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シュガープロジェクト  作者: めんちさん
シュガープロジェクト1st
8/54

アイドルと疑念

 俺の此処での日々が過ぎていく。


 ショコラちゃんの第一次試練の勉強も、ほとんどする必要が無いくらいショコラちゃんは頭が良かった。

 何でもそつなくこなし、気立てもいいし可愛い。



 だけど…ショコラちゃんが完璧過ぎる故に、自分に自信のない俺には眩し過ぎて自分が本当の自分では無く少しずつ偽りながら合わせて話しをしている。


 コンプレックスが沢山ある自分と完璧な女の子‥‥俺は劣等感に苛まれそんな感覚や気持ちになっていてショコラちゃんといると変に避けたり話をそらしたりする様になり正直一緒にいても疲れる様になった。


 それに家事もショコラちゃんが完璧にこなしやってくれる‥嬉しい反面、この世界で俺はやることが無くなった。


 前までは苺の世話や家事、勉強とやる事に追われていて1日があっという間だったのが、最近は苺もショコラちゃんと話してばかりだしショコラちゃんも忙しそうで俺は殆どやる事がない、現実世界のつまらない俺の部屋を再現した此処での俺の部屋。



 つまらない日常が戻ってきた様な気持ちにふとなる時もあるが

 それでも現実世界と違うのは自分の部屋から出ると可愛い女の子たちがいる。

 俺はそれだけをモチベーションにいつ終わるか分からないこの世界での生活をそれなりに楽しんでいた。



 ショコラちゃんの第一次試練当日がやってきた。

 いつもの様に突然上から声がした。


「第一次試験を開始するぞぃ‼︎ ショコラ、前に出よ‼︎‼︎ 」と声がしショコラちゃんは前を向き、真剣な表情を浮かべ

「‥はい‥小太郎さん‥頑張ってきます‥」

 そう言って振り向き真っ直ぐな目をして俺に言った。


 俺は緊張から硬くなっているショコラちゃんの表情を見て励ます様に両肩に手を置き

「ショコラちゃんなら‥大丈夫だ!だから試練が終わったら苺と三人でお祝いしような!」と言うとショコラちゃんの硬い表情はうっすら笑顔に変わり

「‥はい‥頑張ってきます‥」と大きなかまどの前まで歩き俺から離れて行った。



 すると次の瞬間『フォ〜アン〜』という音と共に目の前から居なくなった。

 苺の時同様、俺はケーキの準備を始める事にした。


 〜1時間後〜



『フォ〜アン〜』という音がしショコラちゃんが帰ってきた。


「第一次試験終了じゃー‼︎ ‼︎ ‼︎ 」という声が聞こえ衣服がボロボロになり怪我をしている様で俯いたショコラちゃんが帰ってきた。


 俺の顔を見るなりショコラちゃんは泣き出し俺に「‥‥小太郎さん‥‥不合格‥」と小さく今にも消えそうな声で言った。


 俺は驚きのあまりかける言葉が見つからなかった。


 ショコラちゃんの言語は完璧で間違うはずなんて絶対ない!俺はそう言い切れる自信があった。


「何かの間違いじゃ?‥‥ショコラちゃんの言語は完璧だった!!こんな事はありえない!」と言っているとショコラちゃん重い口を開き俺に

「小太郎さん!!!実は‥試練の内容は言語じゃ‥!!!!」と何かを言いかけたが途端怯えた様に俯いた。


 俺が話そうとショコラちゃんに近付こうとすると

 俺の後ろから苺が出てきて近付こうとする俺を止めてショコラちゃんの頭を撫でながら俺に

「ショコラちゃんは不合格でとっても混乱しちゃつてるですぅ‥可哀想なショコラちゃんですぅ‥‥小太郎しゃん!!!ショコラちゃんを慰める会をしましょうですぅ!!!」と言った。




 俺はショコラちゃんの言いかけた言葉が気になったが苺に言われるがままその場を離れようとすると

「今回は残念だったのぉ! 第2案内人は第一次試練不合格じゃなぁ!」と声が聞こえおれが理由を聞こうとすると

「そんな意気消沈なお主にこれを授けようぞぃ ‼︎更にお主の理想を追うがいいぞぃ!!!第三案内人‼︎出でよ ‼︎ ‼︎ 」と言った。




 再び大きなかまどに一瞬火が付き中から何かが猛スピードで出てきた。



 目で追いきれないくらいのスピードで出てきたその子はフルーツの上に乗り自信満々にポーズを決めながら

挿絵(By みてみん)



「シュガーキッチンのヒロイン!甘い匂いで殿方を虜にする魅惑のチーズケーキこと!みんなのアイドル!ちーちゃん参上なのです!!!小太郎さん!!ちーちゃんと呼んで欲しいなのです!宜しくなのです!!!」


 そう言ったかと思うとその子は忙しなく苺とショコラちゃんの所に行き

「あぁあああ〜〜!!!!!苺がショコラちゃんの事いじめてるなのです〜〜!!!ショコラちゃん大丈夫なのです?」


 ボロボロのショコラちゃんを部屋に連れて行き、戻ってきた途端苺を睨んだ。


 それを見て苺はみるみる泣き出し俺の所に走って胸に飛び込んできて上目遣いに俺を見て「苺じゃないですぅ‥ちーちゃんひどいですぅ!!!苺は何にもしてないのにですぅ‥」


 大粒の涙を浮かべていた。


 俺は何も知らないちーちゃんに事の経緯を説明した。



 するとそれを聞いたちーちゃんは

「そうだったなのですね!それはちーちゃん勘違いしてしまったなのです〜!いつも苺がいじめを働いてるので勘違いしたなのです〜〜〜!苺、今回はごめんなのです〜」


 そう言うと苺はコクリと頷いた。



 それから数日経ったがちーちゃんは俺の頭の上で歌う(自称コンサート)をし、毎日苺と些細な喧嘩をしていた。


 どうも二人はあまり仲良くないらしい。


 喧嘩する二人を止めながら家の家事をこなす…そんな忙しい日々が帰ってきて当初は嬉しくやりがいを持って忙しい日々を過ごしていたが、それが続くと人間とは自分勝手な生き物だと自分でも思うのだが、ショコラちゃんに戻ってきて欲しい気持ちになり、ふとショコラちゃんの部屋に行ってノックをしたが反応がない。


 ちーちゃんいわく、ショコラちゃんの怪我は全然治ってないらしく自分の部屋に篭ったままいつも出てこないらしい。


 俺は全く音のしない事に気付き胸騒ぎがして、部屋に思い切って入る事にしドアを開けると真っ白な部屋にポツンとチョコレートケーキが置いてあった。



 続く





挿絵(By みてみん)

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