綿の白
「いててて…」
目の前で尻もちをつくのは、予想通り身長148cm、体重38kgの小柄な少女だった。うちの高校の制服で間違いない。
「ほう、白の綿パンツ…素晴らしい!王道ラブコメにふさわしい展開だ!」
「はっ!?キモっ!!見るな!!」
少女は顔を赤らめ、足を閉じる。見た目に似合わず、ツンデレ属性といったところだろうか。
「すまんすまん。こんな可愛い子久しぶりに見たから興奮しちゃって…。俺、王道恋って言うんだけど、名前は??1年だよね??」
「かわっ、は!?何言ってんのよ!ん…わたしは桧山瑞香。1年よ」
「瑞香、よろしく!ぼくの不注意で…本当にごめんよ。」
首を5度かしげながらニコッと謝り、瑞香に手を差し伸べた。もう片方の手は腰に回し、優しく体を起こす。そろそろ落ちただろうか。
「もう名前呼びなの!?アロサウルスか!もう少し慎みなさいよ!ヘンタイ!」
体を起こした瑞香はツンツンとそう吐き捨て、俺と距離を取る。
「そんなに警戒しなくても…笑
てか、今絶対瑞香の唾液かかったよね、俺の制服。嬉しいな♪」
「んっっっっ…きっ…も!!!!もう二度と話しかけないで!!!」
我ながら最悪な発言だ。案の定瑞香はブチ切れ、ずんずん歩いて行ってしまった。追いかけて抱きしめるべきだろうか?物語後半ならそうするだろうが、まだ3話だ。抑えておこう。
俺は次なるターゲットを探し、また歩き始めた。