弓を引き絞る。
これだけ震えていれば、普通なら当たることはない。
しかし悲しいかな、今の二人は呪われている。
ハンターたちが明後日の方向に射かけても、必ず二人にあたってしまうのだ。
「でもまあ、今は年下の気分だ」
様々なエフェクトの込められた矢が、一斉に放たれる。
「了解。じゃあ……アタシの出番だね!」
彼女の体が、一瞬で童女に切り替わる。
元気いっぱいに跳ねる彼女は、そのまま特有の能力を発動させた。
「コユウ技! アルティメットアイドル!」
可愛らしいポーズを決めながら、向かってくる矢に向かって視線を送った。
その姿は輝き、隣に立っているホワイトさえも呑み込む。
「ぎゃああああああ!」
おびただしい声が、屋外の劇場に響いた。
「あ、あ、あ?!」
矢を放ったハンターたちは困惑する。
何が起こったのか、彼ら自身わかっていない。
そして、悪魔の傍に立っていた、立たされていた貴族の男性たちが驚く。
「あ、あ、あああああ?! な、なんで、なんで!」
悪魔に、すべての攻撃が当たっていたのだ。
「な、なんで、なんで私にあたるんだよ! おかしいだろ、こんなの間違ってるだろ!」
仮にハンターたちが自由になって、悪魔に向かって攻撃をしても、結局は二人にあたる筈だった。
しかしこの現実は、傍にいた貴族に当たることもなく、悪魔にすべてが当たったのだ。
「これがアタシのコユウ技、アルティメットアイドル! 誰もアタシを狙えない! 誰を狙うかアタシが決める! だってアタシ、アイドルだもん!」
「ずいぶん質の悪いアイドルだな」
その場の誰もが、二人を見て驚いた。
悪魔によってかけられた呪いが、完全に消えていたのである。
それどころか、悪魔自身が呪われていた。
「な、な……の、呪い返し?! そんなバカな?!」
あらゆる回避が無効となり、何かに隠れても当たってしまう必中の呪い。
それを帯びてしまった悪魔は、人質に守られる意味がなくなっていた。
「しかし……実物は大概だな」
ホワイトは思い出す。
何時か、彼女から聞いた能力の説明を。
《アタシを名乗っているときの僕の能力は、アルティメットアイドル。対象の指定する技に特別な意味を持つ能力だ》
《どういう意味だ?》
《まず、アタシに単体攻撃は当たらない。アタシは単体攻撃の対象にならず、他の誰かにあたるのさ》
《たんたい攻撃?》
《……ようは、一人を狙う攻撃のことさ。そしてもう一つは、ターゲットの操作だよ。これもわかりにくいんだけど……》
ターゲット指定、あるいはヘイトコントロール。
防御に秀でたユニットが、防御の貧弱な仲間を守るために、自分へ攻撃を集中させる。
あるいは回避率の高い敵へ攻撃を当たりやすくしたり、頑丈な相手の急所へ攻撃が当たりやすくなったり、あるいはランダムで切り込む技が一体に集中するようになったり。
そうしたターゲット系の技は、彼女の生まれた世界では多く存在していた。
そして彼女は、それを否定する。
彼女の前でターゲット集中の技を使用すれば、彼女はそれをかき乱す。
彼女自身”アタシ”自身にターゲットを集中させれば、相手の中の誰かに変えてしまう。
そして彼女の前で行われるターゲット集中は、敵の攻撃だけではなく味方の攻撃さえ集めてしまう。
味方を守ろうとした盾役は、味方からさえも攻撃されてしまう。
加えて命中率の低い大技を、ターゲット集中を当てにして打とうとしたものは、味方に誤爆してしまうのだ。
誰を狙うのか、誰を狙わせるのか、その根底を彼女は否定する。
「えへ!」
「ああ、大したもんだ……プレスエフェクト、プレッシャースイング!」
ホワイトは効果を確認するべく、その場で圧縮属性の技を放つ。
距離や角度、障害物などを考えれば、その場での素振りなど当たるわけがない。
「ぐああああ!」
しかし、ハリネズミになりながらも玉座に座っていた悪魔は、体を押し縮められるような圧迫を受けた。
何もかもを無視して、攻撃が当たる。それは彼の築き上げた優位が、彼が『仲間』を犠牲にして得たアドバンテージが、すべてひっくり返ったことを意味している。
Cランクハンターの矢は自分にしか当たらず、貴族の壁は自分を守らない。
もはや、一人で戦った方がましなほどだった。
「圧縮属性を覚えておいてよかったな、押出属性だったらこうはいかなかった」
「ねえねえ、それよりも言うことがあるんじゃないの?!」
「ああ、お前がいてよかった!」
「きゃ~~! じゃあ、アレ片づけよっか!」
「そういうことだ」
そして、何の制約もない敵が二人。
その場で素振りをしているだけで、悪魔をぶちのめせる圧倒的優位をえた二人。
「ま、待て、こんなの不公平だ! 不公正だ! 対等じゃない!」
悪魔の抗議を、ホワイトは断じた。
「俺はハンターで、これは狩りだ。卑怯もへったくれもあるか」
「アタシ知ってるよ、そういうのを負け犬の遠吠えって言うんだ!」
それは、まるで演劇のようだった。
自分の窮地を悟った悪魔は、がむしゃらに二人へ襲い掛かる。
「ふざけるなああああああ!」
悪魔自身の攻撃は、そのまま普通に発動する。
もはや二人に殺されるより早く、二人を殺すほかない。
この悪魔もBランク、戦って弱いわけがない。
それを、二人の男女が迎え撃つ。
もとより悪魔を討ちに来たのだ、実力でぶつかれば負けることはない。
「来い!」
「来なさい!」
正義と悪が、劇場で衝突する。




