ただし、悪魔と交渉するときを除く
天帝軍一行は央土国西部でも西方大将軍アッカ、およびその配下を相手に挨拶をして通行を許可してもらった。
リゥイたちがものすごい目で睨んできたり、ショウエンが『それはそれとしてドラゴンズランドはどうでしたか!?』と聞いてきたり、ジョーが『君は本当に頑張っているねえ』と慰めてくれたりした。
ともあれものすごく目立つ巨大兵器フランケンシュタインは、いよいよ旧西重領に突入しようとしている。
フランケンシュタイン内部の大部屋にいる狐太郎は、もうすでに疲労困憊であった。
周囲には天帝軍の主だったメンバーが揃っており、全員が狐太郎に労いの視線を向けている。
「現時点ですでに疲れているのに……これから会ったこともない人たちを率いて戦わないといけないなんて、先が思いやられる。俺に軍の総大将なんてできるわけないのに……」
過去二回総大将の経験を持ち、二戦二勝をとげた(しかも相手はウンリュウとチタセー)征夷大将軍。
現在の彼は自分の過去の業績を透明化させていた。
「大丈夫だよご主人様。誰もご主人様に何も求めてないよ」
「それは大丈夫じゃないと思うぞ。いや、だから大丈夫じゃないのか……」
アカネからの冷静な指摘を狐太郎は否定しきれなかった。
「だってさあ、あの、ローレライ、だっけ。四天王の影薄い人。あの人ご主人様の頭がいいと思っている感じじゃないじゃん。頭がいいとかじゃなくて、顔が利くから頼んだんだと思うよ」
「うう……そうだなあ、悲しいなあ……」
冷静かつ的確な指摘に、狐太郎は一層涙を流す。
この場の誰も、狐太郎の頭がいいと思っていないのだ。
それならいっそ自分が上官であることを嫌がってほしいのだが、そこには誰も異論をはさまないのである。
「ははははは! ひはははは! なにが悲しいんですか、狐太郎さん! 笑いましょうよ! 大いに叫びましょうよ! アナタの頑張りあってこそ、顔が利くんじゃないんですか! アナタは凄い人ですよ! いや~! よかったな~~! 降参して貴方の仲間になってよかったな~~! 俺の人生で最高のファインプレーですよ! ええ!? だったら人生で最大のファンブルはなんだって!? 気になるのか!? 気になるのか!? 知りたいなら教えてやるよ! 生まれてきたことだよ! ははははは! 死ぬか! よし、死のう!」
同じ部屋の中にいた狸太郎が、自分のテンションに耐えかねて自爆した。
同じ部屋にいたノゾミや究極のモンスターも、これにはドン引きである。あまりにも凄惨な死にざまであったため、身動きもできず言葉も発せない。
「皆さん、汚してしまってすみません。すぐに片づけますので……ビャッコちゃん、ゲンブちゃん、セイリュウちゃん! ご主人様をお願いね。私はお掃除するから」
いきなり特殊清掃を始めるスザクと、もう諦めた顔で治療を始める三体。
無尽蔵に再生する狸太郎だが、スザクと違って外部から治療してもらわないと治らないのだ。
しかも肉片が自動的に戻ってくるわけではないので、室内で自爆すると後片付けが大変である。
そんなことを考える余裕もないほど、狸太郎のテンションは極まってきたのだ。
「本当にすみません……最近は狐太郎さんのおかげで自傷癖も自爆癖も頻度が低くなってきたんですけど、いよいよ本番ということでテンションが振り切れてしまっているんです。これも武者震いのようなものだと思っていただければ……」
「武者震いではないと思うよ」
狐太郎と話をしていて、多少なり落ち着いていた狸太郎だったが、いよいよ敗者の世界に殴り込みをかけるということで緊張の糸がより一層千切れやすくなってきた。
より一層派手に死にざまを晒す彼は、三体の献身的な治療により復帰すると高笑いを始めた。目は血走っており、明らかに愉快そうではない。
「Aランク上位モンスターを十一体も従えていた冒涜教団を相手に! 勝ち目がある戦力を調達できた! 一丸になって突っ込んでぶっ殺して大団円! めでたしめでたし! いや~~~~~! 苦労したな~~! 頑張ったかいがあったな~~! もう死んでもいいな~~!」
「そのことなんだけど、少しいいかしら」
これ以上大部屋に自分の生きた証をぶちまけないでほしい一心で、獅子子が狸太郎に口を挟んだ。
「先日確かに、ローレライは冥王軍と天帝軍の合流を提案し、狐太郎さんを盟主にすえると言ったわよね。それ自体はいいと思うのだけど、冥王軍内部の総意と言っていいのかしら。軋轢が起きそうなら、事前に対策を練ったほうがいいかもしれないわね」
「そ、それもそうね! それじゃあ今からでも映像通信でお話とかスピーチでもしてみる? 狐太郎さんが」
「俺の仕事を増やさないでくれ! あ、でも……そうしたほうがいいのか? そうしたほうが後々の問題を起こさずに済むのか?」
獅子子の懸念に蝶花が乗るのだが、狐太郎は更なるタスクを課されたことによって焦燥していく。
「無駄でしょう。通信を介して少し話をしたぐらいで信頼を築けるわけもありません」
コゴエはばっさりと切り捨てた。
「先ほどのアカネや狸太郎殿の言う通り、ご主人様のお役目は『現地勢力との衝突を防ぐための顔役』であり、もうまっとうしています。無駄に相手にかかわろうとしても、裏目に出るだけかと」
「まあ、そうだよな」
「冥王軍内部で問題が生じるとしても、冥王軍が解決するべきことです。我らが関知することでもないかと」
「……なあササゲ、そのあたりどうなんだ。ローレライって人なら何とかできると思うか?」
「わかりませ~~ん! あのお方のことは考えたくないのです!」
(また俺の知らないササゲが顔を見せている……俺は未だに仲間のことを理解していないのかもしれない)
かつての上司に出会うかもしれないということで、キャラ崩壊と肉体の崩壊をしているササゲ。
よほどローレライが怖いと見える。
「だいたい! 昔はともかく今の魔王軍四天王がどうなってるのかなんて、知ってるわけないじゃない!」
(そりゃそうだな……)
狐太郎はあらためて部屋の中を見る。
四体の魔王を除いて、狐太郎を慕っているわけではない。
麒麟たちにとってはガイセイだし、究極にとってはホワイトだし、ノゾミにとっては牛太郎たちだ。
スザクたちからすれば狸太郎、ということになるのだろうか。
狸太郎本人は慕ってくれているらしいが、命令を聞いてくれるというよりも制御しないと自殺してしまう(制御すれば自殺しないというわけではない)のであんまり派閥内という雰囲気ではない。
(なんか、俺がいなくても狸太郎君周り以外は何とかなりそうなんだよな。スザクもいるし……)
狸太郎以外は協調性が高いし、スザク自身もやろうと思えば隊長にも参謀にもなれるのでゆるくまとまりそうであった。
(やっぱ俺いらないんじゃないかな~~……)
ついさっきジョーに会ったこともあって、猛烈に劣等感を抱く狐太郎。
なぜ運命は自分に権力を持たせようとするのか、まるでわからない。
(そもそも冥王軍に問題があった場合、まったく解決できないのって集団の長としてどうなんだろう)
自分が一切レベルアップしないのに、周囲だけスケールアップしていくことに疑問を禁じ得ない狐太郎であった。
※
南万の女王との会談を終え、いよいよ西重跡地に向かう冥王軍。
魔王軍四天王は万能走破列車ナイルに乗り込み、決戦前に会議をしている。
その状況で、深宇宙探査戦艦ウィッシュ内部の会議室では、フェアリーであるヌヌが三人の英雄を集めて説教をかましていた。
とても不機嫌な彼女の前で、蛙太郎、雁太郎、鴨太郎が正座させられている。
「蛙太郎、なんで集められたのかわかってる?」
「もうしわけありません、わかりません」
(しゃべった!?)
ヌヌからの質問に蛙太郎は短く返事をした。
普段は哀しみの鎧を着込み存在感を発することさえない彼が、顔を見せて喋っていることに二人は驚いていた。
「それはね……アンタたちが不甲斐ないからよっ!」
妖精らしくコミカルに、アニメのように表情豊かに感情を表すヌヌ。
頭からは怒りを示す蒸気まで発生していた。
「ああ、かつては魔王軍四天王筆頭ムサシボウ様といえば、魔王軍でも最大派閥を形成していたというのに……今はここにいるアンタたちだけじゃないの!」
「僕もですか!?」
「ウチの道場で親子ともども面倒見てやってるでしょうが!」
いつの間にか派閥入りしていたことに鴨太郎は驚くが、ヌヌは正論で黙らせた。
この場にいる三人の英雄たちがムサシボウ派閥だというのなら、残りはどうなっているのか。
「この冥王軍! 残りのほぼ全員がプリンセス派閥じゃないのよ!」
狼太郎本人とその仲間は当然ながら、兎太郎、蛇太郎、牛太郎、それらの仲間もプリンセス派閥である。
他の面々……つまりウィッシュの乗組員たる新生国際宇宙局は事実上兎太郎の部下であるし、有志として参加したエイセイ兵器のパイロットたちも牛太郎か狼太郎の派閥といって過言ではない。
つまりまとめてプリンセス派閥なのだ。
「これだけの大戦争なのに、ムサシボウ派閥の影が薄いなんてありえないわ! それもこれも、アンタたちに王者の器量がないからよ! 一人でもいれば、ムサシボウ様も支えるぞ、とやる気を出してくださったかもしれないのに!」
癇癪を起しやすいのも妖精の特徴だが、かなり目上なのでいろいろと対応に困る。
特に雁太郎の仲間は先祖代々彼女の部下なので、非常に肩身の狭い思いをしていた。
「この時代の奴らは本当に覇気がないわね! 冥王軍で王者の適性を持つのがプリンセス派閥の兎太郎だけってどういうことよ!」
「何やってんのよ、ヌヌ。妖精でも老害に成り果てるのね~~」
怒っている彼女を諫められる人材が、部屋に入ってきた。
ナイルにいるはずの四天王ローレライである。
瘴気世界でも顔役が勤まるコネ持ちであり、ムサシボウ派閥にもプリンセス派閥にも属さない最後の大物であった。
「ローレライ様~~! 貴方をお待ちしていたのです! どうかムサシボウ派閥に入ってくださいませんか? 貴方のご助力をいただければ、天帝軍にいる新しい魔王のうち一体を引き込めるわけでしょう? そこから切り崩せば、再び最大派閥に……」
「そんなこと、ムサシボウ殿は望んでないわよ。少し頭を冷やしなさい」
昔の私だったら溺れさせてたわね~~と懐かしみながら、ヌヌがずぶぬれになる程度の水を浴びせるローレライ。
彼女に付き合わされていた面々にため息をつきつつ解散を促した。
「こんな能天気な会議ごっこに参加しなくていいのよ、ちゃんと断りなさい。普段ならともかく、今は非常時なんだからね。英雄と呼ばれているのなら、私の手を煩わせないで頂戴」
高圧的な彼女からは、英雄であるはずの三人を慄かせるほどの威圧感が放たれている。
やはり目上ということで、萎縮してしまうのだろう。それはいいのだが、まったく声を出さないのはいかがなものか。
その平凡ぶりに、やはりローレライはため息をつく。
「鉄火場ならしり込みせずやる気を出すんでしょうけど、平時ではこんなもんか。やっぱり王の資格があるのは兎太郎だけなのねえ」
※
ウィッシュ内部最奥、艦長室。
兎太郎の部屋、ということになっているそこに、兎太郎、蛇太郎、牛太郎が揃っていた。
思いつめた顔の牛太郎が、男達だけで話したいと持ち掛けたのである。
「俺たちは英雄と呼ばれているそうですが、冒涜教団の被害者でしかありません。同じ境遇である狸太郎という人の力になりたいです」
ガタイこそいいものの、根はやさしく素直で、ある意味対象年齢の低い番組の少年ヒーローめいている牛太郎。
彼の言葉は、まっすぐな正義だけでできていた。
「捕まったらどうなるんだろう、と思うと正直怖いです。でも俺たちは戦います。本当はあいつらが生きている可能性も考えていて、落ち着いたら探して倒すつもりでした。それが……早まっただけです」
決して強大とは言えない英雄である牛太郎は、己の正義に従って戦いの場に身を投じようとしていた。
「ノゾミちゃんと一緒に、皆さんと一緒に、戦います! 俺たちの戦いでもあるんです! そして!」
熱く語っていた牛太郎は、唐突に涙をこぼした。
「この戦いで、あの四人の、あの姿も見納め……永遠の別れ……それでも頑張ります」
「なに言ってんだお前」
(俺に言わないでほしい……)
本人にとっては一番大事なことなので、万感の思いを込めて叫んでいた。
彼のことが好きなはずの四人も、今の彼を見れば百年の恋も冷めるのではないだろうか。
「そういえばさあ」
(もう興味を無くしている……俺も興味がないけども)
牛太郎はまだ男泣きをしているが、兎太郎は無視して蛇太郎に話題を振る。
「俺たちって冥王軍って名前になっただろ? これってお前が言い出したのか?」
「いえ、そういうわけじゃないですよ。そもそも俺が名乗っているわけじゃありませんし……」
「だよなあ。お前が『俺にちなんで冥王軍と名乗りましょう!』なんて言うわけないもんな」
(よかった、そう思われてなくてよかった)
「でさあ、冥王軍のリーダーはちゃんと決まってないらしいけど、お前は立候補とかしたの?」
「してませんよ。というか、推薦もされていません。俺がリーダーになると言っても誰も納得しませんよ」
狐太郎も突っ込んでいたが、冥王軍と名乗っている軍隊なのに、冥王派閥なんて存在しないのだ。
蛇太郎に派閥と言えるものはアヴェンジャーとアイーダ姫ぐらいであるし、蛇太郎を盛り立てるどころか保護する立場であった。
「だよなあ。お前構ってちゃんの察してちゃんだもんな。そのうえよくわからない理由でキレだすもんな。絶対向いてないよな。お前がやるぐらいなら俺がやった方がまだましだもんな」
(確かにそうなんだけども、全部言われると傷つくな……)
悪気はない、素直な気持ちをぶつけてくるだけである。
ぶつけるな、そんなもん。
「兎太郎さんはリーダーになりたいんですか?」
泣いていた目をぬぐいながら、牛太郎は兎太郎に野心を問う。
下心の無さそうな彼だが、果たして強大な権力を前にしても同じことを言えるのか。
「いや、別に。今の今まで狼太郎さんに下駄を預けてきたってのに、軍になったからってリーダーに立候補するのはおかしいだろ? さっき言ったのは、あくまでも蛇太郎がダメってだけだ」
「そうですか、安心しました。新生国際宇宙局の人は兎太郎さんを支持しているので、民主的に決めるとかなったら当選しそうなんですよね」
「そおかあ? そもそも犯罪者と戦うだけの一時的な軍の代表を、民主的に決める意味なんてね~だろ」
(それは確かにそうだな……)
長期的に運営される組織の代表ということなら、さすがにこうも適当に決めることはないだろう。
天帝軍も冥王軍も、冒涜教団を倒してしまえば楽園へ帰還するなりして解散する。
だからこそリーダーも対外的に存在していればいいのだと割り切っているのだろう。
否。
そう思っていない者もいるだろう。
艦長室のドアがノックされた。
兎太郎が入室を許可すると、数人の男性が入ってくる。
新生国際宇宙局の責任者たちであり、優秀で経験豊富な人々である。
英雄と呼ばれている若造とは風格からして異なっているが、彼らは恐縮した様子で兎太郎に話しかけていた。
「艦長殿。この度我らは天帝軍の長である一人目の英雄の指揮下に入るということですが……」
「不安なことでもあるのですか?」
「はい」
よく知らない相手の指揮下に入るのは心配であろう。
無理もないことだと牛太郎や蛇太郎も思っていたが、次のセリフは違っていた。
「一人目の英雄はこの世界で戦争に参加し、敵対した国家を滅亡させたのですよね?」
実に楽園的で、道徳的で、まともな反応だった。
人間同士の戦争に参加しているだけでも恐怖の対象なのに、敵対国家を滅亡させたとあっては尚恐ろしい。そんな奴の命令に従いたくない。
正しい情報を基にした判断なのだから、彼らの反応は極めて自然だった。
むしろ牛太郎や蛇太郎のように、そういうこともある、と思っていたことがおかしい。
我知らずの内に、感覚がマヒしていたようだった。
「我らの目的は貴方の救助でした。しかし相手が冒涜教団の残党なのであれば、戦うことに迷いはありません。しかし……戦争に参加した者の指示を聞く、というのは不安でして……」
冷静で不安な人々は、縋るように兎太郎を見上げた。
「出来ることなら、艦長殿に、指揮を委ねたく」
四天王が推すまでもなく、人々から上に立ってほしいと請われる。
これが人の上に立つ器なのかと、牛太郎も蛇太郎も性質の違いを見せつけられていた。
これに対して、兎太郎はどう返事をするのか。
「お断りさせていただく。私にその能力はありません」
あくまでもきっぱりと断っていた。
「で、ですが……」
「むしろ、私の方から皆様にお願いをしたい」
「は?」
「我らを指揮するという狐太郎様からの命令が、本当に正しいのかどうか。情報を精査していただきたいのです。これは優秀なスタッフである皆様にしかできません」
毅然とした態度で、彼らを覆う不安を払おうとしていた。
「私たちは常に、私たちの持つ力に対しての責任を帯びています。如何に指揮権を有する者がいるとはいえ、誤った命令であるのかどうかを精査する義務が私たちにはあります。私たちの力が悪用されないためには、私たち自身が私たち自身の行いに責任を持たなければなりません。そのためには、できるだけ多くの情報を速やかに集めなければならないはずです」
問題が起こった時『命令通りにやったのだから、命令した者の責任だ。俺たちは悪くない』と言いたくなる。それはそれで間違っていない。
だが間違いを避けるには自分でも考えるべきだし、正しさを求めるべきだ。それが責任というものだろう。
「もしも私たちへ誤った指示が成され、それが悪意や無能によるものならば、その時は私も動かなければなりません。その判断にご協力願えないでしょうか」
「……承知しました、艦長殿!」
戦争という非日常に触れ生じた不安は拭われ、健全な組織の長としての優秀さが戻ってきた。
自信を取り戻した彼は、心からの敬礼をしたうえで部屋を退出する。
あっけに取られていた二人に、兎太郎は声をかけ直した。
「そりゃ心配にもなるわな。先に向こうと相談しておくべきだったな。よく考えたら牛太郎と話す時間なんてなかったぜ。じゃ~な~」
(それはそうだけど酷い……)
ロケットのように上昇した株価をイーグルダイブさせた兎太郎は、自分の仕事を始めるべく部屋の外に向かうのであった。




