見渡す限りの夢
モンスターと人間が共存する社会、それは双方が好き勝手に生きている社会ではない。
お互いが非常に気を使っている社会、ともいえる。誰もが生きやすくするために、誰もが生きにくくなっているのだ。
だが誰もが気を遣わずに生きていれば、どうなるのかは火を見るよりも明らかだ。ちょっと我慢し合うぐらいが、ちょうどいいのである。
しかし、相手がよくわからないと、気を使うのも難しい。
(グリフォンってどう相手をすればいいんだ……)
初めての仲間、グリフォンのリーム。
彼女と向き合うことになった蛇太郎は真剣に悩んでいた。
(初めての仲間……それも命がけで一緒に戦ってくれる相手だ。間違ってもいきなりモンスターハラスメントをするわけにはいかない……)
ハラスメントという言葉がある。はっきり言って、面倒な代物だ。
人によっては、『なんでもハラスメントって言ってくる』と辟易してしまうだろう。
実際、ハラスメントという言葉を乱用、悪用する人もいる。どんな制度でもそうだが、権利があれば個人の利益のために使われてしまうものだ。
とはいえ、なきゃないで厄介なのが『ハラスメント』でもある。
お酒を飲みたくない、飲めない人に無理やり飲ませてしまう。
職場における立場を利用して、下の者へ無意味に圧力をかける。
同意の無い異性へ、性的な接触をする。
これらが看過されていた時代、地方があることも事実。
ハラスメントが許されている、許されるべきだとされている時代や場所は、さぞ暮らしにくいだろう。
大事なことは、気遣いである。
仮に相手の地雷に触れることになっても、おっかなびっくり『ここは触れてもいい場所ですか?』と確認してきたのなら、相手側もある程度は寛容になるだろう。
知らず知らずのうちに踏んでしまうから、とんでもないことになるのである。
(聞くところによると、唯一生き残った吸血鬼へ『人類は貴方達吸血鬼と共存ができませんでした。私たち先祖の不寛容をお許しください』と言おうものなら激怒してしまうらしい……このグリフォンも、変に気を使うと怒るかもな……)
人付き合いを、安易に考えない。
気遣いとは自分なりのやり方ではなく、相手とのすり合わせであるべきだ。
その上で、ある程度積極的にならなければならない。
慎重と消極は別のものなのだから。
(難しい……)
背中に羽を生やして、ぱたぱたと滞空しているリーム。
その飛行方法はハーピーよりも、悪魔や天使に近い。基本的に大型の鳥類と同じであるハーピーは滞空することもできるが、ぱたぱたどころかばたばたと大きく翼を動かさないと滞空出来ない。
それができているということは、精霊よりである悪魔や天使のように、そもそも生物ではないということなのだろう。
普通ならそう考えるところなのだが、何分この世界は夢である。
普通の生物であっても、物理法則を無視できる可能性が無きにしも非ず。
モンスターとの接し方を決めるうえで重要なのは、生物なのか非生物なのか、だ。
それが分からないと、欲求の種類という根本さえもわからない。
(俺は重い関係の仲間が欲しかったのであって、こんなふうに特別な仲間が欲しかったわけじゃないんだ……ドラゴンとか鬼とか、獣でよかったんだ……なんでグリフォンを仲間にするんだよ……)
本人しかわからない苦しみであり、他人に言えない苦しみだった。
もしもこの状況でリームへ素直な気持ちを伝えていれば、それこそただの嫌がらせであろう。
蛇太郎に一切の悪意がなかったとしても、相手次第では『俺、君みたいな変なモンスターを仲間にしたくなかったな~~』と受け止められかねない。
(向こうだってきっと、こんなに陰気な奴じゃなくて、今までの英雄みたいな人が良かったはずだろうに……)
真剣に悩む、後の冥王。
なお二人目の英雄は。違法製造されたかわいそうなモンスターへ『こんなふざけたモンスターを戦力にするな!』と直球で文句を言っていた模様。
人を傷つけることを恐れないことが、英雄の証明かもしれない。
(命を捨てて故郷を守った六人目の英雄なら……仲間とすぐに仲良くなって、信頼関係を築けたんだろうなあ……)
なお六人目の英雄は仲間から『お前なんて生まれてこなければよかった』と言われていた。しかもノーダメージだった。
人を傷つけることを恐れないことが、英雄の証明かもしれない。
「……ねえ蛇太郎。こんなことを言うのはどうかと思うけど」
「なんだ、マロン」
「君は、もしかして陰キャ……シャイボーイなのかな?」
「そうです、俺は陰キャラです」
「いや、陰キャラなんて言ってないけど」
「途中まで言ってただろう……」
となりで浮かんでいる、人懐っこそうな顔のリーム。
その彼女へほとんど話しかけない蛇太郎へ、マロンは慎重に言葉を選ぶ。
世界を救うと決意したのに、仲間と話すことにさえ踏ん切りがつかない人間へ、おっかなびっくり探りを入れていた。
「そりゃあいきなり現れたモンスターと友達になるのは大変だと思うけどさ、最初に一歩踏み出さないと始まらないよ?」
「必要性は、理解している……」
勉強したくない子供のようなことを言い出す蛇太郎。
このままいくと、自分を正当化するために理屈を並べ始めるだろう。
そして実際、並べ始めたわけで。
「でもマロン……俺と一緒に命がけで世界を救ってくれって、どう切り出せばいいんだ?」
「僕はそれをやったんだけども……」
「そうだった……どうやったんだっけ」
「さっきのことだよ!」
蛇太郎の主観に置いて、一瞬しか経過していないことである。
ついさっきマロンから『一緒に世界を救って!』と言われたのに、自分でやるとなると分からないらしい。
記憶力に問題があるというより、理解力と再現力に問題があるのだろう。
他人がやってくればわかるが、自分がどうやればいいのかわかっていないタイプだ。
「そりゃあさ、君の気持ちもわかるよ。でもね、もうすぐこの世界滅ぶんだよ? 手順踏んでる場合じゃないんだよ?」
「……止めようかな」
「夢を諦めないで!」
人類は月にたどり着くことができたが、戦争は終わらなかった。
同じように、世界を救う決意ができても、仲間を作る決意はできない。
最初の一歩目が一番難しい、それは全人類の知るところである。
「……」
ちらっと、マロンはリームを見た。
それに頷くことさえなく、彼女は積極的にアプローチする。
「ねえねえご主人様~~! なんで私のこと無視するの~~?」
「うわああああ?!」
後ろからいきなり抱き着いてくる、距離感を計らない奇襲。
鷹の腕を持つ彼女は、かぎ爪ではなく腕を全部使ってしがみついていく。
「話しかけてくれないと、私も困るんだけど~~~?」
「そ、それは、まあ……そうだな……?」
しがみつかれた蛇太郎は、背中に『二つの柔らかい感触』に気付いた。
(なんで『胸』があるんだ? 下半身は獅子でも上半身は鷹のはず、なんで哺乳類の胸がある?)
哺乳類の哺乳類たるゆえんは、乳を与えて子を育てることにある。
逆に言うと、他の生物にはそれに相当する部位がない。
ペンギンミルクというものはあるが、あれも突き詰めればただの『吐しゃ物』である。
如何に人と同じような顔をしていても、上半身が鷹であるグリフォンには、乳房に相当する部位などあるはずもない。
(じゃあこのグリフォンは、精霊や悪魔よりということか?)
だがその一方で、まったく生物ではない精霊や悪魔、天使にはそれに似た部位がある。
人間の持つ女性、雌へのイメージがそのまま反映されている、あるいはその個体が自分から寄せているのである。
もちろん似せているだけなので、本来の機能を発揮することはない。
(つまり夢の中の住人であるグリフォンは、雌のグリフォンかくあるべきというイメージが反映された結果、鳥類の上半身なのに哺乳類の胸部に似た部位を持つことになったというわけだ。申し訳ないな……)
ここが人間の夢の世界であることは、人間だけの街であることから明らかだ。
人間の持つ女性へのイメージがダイレクトに反映されたので、彼女は『理屈で考えるとおかしいグリフォン』になってしまっているのである。
実際どうなのかはともかく、蛇太郎はそう結論付けた。
「あのさ~~……」
「あ、はい」
「もうちょっとリアクションしてくれないと、私が面白くないんだけど」
「あ、はい……」
彼女が夢の住人であり、人間の願望の塊なのだとしたら、彼女は本能的にそう振舞おうとする。それが彼女たちの生態であり、けっしておかしなことではない。
その辺りが生物と非生物の考え方の違いだろう。
同じく願望が反映された『究極のモンスター』も、一応は生物である。
彼女は自分が生み出された理由を知って苦しんでいたが、それは彼女が生物だからに他ならない。
非生物である悪魔や精霊たちは、自分たちの存在意義を最初から理解して生まれているため、一々葛藤することはないのだ。
とはいえ、究極のモンスターと同じ人造種にして生物、ホムンクルスたちの場合はまた違うのだが……。
ともあれ、相手が求めている反応を返すのが、コミュニケーションの基本であろう。
「わ、わあああ! その、恥ずかしいですよ!」
「堅苦しいなあ~~……夢の世界なのに、そんなに堅くてどうするの~?」
積極的に性的アピールをしてくるグリフォン。
がっちりと固定してくる彼女に対して、蛇太郎は困っていた。
その困っている蛇太郎に対して、なおも彼女は攻勢を休めない。
「そりゃあさ~~~、世界のピンチだとは知ってるけどさ~、せっかく仲間になったんだから楽しくやろうよ~~!」
(もしかして彼女は、『陰キャラに優しいギャル』という非実在モンスターなのだろうか……)
そのアピールに対しても、蛇太郎は考えを巡らせてしまう。
実在してもおかしくはないが、いや、やっぱりおかしい存在。それが『陰キャラに優しいギャル』である。
それを体現しているリームは、やはり夢の世界の住人なのかもしれない。
「あの……マロン、彼女はやっぱりサキュバスの類なのでは……」
「いや、違うよ。君だって知ってるだろう? そもそもサキュバスは、悪魔の亜種だ。夢の中にいるような存在じゃない」
「まあそうだけども……」
サキュバスが悪魔の亜種ならば、人の心によって生まれるモンスターである。
人の心から生まれるモンスターが絶滅するとなれば、それこそ人間が絶滅するという事態以外に考えられない。
だが実際にサキュバスは絶滅している、ではどういうことなのか。
雑に言うと、サキュバスとは『そっち方向に鍛錬した悪魔』である。
ボディビルダーとマラソンランナーでは、同じ人間でもまったく体格が違うように、悪魔もまた特定の方向に鍛錬を積めばそういう方向に特化した形態になる。
いや、生物である人間よりも、悪魔の方がよほど特化しやすい。
鍛錬を重ねた人間のことを、同じ人間とは思えないとか、別の生き物のようだと表現することがあるのだが、悪魔から変化したサキュバスは更に極端なのである。
つまりサキュバスが絶滅したというのを人間でたとえると、侍や忍者が絶滅したと表現するようなものである。
「サキュバスは幻覚を見せたり、相手の力を奪うことに特化した悪魔だ。実際に夢の世界に入ってきたりしないよ。それぐらいのことは君の時代にも伝わっているだろう?」
「うんまあ……五人目の英雄の中に入っているのが最後だったとか」
「……ああ、彼女も何処かへ消えたらしいね」
五人目の英雄の話を聞いて、マロンはやや物思いに馳せた。
それに対しては、蛇太郎も反応する。
「五人目の英雄にあったことがあるのか?」
「流石に、直接会ったことはないよ。でも長命なモンスターなら知っていても不思議じゃないだろう?」
「まあそうだな……」
五人目の英雄は、いろいろな意味で他とは違う。
魔王軍四天王だった時代も、勝利歴末期の英雄黄河の妻だった時代も、ずっと有名であり続けた。
諸事情あって素性が隠蔽されていた彼女にしてみれば、五人目の英雄になったことなど武勇伝の締めぐらいのはずだった。
「まさか魔王軍だったとか……」
「違う違う、人間の味方だったよ! まあその話はおいおいね、それより……」
マロンとの話に興味津々だった蛇太郎、その彼へ更なるアプローチを仕掛けてくるリーム。
彼女は蛇太郎の前に回り込み、顔を近づけてきた。
「あのさ~~……これから一緒に頑張る私が、これだけ密着しているのに、他の人の話をするなんておかしくない?」
「……すみません、顔が近いです、勘弁してください」
お互いの顔しか見えないような距離で、鷹の手で頬を触ってくるリーム。
性的興奮を覚えるわけではないが、こうも距離が近いと面食らうのが蛇太郎と言う男であった。
思わず敬語になりつつ、まず距離を撮ってもらうように頼む。
「まったくノリが悪いよね~~! 現世の人たちってみんなこうなの?」
「人によるとしか……」
夢の世界の住人からの質問に対して、返事を濁す蛇太郎。
(たいていの人は俺と同じような反応をすると思う……むしろ俺と同じ反応をしないほうが特殊だと思う……)
人語を解する未知の生物からフレンドリーに接されて、びっくりしない人はそういないだろう。というか、相手が人間だったとしても、こうして距離を詰めてきたら驚くはずだ。
「こんなんじゃさ、他の子に紹介できないよ~~?」
「他の子……他のモンスターか?」
「そうそう。私とちがって引っ込み思案な子ばっかりだからさ、ご主人様がそんなに陰気だと、話が進まないじゃん」
確かに今は火急の事態である。
さっさと仲間をそろえて、信頼関係を作って、脅威に対応しなければならない。
話しかけることを恐れていては、仲間もへったくれもない。
「……その子たちは、この戦いに身を投じる覚悟があるのか?」
蛇太郎は、あえて聞いた。
ここが夢の世界であり、リームとその友が夢の世界の住人だったとして、相手が世界を滅ぼす力を持っているのなら、全滅もあり得る。
世界が救われるとしても、自分が救われないなら意味がない。そう思うのが普通ではないだろうか。
「あるに決まってるじゃん!」
親指を立てて、片目を閉じて、にっこりと笑うリーム。
その顔には、一切の影がない。
「私たちはこの世界で生まれてきたんだよ? 守りたいのは当たり前だよ!」
「それは、まあ……」
「それにさ、今のこの感じが嫌なんだよね~~!」
ばさばさと羽ばたいて、再び体勢を変える。
鷹の手で蛇太郎の肩に留まり、獅子の足を蛇太郎の脇に回り込ませる。
そうして蛇太郎と、同じ景色を見えるようにしていた。
「ほら、みんな終末を待ち望んでるじゃん。それってさ、凄く嫌じゃない?」
「それは……まあ……」
世界に終末が迫っているからこそここに来た蛇太郎だが、それより以前からこの夢の世界で暮らしている彼女にしてみれば、今の状況は異常そのものなのだろう。
「あの隕石が落ちてくるとき、どこにいる? 私この辺りで一番景色のいいところに行きたいな~~!」
「いいよね~~! 街が燃えていくところを見れるなんて、滅多にできないもんね~~!」
「映画館で、隕石が落ちて来る系の映画の復刻がやってるぜ! 何種類もやってるから、お前らも見に行かないか?」
「俺はいいよ、ゲーセンに行って遊んでるから。世界が滅ぶまで、耐久でずっとやることにしたんだ」
「そりゃあ贅沢だな……俺もそっちにしようかな~~?」
現地の住人と同じ目線に立てば、やはり見え方も変わってくる。
同じ世界で生きてきた人々が、世界の終わりを心待ちにしている状態。
まともな思考ができるものなら、打破したいと思うのが当たり前だろう。
「……そうだな」
他所者からすれば、変わり者の国にしか見えない。
しかし彼女にとっては、同じ国の住人がいきなりおかしくなったようなものだ。
自分の命にかけても何とかしたい、というのは自然なことだろう。
「他の子たちも一緒だよ! あの隕石をぶっ壊すために、みんなやる気満々なんだから!」
「そうか……それじゃあ俺も、君のことで悩んでる場合じゃないな」
グリフォンと言うモンスターの生態はわからない、リームについてもよくわからない。
だが彼女が何のために頑張っているのか、その点については共感できた。
戦う相手もはっきりしている以上、もはや迷う余地などない。
「案内してくれ、リーム。俺の仲間がいるところへ、この世界を救う仲間の居る所へ」
「うん、任せて!」
蛇太郎の求めに応じて、リームは翼を羽ばたかせた。
そして蛇太郎を固定したまま、空へ飛び立ったのである。
「……は?! え?!」
「このまま超特急で行くよ!」
「ま、まて、待って?! 死ぬ、絶対死ぬ!」
両肩を鷹の手で、脇を獅子の足で。それぞれ固定されている蛇太郎は、リームによって空へと舞い上がる。
当たり前の話をすれば、まあ死ぬ。
固定がしっかりしていなければ、落下してそのまま死ぬ。
固定がしっかりしていれば、固定している部分が負けてちぎれる。
ゆっくりと飛んでいくならともかく、いきなり飛んでいくのなら、それこそ肩を掴んで引きちぎりに来たようなものだ。
そんな常識が頭にある蛇太郎は、まったく痛くないのに叫んでいた。
「やだな~~、死ぬわけないじゃん。ご主人様の故郷ではそうなの?」
「は? あ、ああ……ん?」
呆れた様子のリームの声を聴いて、蛇太郎は状況に気付く。
まったく重力加速度を感じない、風圧も感じない、気圧の変化もない。
肩と脇で支えられているが、まったく痛くなかった。
「ここは夢の世界で、彼女は夢の住人だ。今の君は、空を飛んでいる夢を見ているようなものだよ」
現在の状況を、羽根もないのに飛んでいるマロンが説明する。
夢の中ならなんでもあり……という程ではないが、ある程度は融通が利くのだろう。
少なくとも蛇太郎は、このまま自力で飛べる気がしない。
「それより見てごらんよ、この世界を」
「え、ああ……」
それは、一生忘れない光景だった。
雲の高さから見下ろす世界は、まさに建物が埋め尽くす楽園。
狭い都市で生まれ育ち、都市圏というものを歴史でしか知らない彼には、初めての光景だった。
「広い……世界中の人が集まったって、こんなにいるとは思えない……」
見渡す限りの光景に、幸せな夢が広がっている。
想像できない数の人々が、この世界で夢を見ている。
それを思うと、失われる物の大きさが分かってしまう。
数えきれない、計り知れない。それが自分の守るべきものなのだ。
「でしょ? いろんなところでいろんな人がいるから、とっても楽しくて面白いんだよ! この世界を救ったら、私がいろいろなところへ連れて行ってあげる! もちろん、他の子たちと一緒にね!」
「そうか……それは楽しみだな……」
お世辞ではなく、心の底から楽しみだった。
六人目の英雄に憧れているが、別にみんなで死にたいわけじゃない。
世界を救った仲間たちと、平和な時を楽しむ。
それは彼が抱いていた、本当の夢だった。
「……絶対に、叶えないとな」




