神結晶
「皆様へのプレゼントはこちらの神結晶でございます。」
ラドは手のひらの上に、さっきとは違った結晶体を出した。
「神結晶って何?」
「神結晶というのは…
「持ち主の長所、特性、願いを元に形が決めて、持ち主と共にさらに成長する武器、道具?」
「なんでラドじゃなくて紫音が答えてんのよ。アンタに聞いてないんだけど。」
「いえ、ソフィー様。紫音様の説明で大方、間違いございません。
神結晶は霊結晶とシンクロさせれば、持ち主に見合った姿形に変わります。
紫音様が着けていらっしゃる耳元の飾りも神結晶ですね。」
「確信ないけど、多分そうかなー。
拾った時はラドちんの持ってた結晶みたいな形してたけど、シンクロさせたら今の形に変わったし。
使い勝手もいいよね、これ。」
「確かに神結晶はとても便利ですね。
紫音様のお持ちのイヤリングの様に、神結晶は武器として発動する時以外、アクセサリーに変化したり、肌に紋様が出きたり、髪の色が変わったりする特性があります。
この時も持ち主に影響されると言われています。」
「言われてみれば、そうだね。
大好きだったアニメに、遠く離れてても思いを伝えるイヤリングがあって、それに憧れてたんだ。
そうゆうのがあったらなー。とか思ってたから、こうなったんだと思う。」
「皆様も試してみて下さい。」
それぞれが渡された神結晶を、自らの霊結晶とシンクロさせる。
「私の神結晶は指輪…」
ソフィーの神結晶は指輪に変化した。
「残酷ね…」
ソフィーは複雑な表情で指輪を眺めた。
「俺の神結晶は…紋様か…」
ウルゴの神結晶は紋様となり右腕に刻まれた。
「またこの紋章を見る事になるとはな。」
ウルゴは何かを思い出すかのように紋様を撫でた。
「私の神結晶はペンダントか。」
アリアの神結晶はペンダントに変化した。
アリアは何も言わず、ニコニコペンダントを握りしめた。
「俺の神結晶は…ブレスレットか!」
礼の神結晶はブレスレットに変化した。
「見たことないデザインだけど、なんか懐かしいなこれ。」
礼は不思議そうにブレスレットをいじった。
「神結晶を武器として発動させるには、触れながら「発動しろ、発動して」などと唱えればOKです。
慣れてくれば、念じるだけでも発動可能になるので、早く使いこなして、発動できるようになる事をオススメします。」
「触れながら唱えればい…
「ちなみにここでの武器化はご遠慮下さい。」
「なんでダメなのよ。」
「ソフィー様のように好奇心が旺盛な方は、武器化だけでは物足りなく感じ、効果発動を試したくなり、列車が傷つけられる可能性がある為ですね。」
「じゃあ効果発動しなきゃいいのね!」
ソフィーは指輪に触れた。
「発動しなさい!」
《しーん…》
「ちなみに列車内は武器化妨害をかけてるので、発動しませんよ。」
「ダセー(笑)」
「うっさいわよ!厨二病脳筋!」
「誰が厨二病だ!エセ貴族令嬢!」
「誰がエセよ!私はこれでも公…。いや、なんでもないわ。このやり取り終わり!」
「なんだよ。言いかけてやめるとかモヤモヤすんだろ。」
「うっさいわね。終わりったら終わりなの。」
「本当ラブラブだね。」
「「紫音っ!」」
「あははははっ!息ピッタリ!」
「話戻しますよー。次はステータスの見方です。」