新要素
さて、この世界、この時代の話である。
人間が種族として貧弱になり続けていることはご存知の通り。もはや狐太郎が標準であり、兎太郎も同様である。
ではモンスターはどうか。
潜在能力としては、極めて高い。加えて各種の教育機関も充実している。
各自治区では『シュゾク技』を教えていて、店に行けば『キョウツウ技』を購入でき、教習所へ行けば『ショクギョウ技』を習得でき、運動場に行けば練習ができる。
流石に『キンセイ技』はその限りではないが、真面目に頑張ればBランク中位程度のモンスターには成れるのだ。もちろん、よほど頑張ればBランク上位も夢ではない。
しかし、それは現在日本で言うところの『誰でも銃剣道を習える』とか『誰でも猟銃の免許をとれる』という話である。
わざわざ習う必要があるか、と言えば流石にその限りではない。というよりも、強制されているわけではないので、大抵のモンスターは弱い。
シュゾク技に関しても現在日本で言うところの、『みんなが柔道を学校で習った』というレベルである。
例外と言えば、完成品であり均一な性能を良しとしている人造種か(狗太郎の仲間)、あるいは魔王時代から生きている天使や悪魔などの長命種であろう(狼太郎本人とその仲間、猫太郎の仲間)。
あるいは、違法製造されたモンスターも、公的な人造種と区別するべきなので数に入れるべきかもしれない(馬太郎の仲間)。
ともあれ、この時代においてモンスターさえも強さは趣味の域。
一部のスポーツマン以外は、人間に飼いならされた猛獣同様に、野生を忘れて文明に浸っている。
ほとんどのモンスターは、平和ボケによって弱っている。
「ぎゃあああああ!」
しかるに、この月面基地での『幽霊』との遭遇は、見た目通りに大ピンチであった。
一般人が同じ人間の殺人鬼を恐れるように、モンスターたちも(そもそも種類が違うのだが)モンスターを恐れるのだ。
「逃げろ~~!」
全員、迷わず逃げた。
幸いと言っていいか、壁を抜けて部屋へ入ってきた幽霊たちは、通路をふさいでいなかった。
一行は大慌てで部屋から飛び出す。
それを幽霊は壁を通り抜けながら追いかけてくるのだが、そもそも遅かった。
だがこの閉鎖空間で壁を抜けて追いかけてくる殺人鬼は、まさにデスエンカウントである。
「お、お、お前ら! 一応聞くけど魔法使えるか?!」
相手は幽霊。壁を抜けているところから見ても、武器攻撃や格闘攻撃などの物理攻撃は無効である。
「無理です~~!」
ムイメ、ハーピー。
「無理無理!」
キクフ、ワードッグ。
「無理を言わないで~~!」
ハチク、ミノタウロス。
「私たちの種族を考えてよ~~!」
イツケ、オーク。
見事に全員物理種族であった。
「ご主人様は?!」
「俺は人間だぞ! 先祖返りでもない!」
そして人間、兎太郎。
「マジックアイテムはないんですか?!」
「攻撃系なんて、市販されてるわけないだろうが!」
全員見事に魔法が使えない。
これでは、窮鼠猫を噛むも実現不能であった。
「魔法攻撃を軽減するのはあるが、倒すのは無理だ!」
もう幽霊が見えなくなっているが、全員ダッシュで逃げている。
なにせ相手は壁から出てくるかもしれないのだ、動いていないと怖くて仕方ない。
相手に戦術を考える脳みそがあるとも思えないが、しかしこちらには攻撃手段も逃走手段も通信手段もない。
何時か疲れて、取り憑かれて殺されるだろう。
「ちくしょう! なんで月面基地に幽霊なんているんだよ!」
「な、なんとかできませんか?!」
「そうよ、なんとかしなさいよ、映画馬鹿!」
「お願い~~! もう疲れてきたわ~~!」
「き、基地の内部は地球と同じ重力だから……体が重いわ!」
マラソンランナーでもあるまいし、長く走れば力尽きる道理。
運動不足気味のハチクは、既に息も絶え絶えであった。
「……ん~~! よし! 仕方ない……全員一回止まれ!」
兎太郎は、一瞬後ろを見た。
壁や天井を抜けてくる可能性もあるので安心できないが、このまま走っていてもドツボである。
彼の静止を聞いて、全員がとまって、息継ぎを始めた。
「ひぃ~~ふぅ~~……」
「大丈夫、ハチク?」
ミノタウロスゆえに誰よりも大きいハチクを、イツケが気遣っていた。
その一方で、兎太郎はパンフレットをあさる。
「ええっと……確かここには……」
月面基地のマップを確認する。
そこには見学予定だった、多くの施設への説明が書かれていた。
しかし、それは些事である。重要なことは、侵入禁止の場所であった。
「なに探してるのよ。なんかアテでもあるの?」
「別のワープポイントとかあるんですか?」
「んなもんねえよ。ただ……ここが元は軍事施設だったことは知ってるよな。もしかしたら、幽霊にも有効な武器があるかもしれないと思ってな」
立ち入り禁止の区域へ入るのは、完全に違法行為である。
ましてや軍事施設の武器、兵器をあさるのである。重罪も甚だしい。
民事ではなく刑事罰を食らい、牢獄送りになってしまうだろう。
そんなことはムイメとキクフ、兎太郎もわかっている。
だが今何もしなければ確実に死ぬのだ、逮捕を恐れている場合ではない。
「えっと……えっと……よし、ここだ! 研究区画がある! 何かあるかもしれない!」
「じゃあ行きましょう! 全力ダッシュで!」
「そうそう! 急がないと! ね、イツケ、ハチク!」
軽量級の三人は、まだ余裕があった。
なので今すぐに走ろうとするが……。
「ぜえ……ぜぇ……」
「ふぅ……ふぅ……」
重量級の二人はへばっていた。
おそらく、しばらく走れまい。
「……歩いていくか」
「さんせ~い」
※
かくて一行は、泥棒のようにおっかなびっくり、周囲を見ながらおっかなびっくり歩いていく。
今のところ幽霊は影も見えないのだが、幽霊に影があるわけもない。いつ現れても不思議ではない、という恐怖が確かにあった。
「現在地はここだから……よし、このまま……」
幸い、月面基地は軍事施設である。
各通路には名前があり、それぞれでかでかと通路名が書かれていた。
D-1とかE -3とか、それこそ京都のようになっている。
それを頼りに進めば、さほど迷うことはない。
少なくとも一番重要な、現在位置はすぐにわかるのだ。
「あの……いいですか? 私も地図を見ていたんですけど……もしかして、ここに逃げればいいんじゃないですか?」
周囲を見ることも怖くなってきたムイメは、いつの間にか自分もパンフレットを見ていた。
そのマップの中に、離れた施設があったのだ。
つまり月面基地の別棟があったのだ。
幽霊が宇宙空間に出られるのかはともかく、少なくとも距離を取ることはできるだろう。
「……お前、学校通ってたのか?」
兎太郎にだけは言われたくないことに、常識を疑われてしまった。
流石にほほを引くつかせるムイメだが、他の三体もそれを知っているようだった。
「ああ、そこ? 無理でしょ、絶対無理」
「多分、そこには入れないわ……」
「ええ、ここの中でどうにかしないと」
どうやら本当に一般教養の範囲で、そこに行くことはできないらしい。
顔を赤くしたムイメは、恥じらいながら黙った。
「さて……ここだな」
通路の突き当りに、大きめのドアが見えた。
そのドアへ行く前の交差点には、厳重に侵入禁止の看板があった。
やはり『内部へ入れば刑事罰を受けます』と書かれているが、むしろ刑務所に入りたいぐらいなので全員が意を決して看板の横を通っていく。
けたたましいブザーや警告の音声が流れるが、流石に電流が流れたり、毒ガスが流れてくることはなかった。
ムイメがみつけた別棟と違って、近づけば死ぬ、というわけではないようである。
「うるさいですけど……幽霊が来ませんかね?」
「耳があるわけじゃないんだし、平気じゃない?」
「それを言ったら、目もないと思うのだけど……」
「とにかく、急ぎましょう」
「当たり前だ、ちょっと待ってろ」
カードの読み取りと暗証番号を打ち込むタイプのオートロックであった。
もちろんカードも暗証番号もわからないが、千年以上昔のセキュリティである。
兎太郎が持っている、ジョークグッズのマジックアイテムでも、簡単に開錠できた。
ガチャリと開き、そしてやはり警告音や警報音が響く。
もう実刑は免れないが、それでも全員、死ぬのが怖くて中へ入った。
もうすでに誰も入っていないので、空気もどこか淀んでいる。
中古を通り越してアンティークの域に入った計器やモニターなどが並ぶが……やはり、武器らしいものは置いていなかった。
「キンセイ兵器でもあればよかったんだが……」
「キンセイ技って、基地の中で使って大丈夫なんですかね……」
月面の実験施設、それも太古の昔のものである。
今よりずっと倫理観が低く、どれだけ恐ろしい武器があっても不思議ではない。
中には相手の魂さえ滅ぼすカセイ兵器のひな型、などがあるかもしれなかった。あるといいなあ、と思わずにいられない。
「……一応聞くけどさ、キンセイ武器があったらわかるの?」
「分かるもんがあることを祈るしかねえな」
月面まで来て幽霊に襲われて、やることは神頼み。
やはり人類は、大して成長していないのかもしれない。
しかし太古の研究者たちは、それこそ先祖であろう。
彼らに祈るのは、さほど不自然でもない。
「完成品は、たぶんケースの中だな……」
幸いと言っていいのか、ここは武器庫ではない。
もしも武器庫ならば、それこそ素人がすぐ使えないようにされているだろう。
だがここは実験施設。量産品ではなく試作品であろうから、逆に使えるままになっている可能性が高かった。
次の瞬間、幽霊が現れても不思議ではない。
その緊張感の中で、一行は祈りながら実験施設を奥へと進む。
そして、その最奥に一つの『銃』を見つけた。
「……おい、マジか」
兎太郎は、それを知っていた。
戦時中に作られた、非人道的な兵器。ネタにされていた、暗黒の兵器。
好事家向けの専門誌に書かれていた、現物、試作品を見つけてしまったのだ。
「……本物か」
「そ、それって?! それってなんですか?!」
「なに、キンセイ兵器?!」
「幽霊にも効くんですか?」
「見たところ銃だけど……どうなの?」
兎太郎は一種の感動を覚えながら、それをいじった。
幸い認証機能などはなく、しかも勝利歴の武器だからか、今すぐにでも使える状態だった。
試作品であるにもかかわらず、恐るべき恒常性である。
「……ヤバいもんだ」
戦時中には、思わぬ技術が作られるものである。
それこそ、口に出すことも許されない、知っていても名前を出せない兵器が、それを使った作戦があったのだ。
これも、その一つ。
歴史の闇であり、だからこそ有名で、しかしモンスターたちに話したくない人間の罪であった。
「……これなら、行けるか?」
オートマチック式の拳銃に似たそれの傍には、カートリッジらしきものがいくつかあった。
それを確かめる兎太郎は、光明を見た。闇の中の光明、ではあったが。
「うし……皆、コレがあればなんとかなるかもしれない。非人道的な兵器だが……幽霊にも効果が期待できる!」
非人道的な兵器、というのは本当に非人道的なのだろう。
兎太郎が言うと、脅しでもなんでもないのだと、彼女たちでもわかってしまう。
だがそれどころではない。幽霊に殺されるよりは、非人道的な手段の方がマシだった。
「よかった、これでたすかるかも……?!」
安堵しかけた、キクフの背筋が震えた。
彼女は先ほど感じた、幽霊の予兆がまた来たのである。
「き、来た!」
既に役目を終えている月面基地の、その実験区画。
その内部で、現代のモンスターと人間が、幽霊と対峙する。
相手はドクロめいた形をもつ、伸縮する不定な煙が如き存在。
余りにもおぞましい、見るからに生者を呪う怨霊。
天使でもいればあっさり倒せるはずだが、この場の面々に打つ手はなかった。
つい、先ほどまでは。
「……よし、使うぞ、みんな!」
カートリッジの中身を再確認して、兎太郎は銃を構えた。
それに合わせて、四体は身をかがめて、脇に逃げる。
果たして人類の叡智は、如何なる凶弾を発射するのか。
幽霊にさえ通じる弾丸とは、どれだけ恐ろしいのか。
そう思ってかがんでいるのだが、幽霊のおぞましい叫びだけが聞こえていて、一向に発射音がない。
まさか不発なのか、そう思っていると……。
「え?」
「は?」
「なんで……」
「嘘?!」
兎太郎は、四体に向けて銃を構えていた。
「携帯改造装置、後天的融合投射機!」
さて、もう一度言おう。
この場に天使がいれば、天使のシュゾク技をもってすれば、あっさりと幽霊を撃退できる。
しかしこの場に天使はいない。
であれば、どうすればいいのか。
「情報装填、融合変身!」
天使を作る、天使のキメラを生み出すのだ。
「後天キメラ、+エンジェル!」
※
モンスターパラダイス2、エンディング後。
「キメラ技というものがある。それを彼女たちに使うことで、日常生活を送れるようにするよ」
「キメラ技……キメラって、あの融合獣か?」
「そうさ、おとぎ話のね」
生活に支障をきたす、違法モンスターたち。
その改善を求めて、二人目の英雄は封印知性と話をしていた。
「これ以上ごちゃごちゃ追加したら、それこそ悲惨じゃないか?」
「そうでもない。キメラと言っても、君が想像しているような……ライオンの胴体から蛇や山羊が生えているようなのじゃないんだよ」
キメラ。
複数の動物を混ぜ合わせた、実在しないはずのモンスター。
その名前を冠する技術など、ろくなものではない。
「どちらかと言えば、ミックス、雑種を作るようなものだ。作る、というか……雑種にする、という感じかな?」
「そんなもの、なんで作られたんだ?」
「モンスターの持つシュゾク技を、他のモンスターや人間でも使えるようにしたかったらしい。結果的には完成したが……倫理的に問題があって、結局封印されてしまったんだよ」
「ふん……でもお前は使えるんだな」
おぞましいことだった。
二人目の英雄からすれば、それが封印されていないことは呪わしい。
その一方で、彼女たちが社会に復帰、参加できることが嬉しくもあったのだが。
「そりゃあね。私の専門は先天的な融合獣……つまり彼女たちのように最初から改造されているモンスターであって、後乗せ形式は専門外なんだけど……似たようなものではある」
「どっちもどっちだ」
「まあね。それでも、存在しているからこうして君の心の助けになる。それにだ……もしかしたらどこか別の場所に残っていて、それが何かの拍子で誰かの役に立つかもしれないだろう?」
封印知性は、科学者の笑みを見せていた。
「後世で評価される……科学者冥利に尽きるじゃないか」
※
キメラシステム。
それはキメラをゼロから作るのではなく、既に存在しているモンスターへ、別のモンスターの要素を上乗せする邪法。
ハーピー、ワードッグ、ミノタウロス、オーク。
天使とまったく異なるモンスターたちへ、その情報が付加されていく。
それはショクギョウ技を発動する時に、一瞬にして武装を装着するに似る。
タイカン技によって、魔王の姿になることへ似る。
そして、キョウツウ技を購入し、それを習得するに似ていた。
「キメラ技! ハーピー+エンジェル!」
「キメラ技! ワードッグ+エンジェル!
「キメラ技! ミノタウロス+エンジェル!」
「キメラ技! オーク+エンジェル!」
頭上の輪、金色の髪、白い翼。
種族ごとに大小の違いはあるものの、四体のモンスターは同時に天使の特徴を引き継ぐ形で変身していた。
見栄を切り、決然とした表情で幽霊と対峙する。
そして、体に染み渡った天使のシュゾク技を発動させた。
「シュゾク技……聖域の天使!」
鳥の翼、羽毛の髪。
それが天使の翼に代わり、頭部の羽も金髪になったムイメ。
彼女の光の輪から輝きが放たれ、周囲が光にあふれていく。
『おおおおおおおお!』
雪女が周囲へ雪を降らせることで、氷属性を有利にしつつ炎属性を弱めるように。
光属性が有利、闇属性が不利な空間へと切り替わった。
ただそれだけで、幽霊は弱り、震えていた。
「シュゾク技……聖歌の天使!」
翼が生えた一方で、体毛が薄くなっているキクフによる、咆哮のような聖なる光を帯びた歌。
激しく悪を討つ叫びが、幽霊へ浴びせられる。
それは進撃を食い止めるどころか、どんどん押し返していく。
「シュゾク技……光明の天使!」
太く大きかったからだがやや小さくなり、背中に小さい翼が生えたハチク。
彼女の掌から光線が発射され、幽霊へと命中する。
不浄を清める輝きによって、その姿がおぼろげになっていく。
「シュゾク技……裁きの天使!」
すっかりやせ細ったイツケが、光の剣を振りかざす。
消えかかっていた幽霊を、断末魔も吐かせることなく切り裂き、かき消していた。
そう、撃退したのだ。
彼女たちは、逃げるしかなかった敵を蹴散らしたのである。
「よし! やったな!」
戦果を確認した兎太郎は、大いに喜んでいた。
無理もないだろう、あわや死ぬところだったのだから。
しかし、四体のモンスターは、正気に返ってお互いを見合っていた。
「……なにこれ」
この部屋に鏡はないが、それでもお互いの姿が鏡のようなものだった。
全員がそろって、自分以外の三体を見ていた。
「……これ、戻るんでしょうか」
「っていうか、これってヤバくない?」
「なんで天使のシュゾク技が使えるの……」
「非人道的って……こういう意味?」
望まざる偽りの天使たち。
輝く翼を広げ、光を纏う彼女たちの顔は、陰りきっていた。
刑務所に入る方がマシだと思っていたが、死んだほうがマシだったのかもしれない。
死にたくなかったが、生命を冒とくしたかったわけではない。
「お前何考えてるのよ! 私たちに何してくれてるのよ!」
怒った、というよりパニックに陥ったキクフが、兎太郎に噛みついていた。
「このチートツールで、皆を変身させたんだ!」
「なにを魔法の国から来たマスコットみたいな言い方して! キメラに改造したんじゃないの!」
一種の洗脳に近かった。
体が勝手に動いて敵を倒した、と言えば聞こえはいいが、よく考えるととんでもないことである。
「私たちのこと、なんだと思ってるのよ!」
「もちろん大切な仲間だ!」
兎太郎以外だったら、ためらったかもしれない引き金だった。
だが彼は、割とあっさり引き金を引いていた。
「どこの世界に! 大事な仲間を変身させて喜ぶ奴がいるのよ!」
「いるかもしれないだろ!」
「いるか~~!」
キメラ技
モンスターに別のモンスターの要素を上乗せする。
モンスターパラダイス6の新要素で、以降は特に出番がない模様。




