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こんなの普通の男子高校生じゃない!  作者: 緋梨
プロローグ
3/16

男子高校生の理想と不満

土日の投稿は不定期で、私の気分です←(おい。

昔から本を読むことはとても好きだったけれど、

今ふと振り返ってみると小さい頃は外で遊んでい

ることの方が多かった気がするんだよな。



なんで俺、本を読むようになったんだっけ?


よく覚えていないけどいつのまにかハマっていた。




俺の幼い時の夢は、

『異世界ファンタジーの主人公になる』



なんて、我ながら痛過ぎる厨二病少年だったりした。


勿論、大地や他の友達には秘密にしていたけど

実はまだその夢を諦めていなかったりする。



いや、だってさ。異世界とか行ってみたいじゃん?エルフとかオークとかさ、憧れちゃうじゃん?


ゲームとラノベに影響されまくっているのは、

言うまでもないって感じです。



まあそんな無謀な夢は叶うはずもなく、俺の16年の人生はあっという間に過ぎ去っていった。




はっと気がつくと、5、6時間目はぼーっとしているうちにいつの間にか終わってしまっていたらしく、教室の中は夕日に照らされて赤く見える。



この誰も起こしてくれないあたり、やっぱり悲しくなるよね。俺友達いないのかしら…。



校庭の方へ目を向けると走っている大地の姿が見えた。



本当に清々しい笑顔で走っている。




「起こしてってくれればいいのに」



ムカつくくらいに。



俺は大地の笑顔に若干の怒りを覚えつつ、鞄を片手に特に用のない学校を後にした。





何の変哲もない、いつもの帰り道。


高校生になってから何となくだけど、ラノベ主人公達の気持ちが理解出来た気がする。




『日常にスリルを求めたがる』




昔は絶対平和なほうが幸せだし、面倒事に巻き込まれるのなんて嫌だろって考えてたけど、何もないのもそれはそれでつまらない。



贅沢な悩みって言われるんだろうけど、平和過ぎてつまらない。



本来ならこういうのは大体フラグで、非日常的なことが起こるはずなんだが。



足を止めて数秒待ってみる。



何も起きない事に安心と不満の両方を抱きつつ、少し恥ずかしくなって今度は逆に足を早めた。



俺の厨ニ病もこじらせ過ぎかも知れない。



自らの行動を反省していると、そこの角を曲がれば家までもう少しというところで、近所の保育園の前にいつもは置かれていないものが置かれている事に気がついた。




「何だこれ、笹?」




そこには笹が立てかけられ、色とりどりの紙がぶら下げられていた。


その横にはぶら下がっているものと同じような紙。



『誰でもご自由にお書きください。園長』



ご丁寧に書き置きが添えられていた。




「そういえば明日って七夕か。短冊とか小学生以来書いてないな。」




小学生の頃といえば、授業で短冊を書く時間があって、お姫様になりたいとか、ヒーローになりたいとか、みんなが子供らしい願い事を書いている中、俺だけ『暗黒世界の統治』って書いて先生達をざわめかせた痛い記憶が…。




まあ、そんな黒歴史は忘れよう。


面白そうだし、久々に書いてみようかな。




俺は紙とペンを手にとって、誰も居ないことを確認する為に辺りを見回した。


こんなところでクラスメイトにでも遭遇したことなら、もう俺、お嫁にいけない!




誰もいないのを確認すると、本気半分、ふざけ半分、叶うなんて思ってもいない願望をそこに書いた。




『異世界に行けますように』




少し恥ずかしい気もするが本当に神様がいるのなら、俺の些細な願いを叶えてくれよ。



まあ、期待はしないけど。


書き終えた短冊を笹にくくりつけながら、俺は切実に思った。




「普通の男子高校生って…つまんないな」




でもこの時の俺は予想していなかった。


こんなにフラグ回収の才能があったなんて。

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