表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

曲がり角アタック

物語序盤の通学路はラブコメの宝庫。初登校のこの日に、なんとしてでも美少女とぶつかっておきたいところだ。しかし、同じ学校の人間とぶつかるのは容易ではない。目的地が同じの場合、進行方向も重なってしまい、ぶつかるチャンスが極端に減ってしまうのだ。


7時前に学校に到着した俺は、くるっと向きを変え、家に向かって歩き出す。周囲の流れに逆らって歩けば、衝突の確率も上がるだろう。


「こっこっこっ」


学校から500m程歩いただろうか。俺の体は、曲がり角の向こうから迫り来る、微かな足音を感じ取った。身長は148cm、体重は38kgといったところだろう。神はサイコロを振らない。人の発した足音は、その人間の物理的特性を確実に伝える。少なくとも俺には分かる。特にここ近辺のアスファルトは振動の伝導率が高く、まるで生足で踏まれているかのようにそのままの情報が伝わってくるのだ。既に興奮が止まらない。


ストライド44cm、ピッチ2.3回転/秒。一定のペースで歩くなんて、なんて可愛らしい子鴨なのだろう。チェンジオブペースは兵士の基本だぜ。おっと、そろそろ…3、2、1…


「ドンッ」


イメージ通りの小さな体とぶつかった。相手が怪我をしないように、優しくその子に尻もちをつかせた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ