お説教
雪原を行く。
ここは果たして、不毛の荒野か、極寒の地獄か。
それとも、阻むものの無い、心の踊るハイウェイか。
鵺のサカモと氷水牛のマックが、その四本脚をせわしなく動かして、影も残らぬ凍てついた大地をかけていく。
空はあいにくの曇天、しかしそれがかえってやりやすい。
もしもこの高山にある魔境に太陽が注げば、それこそ雪焼けで目がやられるだろう。
いや、或いは、もうすでにこの光景に目が焼かれているのかもしれない。
(うっとりしますね)
ヤングイは自分の知らぬ刺激、求めていなかった刺激、新しい刺激に心が震えていた。
我を忘れるほど大喜びしているわけではないが、それでも来てよかったと思うほどに楽しんでいた。
(これが……最強の氷の精霊、精霊の王ですか。精霊使い達が陶酔するのも、よくわかるというものです)
狐太郎とヤングイを乗せている、鵺のサカモ。
もちろん彼女も、相当神経を使って走っているだろう。
だがそれ以上に、コゴエが凄まじい。
彼女が起こす追い風が、高速で走る鵺に追いついている。
それによって狐太郎がほぼ風圧を感じずに済んでいる。
走行による振動を減らしているのはサカモだが、風防や落下防止についてはコゴエが担当しているのだ。
そう言えば安いが、誤差がほぼない。十の力を相殺して、一の誤差を出す程度ではない。百万の力を相殺して、誤差を一に抑えているのだ。
そうでなければ、狐太郎は前か後ろに吹き飛ばされていただろう。
(それに……この極端な気象条件でなら、精霊の力は増すでしょうが……それでもこれは、本当にすごい)
周囲には、膨大な精霊たちが集まってきている。
先ほど発生した、自我を獲得したばかりの精霊たち。
それらは知性有る者との戯れに歓喜し、世界が震えていた。
(これが、四冠の景色ですか)
ヤングイには、狐太郎の背中しか見えない。
だがそれでも、彼の気持ちはわかる。
(彼にとっては、これが普通……普通に楽しい、普通の遊び……なるほど、彼もまた英雄ということですか)
ただとても楽しそうで、そこには度を超えた興奮も、徒な歓喜もない。
自分の仲間と、一緒に過ごす時間を楽しむ。
そこには過剰など一切ない。
むしろ、余分なだけだった。
「ふん……良い馬は子供を騎手に育てないというが……悪い主を持つと、馬は育つというところだな。いや、荷物を背負うのが得意、というところか」
並走しているメズヴは、隣の狐太郎を見て笑っていた。
狐太郎自身を褒めているのではない、サカモを褒めているのである。
狐太郎は騎手どころかただの荷物だが、サカモはとても上手な馬であった。
「私の趣味ではないが、いい獣だな」
『ありがとうございますね~~』
「私にそんなことをしたらぶん殴るところだがな!」
『……いやまあ、効きませんけどねえ』
かくいうメズヴは、とても揺れていた。
彼女が振動しているのではない、彼女を乗せているマックが揺れているのである。
巨大な牛の、全身を躍動させる走り。
それはただ足が激しく動いているだけではなく、メズヴが乗っている背筋をもあわただしく曲げるもの。
馬やラクダのような、比較的背が揺れない走りではない。まるでチーターなどの肉食獣のように、エネルギッシュに背を曲げながら走っていた。
それに跨っているメズヴは、走っていないにもかかわらず汗をかき始めている。
それはメズヴ自身の技と力によるものであり、マックの全力に彼女が負けていないことを意味していた。
「そういえば貴殿は、私に獣を貸してくれると言っていたが……それはいらんな! 恥だ!」
「そうか……それは失礼をした」
「そんなに配慮されているようでは、それこそ私の腕が錆びつくというもの。自慢になるどころか、むしろ笑われてしまうだろうな!」
「……自慢か」
「そう! やはり荒々しき獣の背に乗ってこそ、北笛の王の娘というものだ!」
この広大な凍土を、二体の獣は走っていく。
その周囲には膨大な精霊が迸り、まるでトンネルのようであり……。
静かな台地を、涼し気に踏み越えていった。
※
ほぼ目印のない、変わり映えの無い凍土。
そこはかえって、目的地までの道がわからなくなるもの。
だがコゴエの案内によって、確実に目的地へ接近していた。
それでも休憩は必要であり、一行は途中で腰を下ろしていた。
もちろん凍土に直に腰を下ろしているわけだが、サカモとマックがごろりと横になり、狐太郎たちを囲んでいる。
即席の風防となっており、真ん中で火を焚けばみんなあったかという具合だった。
「すまんな、コゴエ。私のマックにも、気を使わせているな」
「気になさらず」
なお、マックの横っ腹はかなり毛が刈られている。
暑いところにいたときはよかったのだが、この寒い地帯に入るととんでもなく寒そうである。
寒いところに適応しているとはいえ、裸になっていればきついのだ。
そのまま走れば、さらに寒いこと請け合いである。
なのでコゴエが気を使っていた。
狐太郎と同様に、寒風が彼の刈られた場所へ行かないようにしていたのである。
メズヴはそのことについて礼を言っていたのだ。
(……流石にないとは思うが、もしかしてずっとこのままなんだろうか。いや、もしもそうなら流石に刈らないか)
ちょっと見当違いなことについて悩む狐太郎。
一部をちょっとだけ刈られたマックが、それだけ寒そうだということである。
「それが問題にならないほど、私は楽しめている」
「ふむ、そうか。ところで……」
改めて神妙に、メズヴは狐太郎を見ていた。
「協力してくださるのはありがたいが、前とずいぶん態度が違うな。一体何があった?」
メズヴ自身、狐太郎に対して態度を入れ替えている。それは狐太郎の仲間が強いことが分かったからであり、彼女自身意図して行っていることだ。
だがメズヴに対して、狐太郎が露骨に態度を変えた理由がわからない。
「……いえまあ、自分を省みまして」
この極寒の台地で、狐太郎は青ざめた顔をしていた。
もちろん外的な要因ではなく、自分の心中の問題である。
「正直に申し上げて……私は『自分のモンスターを自慢する』という行為を、あまりよく思っていなかったのです。だからこそ自慢するためのモンスターを求めている貴方へ批判的な……軽蔑の感情を向けていたのですが……」
狐太郎の中で、自慢は良くないことに分類されている。
罪悪ではないが、恥ずべきことであるとは思っている。
少なくとも自分たちが彼女に対してやったことは……。
『へえ、Aランクモンスターを仲間にしたいんだ~~。俺はAランクの仲間が、十体ぐらいいるけど?』
という、自分がやられたらすげえむかつく行動だった。
如何に相手が横柄だったとはいえ、あんまりよろしくない態度であると認識している。
「ですが……親しい友から指摘されまして。王の娘が自慢に値するモンスターを求めるということは、一族の威信に関わっていることなのだと気づいたのです。それならば私も、国家のために何度かやったことがありまして……」
素直に胸の内を明かした狐太郎。
しかしそれを聞いて、むしろメズヴは怒っているようだった。
だが彼女が怒るよりも先に、ヤングイが説明を始める。
「狐太郎様。聞くところによると北笛では、自慢をしてはいけないのは子供に対してだけのようです。つまり自慢したことを恥じるということは、彼女を子ども扱いしているということなのですよ」
「……そうなんですか?」
「当たり前だ! というかそもそも、央土でも西重でも東威でもそうではないのか?! これでもかと巨大な城や壁を作って、散々誇示しているだろうが!」
どうにも彼女の基準だと、城や街は『自慢』のために存在しているらしい。
実際その目的がないとは言えないので、むしろなるほどなと納得するほどだった。
「大体強い獣を、多くの家畜を自慢することの何が悪いのだ! どう考えても、お前達の方が間違っているぞ!」
「そ、そうですかねえ?」
ヤングイという『価値観の通訳』がいるおかげで相互理解はスムーズだが、それでも微妙に納得できない状況だった。
(央土と俺って、結構近い考え方だったんだな……)
その一方で、北笛に転移しなかったことをそれなりに感謝していた。
価値観の相違によって、双方相当イライラしただろう。
「これだから貨幣など持っている連中は駄目なのだ!」
「……貨幣制度と自慢に、何の関係が」
狐太郎は思わず首を傾げた。
どういう意味かと思ってヤングイを見るが、彼女もお手上げの様子である。
「例えばだ、お前たちは親から大量の財産を受け継ぐとき、貨幣という形で引き継ぐのだろう」
「それだけじゃありませんが、大体合っていますね」
「それでは本人の実力が分からんだろうが!」
「それは家畜と言う形で受け継いだ財産の場合でも同じでは?」
「まったく……これだから定住民族は人の価値がわかっていないな」
狐太郎が最強の魔物使いだと認めたうえで、がっかりしている。
結局自分達とは違うのだな、という雰囲気であり、呆れてさえいた。
「では雑に聞くが……家畜を百体を維持するのと、家畜百体分の貨幣を維持しておくこと。どちらが大変だ?」
「それは間違いなく家畜でしょうね」
貨幣というのは、クレジットカードだろうが仮想通貨だろうが、硬貨だろうが紙幣だろうが、あるいは他の物でも共通している特徴がある。
それは保存と持ち運びが簡単、というものだ。この特徴がないと、通貨としての機能を持っていないことになる。
もちろん、生きている家畜は貨幣の代わりにはならない。珍しい綺麗な貝殻とかのほうが、まだその可能性があるだろう。
「そのとおり……家畜を多く飼うのは大変だ。誰もが欲しがるし、野生の獣にも狙われるからな。それだけではなく、魔境をめぐって餌をやらねばならないし、他にも世話をたくさんする必要がある」
「それはそうでしょうが……」
「だが、だからこそ! たくさんの家畜、たくさんの獣を保有していることは、そのまま本人の能力を示すことになる!」
わからなくもないことである。
確かに親から引き継いだ貨幣を倉庫にしまっている男と、親から引き継いだ大量の家畜を維持している男では、目に見える有能さはまったく違う。
前者についてはこの情報だけだと分からないが、少なくとも後者は相当立派な酪農家だろう。
「確かにそうですね」
「そして貴殿も同じだ! あれだけのモンスターは、自慢するに値する! アレだけ毛の色の違うモンスターを従えるのは、さぞ大変に違いない!」
「……確かにそうですね」
「だから私は貴殿を尊敬しているのだ!」
一時飼っても、直ぐに死なせてしまう。
それは飼育しやすいペットでもよくあることだ。
ましてや家畜やモンスターは、途方もなく大変である。
普段からモンスターの世話をしている彼女だからこそ、それには実感が伴うのだろう。
よって彼女は『こんなにすげーモンスターを沢山維持してるなんて、この人はめちゃくちゃ頑張ってるんだなぁ』という理解をしたのである。
実際そうであった。狐太郎は、めちゃくちゃ苦労している。
「定住民族が財産を自慢することを良くないと思うのは、財産の維持が貨幣だと楽すぎるからだろう。ただ引き継いで豚になっている者と、そうではない者が混同されてしまうからに違いないな」
(もしかして俺は、セッキョーされてるのだろうか……)
政治形態とか道徳観とか、かなり違う相手からの『君が評価されないなんて間違ってる』とか『君は凄いじゃないか、胸を張っていいんだよ』と言われる展開。
お話だとよくあることだが、実際にされると『うんまあ、わからんでもないけども』という気分になる。
(駄目だ、嬉しくねえ……)
狐太郎は貨幣経済に浸っている側なので、彼女に同調しきれない。
というか狐太郎からすれば、貯めた金で悠々自適な暮らしというのが最終目標なので、それを否定する彼女には賛同できない。
そもそもそれを満喫していたら、妨害してきたのがメズヴである。よく考えなおすと、軽蔑していい気がしてきた。
「メズヴ様、少しよろしいですか?」
それを感じ取ったわけではないだろうが、ヤングイが話題を変え始めた。
どうやら彼女自身、聞きたいことがあるようだった。
「戦争が終わるや否や、こうして央土に参られましたが……少々急ではありませんか? 戦争が始まる前に、そんなことをしていたとは聞いておりませんが……」
「ああ、そのことか」
物凄く悔しそうに、憎々し気に、彼女は自分の動機を明かした。
「お前の指摘通り、戦争が始まる前は私もここまで焦っていなかった。だが戦争の最中で……他の王の娘であるスカハやイーフェの獣が王化したのだ」
「……王化?」
狐太郎は、冠にまつわることなのかと身構えた。
この世に四つしかないはずの冠が、まさか別にもあったのかと思ったのだ。
「狐太郎様。王化といいますのは、突然変異のことでございます。モンスターにも個体差がありますが、基本的にランク差はありません。ですが稀に、ランクが変わるほどの成長を遂げる個体が出るのです。央土では『ボス』だとか『リーダー』と呼びますね」
「風情の無い呼び方だが、その通りだ。スカハとイーフェの獣はどちらもBランク中位で、戦争が始まるまでは少し強い程度だったのだが……央土との戦争の中で開花し、完全に王化を果たしBランク上位へと成長したのだ」
(ツリーアメーバ……とは流石に違うな、アレは個体差じゃないもんな。タイラントタイガーの内一体が、いきなりインペリアルタイガー並みに大きくなるようなもんか)
Bランク中位から、Bランク上位への成長。
それは虎猫が虎になったようなものであり、確かに変異としか言いようがあるまい。
「王化については、めぐりあわせだという。王になる獣と友だった戦士は、運命に選ばれた勇者だと。それ自体は否定しないが、それでは私の面子がたたない! 私だけ運命に選ばれてないんだぞ!」
(……確かにそれはきついな)
他の二人は凄い運命的な、特別な個体を引き当てたという。
なのに自分だけ、それを引いていない。
相棒に不満がないとしても、面子は丸つぶれだろう。
彼女だけ運命に選ばれてないのだから。
「私のマックが王化しないのは、それこそただの運だ! だがな、運がないというだけで、すべてを諦めるわけにはいかん! 運がないのなら行動あるのみだ! あの二人よりも格上を従えてみせる!」
ある意味まともに前向きだった。
巻き込まれた央土はたまらないが、彼女は運命を言い訳にせず道を切り開こうとしている。
「それで、ヤングイよ。この地のAランクモンスターは、この雷獣と違って、私が乗りこなすに値する猛獣なのだろうな?」
「ええ、もちろんでございます。コゴエ様がご案内なさっている、この地の中央……常に水面が凍結している湖。そこを縄張りとしているはぐれ主、鳥類型Aランク下位モンスター、氷喰い。その荒々しさは保証いたします」
※
この凍結した魔境にも、一応は湖が存在している。
湖面は分厚く凍結しているが、それでも氷を割れば内部には水があり、その中では多くの魚型モンスターが生息している。
当然ながら湖の中にも生態系が存在するが、湖の外にこそ強者はいる。
鵺や氷水牛が乗り込んでも割れない氷を強引に割って、その内部の魚型モンスターを捕え、捕食する獣たち。
当然ながらBランクに相当する、極寒の地の捕食者。
だがそれらは今、頂点ではなくなっている。
凍り付いた湖面を、我が物としている怪物。
繁殖こそしないものの、この地の生態系を著しく脅かす侵略的外来種。
数年前の厳冬によってこの地へ流れ着き、しかし出られなくなり、帰れなくなり……ここへ居着いたはぐれもの。
全身を膨大な羽毛で覆う、その怪鳥の名は氷喰い。
ダチョウやエミュー、ヒクイドリに似た、二足歩行の飛ばない鳥。
英雄ならざる者には倒せぬAランクモンスター、この地において無敵の存在である。
今日も今日とて、同種や天敵に気を配ることなく、安住の地にて好き放題に過ごしている。
そのクチバシは一撃で湖面を破り、さらにその奥の魚を大量に食らい、呑み込んでいく。
本来ならこの地の主であるBランクモンスターたちを文字通り蹴散らしながら、最高のえさ場を独占し、この世の春を満喫していた。
人間の住まう地からあまりにも遠く、また出てくるはずもないモンスター。
人類にとって脅威ではなかったがゆえに排除されなかったこの鳥へ、英雄と英雄の娘が接近していた。
この地の命運は、如何に。
※
その氷喰いが、メズヴの部下になるか、コゴエに殺されるかはまだわからない。
しかし確実に接近しつつあることは事実であり、肩透かしな結果にならないことも確実である。
成功しようが失敗しようが、メズヴは文句を言わないだろう。
成功しても失敗しても、狐太郎は彼女を北笛に戻して終わりである。
だが、さて。
メズヴは少し、気になるところがあった。
「ヤングイよ、お前がいてくれてずいぶんと助かっているが……最後まで同行するのは、案内役としての義務感か? それはそれで結構だが……ずいぶんと楽しそうだな」
「ああ、わかりますか?」
狐太郎と違って、みっちりと防寒具を着ているヤングイ。
もちろん顔も見えにくいのだが、それでも声色から、上機嫌であることが分かる。
「……そうですね、いろいろと理由はあるのですが、私は貴女や狐太郎様の話が面白いこともありますね」
一種の通訳を担当している彼女は、その役割に満足していた。
やはり価値観の違う者同士が、認めあいつつ反目する、というのは面白い。
両方の価値観を知っている彼女だからこそ、どんな差異がどうぶつかり合うのかが面白いのだ。
「それに……こうして狐太郎様の人となりを知ることは、より一層、狐太郎様の抱えている謎へ興味を引き立ててくださいますので」
ヤングイは自ら狐太郎に接触し、狐太郎のことを知りつつあった。
彼が抱えている戦力もさることながら、彼がどんな気性の持ち主なのかも知っていく。
こんな善良で真面目な男が、空論城では悪辣極まる滑稽な喜劇を演出したのだ。
ではアパレに対しては、どんな遊戯をしかけたのだろうか。
狐太郎を知れば知るほど、より一層謎が遠ざかっていく実感がある。
それが、面白い。
「……お前のことは、よくわからんな」
「変わり者と思ってくださって結構ですよ。私自身、自覚もありますので」
(そんな人に気に入られている俺っていったい……いや、今更か)
改めて、狐太郎は状況を単純にしようとする。
つまり自分が成すべきことは……。
「コゴエ、相手は寒冷地に適応している鳥だが、問題ないか?」
「寒さに強くとも、氷柱で貫けば問題ありません。ご安心を」
「そうか……頼もしいよ、コゴエ」
いや、何もするまい。
以前からそうであるように、狐太郎の仕事は見届けることであろう。
同行すること、それ自体に意味と価値がある。
少なくとも狐太郎がここにいることは、決して無駄にはならないのだ。
「サカモ、帰ったら酒をたんまり奢るよ」
『あははは! 今から楽しみですねえ!』
責任者として、現場にいる。
周りに誰がどんな理由でいても関係ない、彼にしかできない仕事であった。




