手が早い
スイコー伯爵の領地、その中にある魔境。
下の上程度の規模であり、Cランクモンスターが多く生息している地帯である。
高山のふもとにあり、春になると大量の雪解け水が流れ込んでくる。
高低差の激しい地形であり、シュバルツバルトにはない断崖絶壁などがそこかしこに存在している。
その崖に穴を掘って生活しているEランクからDランクの鳥型モンスターがたくさんおり、近くの村を拠点とし、その卵を採取して生計を立てている低ランクハンターも多い。
それ故に『卵の棚』とも呼ばれるそこで、Bランク中位モンスターとその飼い主である北笛の女性がいるらしい。
さて、現地のハンターたちは、普段通りに卵捕りができるだろうか。
まずそもそも、魔境に入ることさえためらってしまうだろう。
だがそれは、彼らの収入源が断たれると同時に、食料の生産が滞るということでもある。
たかが卵と侮るなかれ、小さな村では大きな柱として機能していたのだ。
ハンターたちが働けなくなるだけではなく、その卵の卸先である料理店や宿屋なども大打撃を受けていた。
まあそもそも、EランクかDランクのハンターしかいない村で、Bランクのモンスターが出てきた時点で、誰もが逃げ出したくなるだろう。
先日まで戦争をしていた、北笛の人間が一緒にいるとなればなおのことだ。
この村の住人たちが手に負える段階を、大きく超え過ぎている。
領主であるスイコー伯爵の元へ伺いを立てるのは当然だったが……当然ながら、その村の住人たちは、状況を深刻に受け止めていた。
少なくともすぐに解決できることではない。戦前ならともかく、戦争を終えて疲弊している央土では、この重要な問題を解決できるほどの人間をすぐに寄越してくれるわけがないのだ。
さりとて、都合よく別の職など見つかるわけもなし。低ランクのハンターたちは、どうにかなることを期待して、役場で待つことしかできなかった。
もとより低ランクのハンターは、それ自体が『受け皿』である。その受け皿が駄目になれば、彼らはどこにも行けないのだ。
先日の戦争で招集もされないような、素人に毛が生えた程度の男たち。
彼らは腹をすかせたまま、吉報を待って役場にいた。
奇跡を期待して、と言うよりは……当の北笛からの侵入者がどっかに行くのを期待してのことである。
彼らが追い払う必要はない。彼女がどっかに行けばいいのだから、それを待てばいいだけだ。
だがしかし、遊牧民族であるはずが、まったく動こうとしていない。
一体何がどうなっているのやら、そう思っていた時である。
「失礼する!」
とても慌てた様子で、貴族の恰好をした男性が現れた。
もちろんその彼が誰かなど、ハンターたちにはわからない。
わからないが、貴族と言うだけで背筋を正すだけの意味はある。
木っ端ハンターたちなど、貴族に嫌われればそれだけで人生が終わってしまうのだ。
「こ、これはスイコー伯爵様!」
役場の人間たちは、当然スイコー伯爵のことを知っている。
なにせ自分達の上司である、慌てて役場の長が出てきて挨拶をする。
もちろん他の職員も、大慌てで迎えていた。
その反応を見て、ハンターたちも一安心である。
やはり居住まいを正して正解だった。
「私への挨拶はいい! それよりも……」
だがその伯爵本人が、大いに慌てていた。
彼自身が青ざめた顔で、周りの全員へ命令を下す。
「これよりこの役場へ! さるやんごとないお方がいらっしゃる! いいか、絶対に無礼の無いようにな! 場合によっては、この場の人間……いや、この領地の人間、全員の首が飛ぶと思え!」
伯爵といえば、貴族のランクにおいて真ん中である。
その伯爵よりも上がくるというのは、まあありえなくもないことだ。
王族である公爵はないにしても、侯爵がくることはあり得るだろう。
そう思っていた面々は、しかし現れた者たちをみて背筋を凍らせた。
「そんなに脅さなくてもいいですよ。私はただ、話を聞きに来ただけですので」
複数のモンスターと護衛を連れた、小柄な亜人が現れた。
着ている服は異国のものであり、北笛ともまた異なっている。
その姿を見て、役場の人間たちは凍り付いていた。
(ま、まさか……伯爵様、なんという方をお呼びしたのですか……!)
(偽物と言う可能性がないわけでもないが、伯爵様が連れている時点で、本物に間違いない……)
職員たちは、余りの衝撃に挨拶さえ忘れていた。
とても特徴的で、有名人過ぎて、見間違えるなどありえない。
(本当に悪魔を連れてやがる……じゃあアレがブゥ・ルゥとノベル……元とはいえ斉天十二魔将を三人も見ちまうなんて)
(救国の英雄、四冠の狐太郎。あのシュバルツバルトで隊長を務めた、Aランクハンター……!)
やはりハンターたちもまた、己の頂点を見て震える。
田舎のボクシングジムにいきなり世界チャンピオンが現れたようなものだ、
相手が小柄だからと言って、侮る理由などない。そもそも彼ら自身、腕に自信があると言えるほどではないのだ。
矜持も何もないからこそ、かえって抵抗なく格上を受け入れられる。
「……一応言っておきますが、私はいないことになっています。しばらく確認をした後で、退散させていただきますので、お気遣いなく」
もしも狐太郎が、正式にここへ来るとなれば、それこそ大名行列が必要になるだろう。
それをすっ飛ばして現れたのだから、確かにいないことにしておいた方がいい。
だが粗相をすれば、何があっても不思議ではない。
実際に彼の周りには、大悪魔が二体と悪魔の王がいる。
この三体を少し苛立たせるだけで、子々孫々まで呪われかねない。
(西重の大将軍ウンリュウ率いる十万の軍勢を一方的に殲滅し、チタセーが率いる十二万の軍さえも粉砕し、西重という国さえも滅ぼした英雄!)
(確かに伯爵様の治める領地が、吹き飛んでも不思議じゃないぜ……!)
ジローやナタ、ガイセイやホワイトが来ても、同じようにざわついただろう。
だがしかし、狐太郎の場合は更に数段ややこしい。ややこしいということは、関わりたくないということである。
それこそここにいる者たちは、ある意味で普通なのだ。普通だからこそ、危うい相手には何もしない。
関わらない、というのはとても正しい。双方にとって、である。
「やっぱりやめておいた方がよかったんじゃないの? 皆さん迷惑みたいよ?」
「そういうな、クツロ。必要な手間を惜しんで、あとでややこしくなっては意味がない。既にネゴロ十勇士を何人か現場に派遣しているし、焦る必要はないだろう」
「いや、手間と言うか……皆怖がってるじゃない」
「それを差し引いても、確認はするべきだ。周囲に気を使って後で面倒が発展すれば、それこそわけのわからないことになる」
クツロは周囲の反応を見て、やっぱりこうなった、と思っている。どう考えても迷惑だった。
だがコゴエは、迷惑がなんだというのだ、という姿勢である。現地に直接行って、怪しい奴を倒して、それで人違いでした……と言うのはあり得るのだ。
ありえるというか……ありそうなのである。
(俺の人生だからなあ……まあ無駄かもしれないが、一個一個やればいい)
狐太郎自身、ここに来ればこうなると分かっていた。
だがそれでも手順を踏むべきだと判断したのである。
こうしておけば、少なくとも『何やってんだお前』と言われることは避けられる。
何事も、手順が大事なのだ。
「まず……そのBランクモンスターについてから、お伺いしたいのです。絵などがあれば、拝見したいですね」
「承知いたしました! おい、氷水牛の資料を!」
「はい! 直ちにお持ちいたします!」
そして狐太郎の言っていることは、極めてまともだった。
まともだったので、スイコー伯爵はそれに協力する。確かに全然違うモンスターを倒して、北笛の奴は見つかりませんでしたと言って帰られても、後で文句を言えるわけでもないのだ。
ちゃんと確認してもらって、確実に解決してもらったほうがずっといい。
「こ、こちらになります! 我が国にはほとんどいないモンスターなので、絵も簡単なものですが……」
役場の職員が役場の所長に図鑑を渡して、それをさらに伯爵が受け取って狐太郎に見せる。
傍から見ていると滑稽だが、これも必要な手順なのだ。事務的な意味で。
「Bランク中位モンスター、氷水牛……北笛に生息する牛に似たモンスターであり、稀に央土の北部にも姿を現すという。非常に分厚い毛皮を持ち、同ランクの肉食モンスターの爪や牙も通さない……全身を覆う毛はとても硬く太く、防寒着などに加工することはできない、か」
いわゆるモンスター図鑑的なものに描かれているが、一枚のページさえ割かれていない。
たくさんの『よくわかっていないモンスター』が描かれているページの中の一体であり、今狐太郎が読んだだけの文章と、簡単な絵しか描いていない。
しかしとんでもなく長毛で剛毛で、毛皮を被った牛にしか見えない姿は、なるほど特徴的である。
(江戸時代の日本に動物図鑑があったとして……ペンギンの生態が細かく書いてあるわけもないか)
資料がこれしかないことを考えれば、たぶんこれじゃないの、という話は頷ける。
大体これだけ毛が長ければ、生息地は普通に寒冷地帯であろう。北笛から来たことは、ほぼ確実である。
というか、氷水牛というモンスターについては、あまり重要ではないのだ。
問題なのは、もう一件の方である。
「それで……北笛の女性については、何かわかっていることはありますか」
「はい、こちらになります」
そう言って、伯爵は所長から受け取った紙を見せた。
そこには何やら、家紋のようなものが描かれている。
「これが、彼女のかぶっている分厚い帽子に描かれていました。描かれていたと言っても絵ではなく、編んでいるのか刺繍のようなものでしたが……」
「これが、北笛の証明だと?」
「はい。北笛の者は、一族の紋章を帽子に描くといいます。どの一族の者かはわかりませんが……北笛の者であることに間違いはないかと」
「貴人ではないか、ということですが」
「服はほぼ脱いでいましたが、首から豪華な首飾りをしていたそうで……」
伯爵の言葉を聞いて、狐太郎はしばらく黙っていた。
「……服は、ほぼ脱いでいた?」
「ああ、誤解を招くようなことを言ってしまいまして、申し訳ありません。どうにも彼女は、北笛の風土に適した『防寒着』と下着程度しか持っていないらしく、ほぼ脱いで生活をしているようなのです」
「……でも帽子はかぶっていたと」
「はい。北笛の者にとっては、帽子は身分証明書のようなものらしく……」
「そういう文化と言うわけですか」
狐太郎はため息をついた。
大方リァンと変わらぬ、立派なボディの持ち主なのだろう。
だがそれはそれとして、肌着の女性と会うのは狐太郎の倫理観に関わる。
「一応確認しておきますが、その女性と接触した者はいますか?」
「いえ、おりません。彼女の情報については、遠くから見ただけでして……」
「そうですか、では私が直接赴いて確認をしてきます」
Aランクハンター。
大将軍や十二魔将首席にも匹敵する力を持った、英雄の一角である。
大王や公爵だけが認定することを許されており、その認定者の代理としてふるまうことさえ許される。
しかしそれは、絶大な義務を背負うことでもある。
できませんとか、やれませんとか、嫌ですとか、言えない立場なのだ。
他のハンターたちから『もう無理! 手に負えません!』と投げ込まれてきた超高難易度の仕事を、自分で片づけなければならない。
EランクやFランクから押し付けられた仕事ではない、軍の精鋭にも劣らぬBランクハンターから押し付けられる仕事である。
困難の種類にも依るだろうが、Aランクハンターでも面倒に感じる仕事の場合もあるだろう。
それでも、Aランクハンターはやらないといけないのだ。誰よりも優れている人間だからこそ、他の誰も頼れないのである。
それは個人の武力に依らない狐太郎も同じであり、戦う以外のことは全部やらないといけないのである。
「北笛とか……完全に管轄外なんだけどなあ……」
※
さて、卵の棚である。
既にネゴロ十勇士を数人放ち、氷水牛のいる場所は把握していた。
そこに向かっている最中なのだが、肝心の北笛の女性は見つかっていない。
元より数人で魔境の捜索を短時間で済ませる、というのは無理がある。
その氷水牛のところへ行って、帰りを待つべきだろう。
「……一応念のため聞いておくけども、その氷水牛は人に飼われていない、まったく無関係のモンスターであるという可能性は?」
まったく疑心暗鬼になったものである。
狐太郎は自分の足で歩きながら、斥候として放っていたネゴロへ確認をしていた。
「その可能性はありません。北笛については私どもも存じませんが……その牛には鞍がついていましたし……何よりも剃っていました」
「剃っていたって……毛を?」
「はい。どうにも暑さにやられているようで、ずっと雪解け水の流れ込む滝つぼに身を沈めています」
「……そりゃそうだ」
なるほど、遊牧民が長くとどまっている理由が分かった。
雪解け水が流れるこの卵の棚で避暑しつつ、その氷水牛の毛を刈り取って、熱さに備えようとしているのだろう。
氷水牛の毛は硬いということで、難儀しているに違いない。
「人間なら服を脱いで体温調節できるけど、モンスターはそうもいかないもんね」
「そういう貴女達ドラゴンは、寒くても暑くても、乾いていても湿っていても大丈夫じゃない」
「そりゃあね、ドラゴンは最強だし」
ほとんど裸のアカネは、人間と同じように服を着ているクツロへ自慢げである。
実際アカネは、自分で作った溶岩の中で倒れても、コゴエの吹雪の中でも平気である。
そのあたり、変温動物のトカゲとはわけが違うのだ。
「でも、北笛から遠く離れたところまできて、わざわざ手作業で毛を刈るなんてね。相当行き当たりばったりで、負けん気が強いわよ」
「計画性がない上で、引き返す気がないということだからな。自分の判断でここに来たのは当然のこと、何か目的があるのだろう」
ササゲはやや笑っているが、言っていることはろくでもない。
その一方でコゴエは真顔である。しかしやはり彼女も、言っていることはろくでもなかった。
「目的ねえ……どうせろくなもんじゃないんだろうなあ……」
狐太郎は、ふと鵺のサカモを見た。
現在彼女は、人型になりつつ、しかし分裂はしていない。
非戦闘員ではあるが、狐太郎の乗騎でもある。
(遊牧民族からすれば、俺は失格なんだろうなあ)
狐太郎もバカではない、異なる価値観の相手から嫌われることも理解している。
鵺に乗せられているだけ、赤ん坊のようにおんぶされているだけ。
そんな狐太郎を、認めることはないだろう。それこそ、ケイのように。
(ぶっちゃけぶっ殺したいところではあるが……それを言うのもなあ)
人の死は軽くない。
先日の戦争で多くの人が死んだからこそ、狐太郎は無用な死に忌避感があった。
少なくとも積極的に殺したくはない。
これは誰かに好かれたいがためではなく、己の為である。
「どうしたの、ご主人様。まさかもう疲れて、サカモに乗りたくなったとか?」
「ん、いや、流石にそんなことはねえよ。ただ……」
微妙に嫉妬しているアカネに対して、狐太郎は思ったことをそのままいった。
「お前に乗れるぐらいじゃないと、遊牧民族は俺のことを認めてくれないだろうなってな」
「……遊牧民族なら、私に乗れると思うの?」
「まあ……俺よりは可能性があるんじゃないか?」
アカネは乗騎として最悪である。
自分が気持ちよく走ることを優先して、乗り手の負担を考えないのだ。
むしろ彼女は、自分が気持ちよく走って、同じように狐太郎にも楽しく感じて欲しい、と願っている節がある。
だがそんな彼女にも、遊牧民族なら乗れるかもしれない。
「それはないよ!」
「そうか?」
「私の背に乗るのに必要なのは、フィジカルとかテクニックじゃないよ!」
そう言って彼女は、その竜の足で軽やかに崖を登っていく。
わずかに角度があるとはいえ、断崖絶壁である。
それを軽やかに上るのは、ただ足が速いだけではない。
ドラゴンの下半身の、その走破性によるものだろう。
「私が好きだって思うことだから!」
(違うぞ)
アカネは結構いいことを言っていた。
だが狐太郎は全否定していた。
アカネに乗るのに必要なのは、フィジカルとテクニックである。
彼女が好きかどうかは、そんなに重要ではない。
「だから私に乗れるのは、ご主人様だけだよ!」
「いやあ……無理だろう」
さて、一時的に一団から離れたアカネである。
当然だが狐太郎の護衛達は、まるで彼女を心配していない。
ブゥもノベルもネゴロ十勇士も侯爵家の四人もピンインもキョウショウ族も、ましてや他の魔王も。
アカネを一々守ろうとは思わなかった。
「その、ご主人様とやら……私が成ってやろう!」
その時であった。
崖の上から、半裸の女性が飛び降りて、アカネの背に乗ったのである。
「え、え?!」
「フィジカルとテクニックでは乗れないといったな? 確かめてやろう!」
いきなり背中に張り付かれたアカネは、跳びはねながら振り落とそうとする。
ただでさえ乗っている人間を振り落とすアカネが、意図して振り落とそうとするのだから、相当な揺れぶりだった。
アカネは崖に無理やり立っていたので、今にも彼女は落ちそうである。
「ちょ、ちょっと! 降りてよ!」
「ははは! 気に入ったぞ! お前はなかなかのじゃじゃ馬だな……私の獣になれ!」
必死で振り落とそうとするアカネは、一気に飛び降りて狐太郎たちと同じ高さに戻る。
もしも狐太郎が乗っていれば、落下の衝撃で骨が砕けていただろう。
それほどの衝撃にも、彼女はあっさりと耐えていた。
「こ、この、本当に降りてよ!」
「北笛の女が、この程度で落とされるものか! まして私はキョウドの女、絶対に振り落とされることはない!」
本当に、ロデオであった。
手綱も鞍も鐙もないのに、彼女はアカネの背から振り落とされずにいる。
それは正に、フィジカルとテクニックの合わせ技だった。
「降りなさい」
だが後ろからクツロが殴ったら、流石に落ちた。
ごろごろと地面に転がって、頭を抑えている。
絵面からすると、本当に間抜けである。
「ありがと、クツロ」
「別にいいわよ……それにしても、いきなりまたがるなんて失礼ねえ、貴方が女でもセクハラになりそうよ」
礼をいうアカネを見ようともせず、クツロは頭を押さえている女性を見下していた。
それに対して、殴られた女性は抗議をする。
「き、貴様……乗騎を認めさせようとする者を、後ろから叩くとは……礼儀がないのはお前の方だ!」
「ああそう、じゃあそれでいいわよ」
容赦のない追撃。
クツロの長く太い脚が、鞭のようにしなりながら女性の側頭部を打っていた。
それによって今度こそ、彼女は気を失う。
「がっ……」
「泥棒の礼儀なんて、知ったことじゃないわ」
ふう、とため息をつくクツロ。
それを見て狐太郎は……。
(まさか、死んでないよな……)
何も判明しないまま、部下が自主的に殺すとは思っていなかった。




