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ラスボス

 双方ともに犠牲を出しながら、さらに膨大な犠牲を出すことを覚悟しながら戦っている。

 しかし別に、犠牲を出すことが目的ではない。むしろ大きな犠牲を避けるために、小さな犠牲を出しながら戦っているのである。


 双方の陣営には、それぞれ無体ともいえる『手札』がある。

 やはり同等の手札をぶつける以外では解決できない、戦局を一変しうる札である。

 それが、敵の陣営のどこに潜んでいるのかわからない。相手が何時それを切ってくるのかわからない。


 だからこそ、自分の手札を切ることを躊躇する。

 そして自分が手札を切るときは、できるだけ多くの手札を引き出したい。

 そうして相手の手札を枯渇させてから、自分の札をぶつけたいのだ。


 だからこそ、昏の出陣によって切られた札が、一枚なのか二枚なのか。

 それは次の展開へ、多くの影響を与える。



 その女性が出てきたことを見て、昏の隊長であるスザクは、まず引きつった笑いを浮かべて慄いた。

 いきなり、自分たちの知らない敵の登場である。ただでさえギリギリの戦局が、さらに悪化したことを感じ取る。


(笑うしかないな……いきなり私が『想定外の戦力』に遭遇するとは。できれば当代きってのスロット使いと名高い、シャインを切ってほしかったが……)


 ドラゴンの群れに交じる、強大な力を持ったモンスター。

 心なしか自分達と似ている雰囲気をもつ彼女は、膨大な力を垂れ流しにしながら近づいてくる。


(ま、仕方ない。これだけの戦力が隠れているよりはましだな)


 スザクは一瞬で切り替えた。

 当然想定されていたことが起きただけだ、脅威ではあるが驚くには値しない。


 そう、このタイミングまでは。


「……わ、私はやるべきことを!」


 ドラミングゴリラを元にした戦士が、自陣営を強化するべくドラミングを行う。

 それによって、ただでさえ強化されている昏が大幅に強化された。


「私だって……!」


 Bランク上位モンスター、クマゼミクジラ。

 それをもとにしている戦士が、ドラゴンを含めて音波をぶつける。

 それによって、現れた女性を含めて敵全体の動きを一時的に鈍らせる。


 自陣営を強化しつつ、敵陣営を弱体化させる。

 定石、という他ない。


 だが、だから失敗する。


「コユウ技、アルティメットレゾナンス」


 定石通りの戦いは、このモンスターの前で、絶対にやってはいけないことなのだ。


「う、ううあああああああ?!」

「きゃああああ?!」

「お、おい! なんで私たちにまで音をあててるんだよ!」

「ち、違うわ……もう音を止めているのに……なんで?!」


 彼女たちが気付いたのは、自分たちにクマゼミクジラの音がぶつかってきたことだ。

 強化されたのである程度は耐えられるが、それでも弱体化がかかってしまった。

 それも一時であるはずの効果が、継続して続いてしまっている。


「ま、まさかこの効果は……! そんな、まずい!」


 スザクは相手の正体を見抜いたが、しかし既に遅かった。


「コユウ技、レゾナンスインパクト!」


 先ほどまでよりも、さらに強化された女性が殴り掛かってくる。

 強化や弱体化のかかった相手へ、特効をもつ単体攻撃。

 それがよりにもよって、Bランクのモンスターへ襲い掛かる。


「させません!」

「あら……そういえば貴女がいたわね」


 しかし、それはなんとか防がれた。

 副隊長のミゼットが、絶対防御を誇る貝殻で受け止めたのである。

 そして受けられたことに対して、彼女はさほど驚かない。


 堅牢極まる貝殻を攻撃したことによって、逆に拳が痛んでいる。

 だがしかし、それさえも一瞬で回復してしまう。


「……なるほど、貴女は究極のモンスターですね」


 コンウ技の発動によって、ドラゴンたちを圧倒するはずだった。

 しかしドラゴンたちに紛れていた究極のモンスターによって、それがあっさりと覆った。

 その上、その後の行動も最悪である。


「みんな、よく聞いて! 自分を強化する技や、敵を弱くする技を使っちゃいけないわ! このモンスターは、それを永続化して跳ね返す! 治療するか無効化するまで、ずっとそのままになってしまうの!」


「何ですかソレ?!」

「意味わかんない?!」


「とにかくそういうものなの! 弱体化も強化も……やればやるほどドツボにはまるだけ……!」


 もう遅いと分かっているが、スザクは相手の能力を全体へ教えていた。

 確かに改めて説明すると本当に無茶苦茶である。だがそれが究極のモンスターだ。

 まさか遭遇するとは思っていなかっただけに、スザクも慄いている。


「あらあら、私に詳しいわね、不死鳥さん」

「貴女に詳しいというより、歴代の英雄のファンでして……まさか三人目の英雄に敗れた新人類だけではなく、二人目の英雄に倒された貴女までいらっしゃるとは……」

「前回の戦争では、そんなに活躍できなかったのよ」

「酷い話だ……笑ってしまいますよ」


 談笑して終わらせたい、と思っても、しかし彼女の背後には『イケる!』と思って盛り上がっている賢いドラゴンたちがいた。

 相性が最悪ではあるが、こうなっては当初の予定通り戦う他ない。


「この女性の相手は、私とミゼットでやるわ! 他のAランク隊員は、竜王陛下とクラウドラインの相手を! 残ったBランクの隊員三十体で、Aランク下位を抑えて!」


 迅速で適切な指示ではあった。

 だがそれを聞いた時、各隊員は思わず顔をこわばらせる。

 想定外の戦力である究極のモンスターに、最大戦力である二人を持っていかれたのだ。

 本来はスザクとミゼットで竜王を抑えるはずだったのだが、その予定が完全に狂ってしまった。

 だがそれでも、確かにそうするしかない。一度攻撃を受けたミゼットは、その指示が正しいと判断していた。


「隊長の指示に従いなさい!」

「了解!」

「なんでミゼットちゃんの指示に従うのかしら……」

「普段の行いが悪いからですよ……指示は適切です」


 最強戦力である、Aランク上位モンスターを元にした、隊長と副隊長。

 戴冠した竜王でさえも押し込める自信を持つ二人は、しかし緊張した表情で究極と向き合っていた。


「で、隊長。究極のモンスターとは一体?」

「二人目の英雄が倒したという、人間の作ったモンスターだ。あとで詳しく話すけど……とにかく倒せると思わないほうがいい。特にこの状況だと、私の天敵だわ」

「……戦い方とかは?」

「もう普通に戦うしかない。ただ、倒せないから足止めに専念する」

「消極的ですね」

「仕方ないでしょ」


 スザクも本音を言えば、帰るかして仕切り直したい気分だ。

 初手を大いに失敗したので、もう苦戦しかない。

 

「作戦会議は終わったかしら……!」


 ごう、と凄まじい力があふれ出している。

 それは最強種の力を継いでいる二人をして、震撼するほどのオーラだ。


 物腰は穏やかな彼女だが、しかしその表情は傲慢なほどに調子に乗っている。

 おそらく彼女の人生で、こうも上手くはまったのは初めてなのだろう。


「コユウ技、レゾナンスインパクト!」


 もはや特効がどうとかではない。最強種の持つ力を、今の彼女は完全に上回っている。

 英雄の域にさえ達している破壊力で、スザクの胴体を完全に吹き飛ばしていた。


「痛くない、わけじゃないんだけど!」


 しかし、胴体が吹き飛んだぐらいで、不死鳥は死なない。

 炎の翼の残滓で、炎を吹き荒れさせる。


「あら……!」

 

 如何に防御力が上がっているとはいえ、無傷では済まない。

 燃え盛るフェニックスの翼が、究極のモンスターを焼いていた。


 無傷では済まない、と言っても大したダメージではない。

 一瞬動きがとまった、それだけである。


「そこ!」


 その隙を、ミゼットは逃がさない。

 膨大な水を噴射しながら、腕の貝殻を突き込む。


「!」


 普段の究極ならば、当たればただでは済まない一撃だった。

 強化されている今でも、それなりには効いていた。


 横腹に食らった彼女は、その部位を抑えてうずくまる。

 渾身の一撃をあてたはずが、その程度。ミゼットは思わず顔をしかめた。


(相手が強化されているだけじゃないわ、私自身が弱くなってる……あの音波による弱体化が、持続しているのね……!)


 忌々しい話だった。

 こうして戦っている間も、風邪でも引いたように体が揺れている。

 戦えない程ではないが、全力には程遠い。


(せっかくのコンウ技が……?!)


 そう思っていると、何の冗談か究極は平然と立ち上がった。

 まるで不死鳥のように、ダメージが完全に回復している。


「凄いわね、一瞬で治るなんて……」


 治った本人も驚いている。

 どうやら彼女としても、驚きの結果のようだ。


「ま、まるで隊長みたいに……!」


 再生能力を持つモンスターは数多い。

 だが、不死鳥ほどの再生能力を持つものなど、それこそAランク上位の中にもいないはずだった。


「……私みたいじゃないわ、そのまま私なのよ」


 胴体が吹き飛んだにも関わらず、既に復元しきったスザク。

 彼女は慄いているミゼットの隣に来て、状況を説明する。


「知っての通り、私はどんな傷を受けても復帰するわ。特定の倒し方をしない限りね……でもそのお人は、相手が再生すると、それさえコピーしてしまうのよ」

「……つまり、隊長が足を引っ張っていると」

「……ねえ、もうちょっと言い方があるんじゃないかしら」


 要するに、スザクが回復し続ける限り、究極のモンスターも回復し続けるのである。

 どれだけダメージを負ったとしても、スザクを殴れば究極も回復してしまうのだ。


「それに、コンウ技は体力回復の効果も有るでしょう。それもコピーしているから、私が下がっても意味がないわ」

「微々たるもののはずでは?」

「全員分ならどうなのかしらね」

「……反則過ぎる」


 敵が多ければ多いほど、まともに連携をするほど、定石どおりに戦えば戦うほど。

 どんどんドツボにはまっていく、まさに最強のラスボスであろう。


「そうでもないわよ……正直これだけ強くなっているから、二人まとめて片づけるつもりだったけど……!」


 究極もまた、困っていた。

 なにせ相手はAランク上位モンスター、もっとも死ににくい生物である。

 

(私が再生するとはいえ、不死鳥も再生する。それにどれだけ攻撃力が上がって、どれだけ特効が乗っても、ノットブレイカーの貝殻は壊せない。アレを壊すには貫通形態にならないと駄目なのよね……)


 一対一なら、すぐにでも倒せるだろう。

 だが二対一では、どうしても『倒し方』を実践できない。


(知性があって連携する、不死身のモンスター……厄介ね)


 自分のことを棚に上げて、究極は内心で愚痴を言う。

 しかしながら、まったく負ける気はしなかった。そして実際、負ける要素などなかった。

 圧倒的に不利なのは、昏の二人である。素の力はともかく、この状況では能力値に差が出過ぎている。

 死なないだけでは、勝ち目などない。


(逆に言えば、私がこの子たちを抑えている限り、アカネちゃんたちが負けることはないわ)


 しかしそれは、スザクにも言えることだ。


(究極のモンスター……彼女を他の戦場に行かせるわけにはいかないわね……私たちとは相性が悪いけど、それを抜きにしても軍にとっては脅威となる上に、英雄でも倒せない)


 不死身の体を活かして、食らいついて彼女という札を食い止める。

 それが友軍である西重への責務だった。


「究極のモンスター……貴女とはいろいろと話したいことがあるのだけど……私も英雄からここを任されているのよ。痛くても、食らいつかせてもらうわ」

「……そう、貴女も真剣なのね」



 西重と央土。

 本軍同士の戦いは、やはり西重に傾きつつあった。

 第三軍の将軍、リゥイ。彼に匹敵する強者が、戦場に散っているのである。

 突破力は発揮できないが、その分全体としての圧が強い。


「央土軍など、この程度だ! 全員崩れず、私について来い!」

「おおお! 隊長に続け! 央土軍を蹴散らせ!」

「王都を守っていた奴らに比べれば、雑兵みたいなもんだ!」


 信頼する隊長が、すぐ傍に居る。

 目の前の敵兵を、率先して蹴散らしていく、陣形を破っていく。

 それを間近で見れば、士気は大いに上がる。最前線のいたるところで、それが起きている。


 これで央土が有利になるなど、到底あり得ないことだ。


「う、うう……ち、ちくしょう! 西重なんて、大したことないんじゃなかったのかよ!」

「もうやってられねえ、俺は逃げる!」


 膨大な味方がいる状況で、最前線に立つ。

 その上、相手はやたらと強い。それで士気が下がるのは当たり前だ。

 央土の前線は、崩壊の危機にあった。


「待て、逃げるな! 敵前逃亡は死刑だぞ、この戦いには国家の存亡がかかっているのだ!」

「だからなんだ! 戦ったって死ぬだけだろうが!」


 この世には、囮にされたり、壁にされたり、捨て駒にされて恨みを持つ主人公の物語が多くある。

 しかしそれは、戦場において当然のように存在するものだ。誰でも最前線にいれば、逃げ出したくもなる。

 国家の為と言われても、一兵士がやる気になるわけがない。ましてや多くの仲間がいるのなら、自分が逃げてもいいと思うはずだ。


 そして、自分だけではなく多くの仲間が逃げれば。

 それは戦線の崩壊を意味する。


(ちくしょう……そろそろ俺が前に出るんだ……いやだ、もう逃げちまおう)

(皆と一緒に逃げればいい、それなら俺が逃げたってわからない!)

(何が斉天十二魔将だ、何が将軍だ、俺達のことなんか助けてくれないだろうが!)


 到底、咎められるものではない。

 誰だって命は惜しい、殺されたくなどない。

 ましてや相手が強大なら、どうやったって戦う気など失せる。


 戦場における、負けの前兆。

 軍隊の崩壊、逃走の始まりである。


 そうなれば、どれだけ残っていても意味がない。

 あとは無防備になった背中を、敵に叩かれて終わりである。


 だが当然ながら、それはわかり切っていることだ。

 将軍たちは、既に札を晒している。


「すすめ、すすめ……?!」


 進軍する西重兵たち。

 彼らの周囲に、白い煙が立ち込めてきた。

 特に異臭はないのだが、視界はまったくもって遮られている。


「な、なんだ、クリエイト技か?! それとも火計か?!」

「クリエイト使いが近くにいるのか?!」

「落ち着け! ただの煙だ! こんなもの、目くらましにすぎん! まずは防御を整えろ! 周囲の仲間を確認しろ!」


 その時である。

 視界が遮られている状況で、荒々しい音楽が聞こえてきた。

 戦場での鼓舞に、音楽が使われることはある。

 しかしまさか、最前線で響くとは。いったいどれだけ果敢な楽士たちなのだろうか。


 そんな考えが、西重だけではなく、央土にもよぎった。



「ショクギョウ技、忍法煙玉の術」

「ショクギョウ技、侵略すること火の如し」



 相手の視界を奪い、行動を封じる妨害技。

 周囲の味方全体の、攻撃力を上げる支援技。


 それらが同時に発動し、次に起きることは何か。


「ショクギョウ技、クリティカルスラッシュ」


 煙が晴れたその時、圧倒的優勢を誇っていた西重軍は既に地面に倒れていた。

 黄金世代が率いる部隊が、一瞬で全滅していたのである。


 その屍の上には、央土の部隊が立っていた。

 斉天の旗を掲げる、精強なる近衛兵たちである。


「斉天十二魔将六席、原石麒麟。部隊を率い、救援に参りました」


 その姿を見て、煙玉の範囲にいなかった西重達が怯む。

 それに対して、央土の軍勢は逃走を止めていた。音楽を聴いているだけで、勇気が湧いてくる。力がみなぎってくる。


「さあ……ここから一気に巻き返しますよ!」


 亜人の近衛兵が、号令を発する。

 そうなった瞬間、周辺の西重軍が逆に逃走を始めた。


「ま、待て! 逃げるな!」


 今度は、西重の隊長たちが静止する番だった。

 だが当然、斉天十二魔将とその部隊を前に、対抗する気力などない。

 ましてやその部隊の背後に、勢いを取り戻した央土の大軍がいればなおのことに。


「く、ぞ、雑兵など……!」


 そして黄金世代の隊長たちも、バフをかけられた兵が殺到してくれば、到底抗えるものではない。

 勢いに呑まれてしまうのは、彼らも同じ。英雄ならざる彼らは、数の力には無力であった。


「皆さん、聞いてください。私たちは、また別の戦線へ向かいます。他の箇所でも、救援を求めている人が大勢おりますので!」


 原石麒麟は、獅子子や蝶花、抜山隊を率いて戦線を横断していた。

 元より彼は、普通に強い。その普通に強い彼が、右腕と左腕である蝶花と獅子子を連れ、抜山隊まで率いていれば。

 崩壊しかけた前線を逆に押し返すなど、朝飯前のことだった。


「ですが、ここがまた劣勢になれば、必ず助けに来ます! どうか最後まで戦ってください!」


 圧倒的強者、妨害とデバフ、広範囲の強化、精強な兵士たち。

 極めてまとまった、高レベルの遊軍だった。彼らがいる限り、央土の前線は崩壊しえない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 究極のモンスターは対強敵のちゃぶ台返しとして 麒麟達はチート級の諜報、超広範囲の扇動や強化、格下には負けない強者、という軍において最高の一団として ラスボスらしく最高に強いですね
[一言] イカは不死鳥倒せるみたいだし水の中なら復活できないとかなのかな
[良い点] カセイ防衛戦とか東方戦線でもそうでしたが、士気の重要性が描かれると戦争って感じがしますね 全員が全員真面目に死ぬまで戦うなんてまずあり得ませんからね(例外:討伐隊) [気になる点] フェニ…
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