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ステージ2 冬工ライブ会場

 スレイプニルのラクにまたがって、蛙太郎は進んでいく。

 八本足の駿馬は、まるで飛ぶように走っていく。


 そのラクに掴まることなく、自力で飛行して並走しているヌヌ。

 何気に凄いことだった。この駿馬と同じ速度で飛んでいるのだから、妖精と言う種族で考えると相当なものである。


「調子に乗らないことね! アンタなんて開祖様に比べればまだまだなんだからね! もっと修行しなさいよ!」

「はい」

「もっとちゃんと返事しなさい!」

「はい、頑張ります」

「この……!」


 そのラクにまたがっている蛙太郎は、相変わらず淡白なものだった。

 もっと大きいリアクションを期待しているのに、蛙太郎は平然とし過ぎている。


「そ、それで次はウリエルのところだからね。ラファエルが認めてくれたから、あの人も大丈夫だよ。そもそも認められなかったことなんて、一回もないんだから」

「そんなこと言ったら、こいつが舐めてかかるでしょうが!」

 

 当たり前ではあるが、蛙太郎はそもそも認められて送り出されている。

 試験を合格できるという確証があるからこそ、試験を受ける許可が下りているのだ。

 とはいえ、もう合格だよ、と試験を受けている人間に言うのはどうかしているが。


「……あら?」


 次の試験地である『冬工ライブ会場』は、音楽施設である。

 ライブ会場として貸し出されるだけではなく、録音などを行うこともある。

 もちろん今のご時世、そんなもの自宅でも用意できるのだが、そんなことを言い出せば音楽なんてどこでも歌えるし弾けるし聞けるわけで。

 オフラインでライブをしたい、聞きたい、参加したい。そういう人々のために、この施設はあった。

 その会場がうるさいのは仕方ないのだが、それにしても少々状況がおかしかった。


「我らはモンスターの復権を掲げる、新魔王軍である! この地にいるという四大天使、ウリエルを排除しに参った!」

「モンスターでありながら人間に与した裏切り者……粛清せねばならない!」

「粛清、粛清、粛清!」

「先祖たちの無念を、我らが晴らすのだ!」


 音楽の殿堂で、政治的な活動が行われていた。

 警備員たちによって入ることを止められているが、その数が多い。

 警備員が百人程度であるにも関わらず、政治的な主張をしている新魔王軍とやらはその倍以上いた。


「……なにあれ」

「情熱を持て余した若者の暴走じゃないのかな? ああいうのはいつでも湧くし……」


 何か格好いいことを言おうとして、しかし浅い主張しかできていない若者たち。

 彼らは同じような定型文を声高に連呼するばかりで、現状を変えそうなことを言わなかった。


 しかも、彼ら側からは暴力を振るっていない。

 もちろんここのオーナーであるウリエルを出せと叫んでいるし、明かに営業妨害をしているのだが、一線だけはまだ超えていなかった。


「まったく、ウリエルの奴は何をしているのよ。あんなクズども、アイツが出てきて警備員と協力すれば、どうとでもなるでしょうに」


 流石に一体で数百人を倒すことはできないらしい。

 しかし百体からなる警備員がいるのなら、味方を強化することを得意とする天使の出番である。

 しかも天使の中で最上位に位置するウリエルならば、手勢の強化などお手のものだろうに。

 それを理解しているヌヌは、苛立たしげだった。


「……ウリエルは昔から面白いことが好きだからね。この状況も、楽しんでいるんじゃないのかな」


 キキは自身も呆れながら、この状況を分析していた。

 暴徒側もそれなりに準備はしているだろうが、大天使とその配下に対抗できるほどではあるまい。


「あら、わかってるじゃない。流石ねえ、キキ」


 そう言って一行の後ろに現れたのは、背に翼を背負う天使であった。

 四大天使の一角、ウリエルである。その表情はとても楽しそうであるが、その風格はそこいらの軽薄な輩とは一味も二味も違う。


「ヌヌもラクも久しぶりね。それでその子が次の継承者?」

「はい、蛙太郎と言います」


 いきなり現れた天使に対しても、蛙太郎は振り返りながら答えた。

 その顔は、やはり感情が読めるものではなかった。


「時世に流されず己を鍛える……実に信念(ロック)ね。この時代にもそういうのが残ってると、私も嬉しいわ~~!」

「相変わらず、なんでもロックっていうのね……」

「それはもう! 人を褒めるのに、ロック以上の言葉なんてないでしょう?」


 昔ながらの生き方を貫く三体のモンスターと、それを引き継いだ蛙太郎。

 それを褒めながら、しかし自分を狙っている輩を見る。


「それに比べて、あの子たちは……あれで反逆(ロック)のつもりなのかしらね? 人と違うことをしようとして、結局仲間に紛れて安心するなんて太志(ロック)じゃないわねえ」


 大義を叫ぶことを目的としている、若き衆愚。

 それを哀れむ女性は、彼らを過ちだと見ていた。

 それも、まったく面白くない過ちであると。


「どうせなら、反撃してこない相手へ主張するんじゃなくて、肺が燃えるほど暴走(ロック)すればいいのに……」


 本来秩序を良しとする天使らしからぬ主張だった。

 あるいは彼女の考える暴走と、人間の考える暴走は違うのかもしれないが。


「どうでもいいけど、アレなんとかしなさいよ」

「あら? 貴方達がやらないの? 新魔王軍なんか名乗ってるのに? 意外ね」

「あんなのいつの時代も湧くでしょ。むかつくけども、一々相手にしてられないわ。ねえキキ」

「そうね~~……まあ好きにすればいいんじゃないかしら。それに貴女に会いたいみたいだし」

「あらあら……それはそれで剛毅(ロック)ね。確かに相手にする価値はないか、貴方達が倒すと思って放置してたんだけどね」


 ウリエルは、その眼で蛙太郎を見た。

 本来天使の羽は、ある意味飾りである。

 その翼をあえて大きく羽ばたかせながら、彼を見ていた。


「貴方も同じなのかしら?」

「なんのことでしょうか」

「なるほど……まあ知らないなら怒るも何もないわね。でもまあ、ちょうどいいのも事実よね」


 ウリエルは意地悪く笑った。


「それで、蛙太郎君。貴方を導く者たちは相手にもしていないけど、あのロックの神髄を知ろうとも知らぬ輩は、本来……私よりも先に貴方が倒すべきなのよ」

「そうなのですか」

「ええ。それにぶっちゃけ、私貴方の承認とかやる気ないし。その三体が貴方を認めているのに、私が認めないとかおかしいし……」


 そう言って、彼女は自己主張をしている、気になっている者たちを指さした。


「アレ全員倒して。それができたら認めてあげる」


 何百と言う数のモンスターたち。

 おそらくはキョウツウ技やシュゾク技を、それなりに覚えているであろう、即席の強者たち。

 誰でも簡単に強くなれる時代だからこそ生まれた、信念なき有象無象。


「アイツらに格の違いを教えてあげて。それができれば、貴方は本物(ロック)よ」

「承知しました」

「話が早くていいわね、じゃあ頼んだわよ」


 そう言ってから、彼女は叫んだ。


「さあ、ウリエルはここよ。魔王と戦い続けた四大天使の首……欲しいなら取りに来なさい!」


 数百の暴徒の喧騒に負けぬ声で、その暴徒たちを鼓舞した。


「貴方たちの目標(ロック)はここよ。口だけだと思われたくないのなら、臆さずにかかってきなさい!」


 その声を聴いて、鼓舞を受けて、暴徒たちは百八十度回転する。

 そこにいるのは、やはり大天使。そしてそれを守るように、一組の騎兵がいる。


「ほらほら、貴方も名乗りを上げて」

「私がですか」

「そうよ、貴方の開祖も名乗りを上げたものよ?」


 天使はまるで悪魔のように、人間をそそのかしていた。


「それはもう、すごく無敵(ロック)だったわ」

「わかりました、では……」


 天使は見抜いていた。

 この表情の読めない、主張をしない男に、確固たる意志があるということを。


「私は大橋流古武術の継承者、蛙太郎」


 だからこそ、彼は尊厳(ロック)を謳う。


「こい、口がデカいだけの雑魚ども。まとめて掃除してやる」


「なんだ、アンタも格好いいこと言えるじゃないの。それじゃあ私もやるとしますか」

「ヌヌがやれば、すぐ終わるわね。私やラクにも順番が回ってくればいいんだけど」


 ぶふふぅるるるる。

 後継者を乗せているラクもまた、他の二体同様に高揚していた。


 相手が些か以上に雑兵であるが、それでも多数を相手に馬働きというのは悪くない。

 かつての戦場を思い出しながら、三体の侍従は主の後継者のサポートに回る。


「大橋流古武術、薙刀一段技」


 あえて手綱を手放し、両手で馬上武器である薙刀を手にした。

 それを振り回しつつ、鐙でラクへ合図を送る。


「波動……木の葉散らし!」


 どかんと、スレイプニルのラクは走り出した。

 雑兵の統制など待つ気はないと、先制攻撃で突撃を仕掛ける。


 その馬上で薙刀を振り回す蛙太郎は、まさに一騎当千の勢いで暴徒たちを薙ぎ払っていった。


「な、なんだコイツ?! 人間だろ? ホムンクルスじゃないだろ?!」

「先祖返りか! そうか……そうか!」

「こりゃあいい! 新たなる魔王軍として、恰好の獲物だ! お前ら、こいつをぶちのめすぞ!」


 かつて魔王と戦っていた、強かった人間。

 それはまさに、魔王軍を名乗る者として打ち倒すべき、都合のいい相手だった。


「ははは! よし、俺がやるぞ!」

「まて、俺が!」

「相手は馬に乗っているんだ、それなら……!」


 まさに雑兵だった。

 我先にと襲い掛かり、しかし蹴散らされていく。


「馬が何だってんだ、ここは俺がやる!」


 大鬼の一体が、拳を鳴らしながらラクの前に立ちはだかる。


「シュゾク技、鬼拳一逝!」


 たかが馬一体、何のこともなし。

 種族ゆえの怪力に任せて、鉄拳を見舞う。


 だがそれは、余りにも無謀だった。

 スレイプニルのラクは、歴戦の軍馬である。

 たかが鬼の子一匹、まさに一蹴する。


「おぐ!」


 八本足の内の、一つの足。

 その蹄が、蹄鉄が、拳をかわしながら顔面にめり込んでいた。


 大鬼は確かに強く、大きい。

 だがスレイプニルは、それよりも大きく重い。

 無謀にも突っ込んできた若造など、一蹴りで十分だった。


「人間なんぞ、引きずりおろせ! 乗っかってるだけなんだ、組み付けばそれでいい!」

「そうだ、やっちまえ! とびかかれ!」


 騎兵が廃れたのは、足軽の集団戦術に屈したからだと言う。

 鍛え上げた騎兵も、槍を持っている雑魚が群がれば簡単に倒せたという。


 ましてや、雑兵と言ってもモンスター。

 この時代の人間よりも格段に強く、馬よりも高く跳ぶなど簡単だった。


 数の利とは、相手を押さえることで成立する。

 組み技に持ち込めば、相手の技も力も封じ込めるのだ。


「試合用に」

「ええ、任せて」


 蛙太郎は、己の武器を一旦キキに返した。

 その上で新しく、別の薙刀を取り出す。


「大橋流古武術、薙刀二段技」


 先ほどまで使っていた薙刀よりも、一段強い薙刀。

 それをもって、組み付いてくる敵を振り払う。


「波動、衝撃……木の葉荒らし!」


 その薙刀の刃に触れた瞬間、とびかかった者たちは気絶しながら吹き飛んでいく。

 組み付けば倒せるはず、数でかかれば勝てるはず。そんな必勝の法則を否定する、触ることもできない強者。


 まさに武将が小兵を打ち払うが如く。


「くそ……強いぞ、コイツ!」

「見たことないぞ、こんなの!」

「人間はホムンクルスと同じで、シュゾク技はないはず……」

「だけどよ、こんなショクギョウ技もねえだろ!」


 古流であるがゆえに、逆に未知であった。

 だがしかし、それでも知っている者はいる。

 あくまでも知識であるが、それでも間違ってはない情報を持つ者がいる。


「あわてんな! 所詮古流……とっくにすたれた技だ! 無敵であるはずがねえ!」


 一人の牛鬼が、勝利を確かに見出していた。


「古流が廃れたのはな、憶えるのが大変ってだけじゃなくて……先制技や必中技がないからだ!」


 単純なことである。

 必ず先制できる技、必ず当たる技。

 それが生まれたのは、それこそ格上にも勝てるから。

 何もできないはずの格上を封じ込めるために、それらが生み出され、継承されてきた。


 現在に普及しているのは、それが練磨された『正しい答え』であるから。


「お前ら、俺に続けよ……キョウツウ技、ファストナックル!」


 いくら相手が強くとも、所詮は人間。

 牛鬼から不意に攻撃を受けて、無事で済むわけがない。


 彼は絶対の自信をもって己の拳を振るい……それは確かに命中して、吹き飛ばしていた。


「あ?」


 だがその拳が命中したのは、ラクでも蛙太郎でもない。

 彼の周囲にいた、彼の味方だった。


「アンタ、バカね。先制技は、それこそ最初に使うか、とどめに使うか、相手の妨害に使うもんでしょう。ある程度戦いが始まってから使うとか……間抜けの極みね」


 何が起きているのかわからない牛鬼の目の前に、妖精が浮かんでいた。


「て、てめえ!」


 それを見て彼は、何が起きたのか理解する。

 つまりは妖精の得意(シュゾク)技、妨害である。


「シュゾク技、ラクガキいたずら」


 もちろん、それも既知の技である。

 だがわかったところで、どうにかできる状況ではない。


「お、おまえら! 攻撃すんな! 状態異常を治す技を……」


 牛鬼は慌てて攻撃の中断を指示するが、しかしそんなものが暴徒に通じるわけがなく。


「キョウツウ技、ファストナックル!」

「キョウツウ技、ファストキック!」

「キョウツウ技、必中拳!」

「キョウツウ技、必中脚!」


「おぐふぅ!」


 攻撃という攻撃が、すべて牛鬼に当たっていく。

 一対一ではさほど脅威ではない妖精も、こと乱戦においては途方もなく脅威となる。


「シュゾク技、鏡のいたずら」


 そしてこのヌヌ、本人が言うだけのことはある。

 ことシュゾク技において、同じ種族で並ぶ者はない。


「まだだ、まだやっちまえ!」

「よくもやってくれたな! このやろう!」

「ははは! これが新しい魔王軍の力だ!」

「これが粛清だ! どうだ、人間なんぞ怖くないぞ!」


「ま、まて、これは、妖精のいたずらで……!」


 鏡像認識。

 つまり鏡に映ったものを、己と認識する能力(・・)

 人間にしてみれば意外なことだが、鏡に映ったものを己だと認識することができる生物は意外なほど少ない。


 ドッペルゲンガーなどの自分そっくりの存在が自分と同じ動きをして『なんだ鏡か』という受け止め方をするコントも、逆に鏡を認識する能力を持っているからこそ成立する高度なトリック。


 つまり認識というものは、人間が思っているほど簡単ではない。

 目の前にいる牛鬼が正しく視認できていても、殴っている相手を敵だと思い込むと、そのまま殴り続けてしまうことはあり得る。


 それを意図的に引き起こす力こそ、妖精のいたずら。

 それは高度な機械さえも、あっさりとだましてしまう。


「ううん……懐かしいわねえ、あの無双(ロック)ぶり……古典的だけども、だからこそ(ロック)よねえ」


 妖精がかく乱し、騎兵が切り裂く。まさに伝統芸能となっている、王道の美。

 一騎だからこそ成立する武勇は、戦場に咲く花の如し。魔王さえも感嘆せしめた、武人の誉れであった。

 それを見るウリエルは、心底からうっとりとしている。


「あれほどの強さを得るのに、いったいどれだけ鍛錬を積んだのかしら。そしてそれを伝えるのに、一体どれだけ労力が費やされてきたのかしら。実に、実に……己が道を行く(ロック)よねえ」


 ただ集まっただけの、自称新しい魔王軍。

 それを古来から伝わる武の伝承者が、鍛えた技で蹴散らす。

 偽物を本物が蹴散らす様式美、それは浅知恵でどうにかなるものではない。


「ふぅ……」


 程なくして、すべての魔王軍は倒れていた。

 当然だろう、本当の意味での人間の勇者(せんぞがえり)が弱いわけがない。

 モンスターを蹴散らすからこそ、彼らは大地を征服できたのだから。


 己の武が本物であることを証明した蛙太郎は、ただ荒くなった息を吐いた。

 馬上の彼が見下ろすと、そこにはまさに散った偽物が転がるばかりである。


「……」


 己が証明した事実、武勲。

 それを見る蛙太郎の顔は、やはり感情が窺えなかった。


「ちょっと、もっと喜びなさいよ」

「いえ、喜んでいます、嬉しいです」


 なのでヌヌは怒るが、やはり蛙太郎はそのままで……。


「やれやれ、わかってないわね。こういう時は……」


 うずうずとしながら、ウリエルは後ろから蛙太郎に抱き着いた。


「きゃあああ~~! すごかったです~~! 私感動しちゃいました~~!」


 とても楽しそうに、大騒ぎしながらスキンシップするウリエル。

 やはり蛙太郎の顔は固いが、それでも抵抗しなかった。


「ご主人様が固い時はこうやってね、代わりに大喜びしてあげるのよ」

「なるほど!」

「なるほどじゃないわよ、キキ! コイツは御主人様なんかじゃないんだから!」


 納得するキキだが、ヌヌは憤慨している。


「私の御主人様は開祖様だけなんだから!」

「あらあら、身持ちが堅いわね。それはそれでアリだと思うけど、まったく縁がないわけじゃなし、認めてあげてもいいじゃない。私たちだってたまには、人間へご奉仕するのに」

「それはアンタだけでしょ!」

「そうでもないわよ、たまにはそろって人間にお仕えするのよ? そうでもしないと、中々一緒に行動できないし」


 ウリエルは蛙太郎に抱き着きながら、ヌヌとケンカをしている。

 もちろん蛙太郎は、キキを背負ったままで、ラクに乗ったままで。


「……すみませんが、離れていただけないでしょうか」


 とても困っているらしい蛙太郎は、顔を変えないまま哀願した。


 そしてそれを察したのか、ラクは大いに体を起こす。

 一番後ろの二本脚でだけ立って、他の足を宙に浮かせていた。


「あら?」

「ちょっと、ラク!」

「あわわわ!」


 思わず手綱を握る蛙太郎。

 その姿は、やはり開祖と同じように、古来の武将そのままだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 100年前って忘れ去られるほど古く無いのに、近代史だけがすっぽり抜けてるような… 猫太郎さんの仲間の四体、四大天使とか勝利歴以前の英雄なんて呼ばれる程でもなかったよなぁー 猫太郎さんも「同じ…
[一言] 「太志」に「ロック」とルビを振ったら「太志のナタ」が「ロックのナタ」になるからやめてー! まあナタさんの二つ名は「太志」だったり「大志」だったりするけど……
[一言] 更新お疲れ様です。 確かモンパラ3にもロック言ってる天使がいましたね…
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