渇く唇心の渇き
白髪の女の子、白と部屋に二人きりになりベットの上に座る俺に、近づき息がかかる距離まで顔が近づいてきた瞬間。
部屋の扉が開いた。
「小太郎!待たせたな。 一番手はこの僕だ。ショコラがきたがっていた服を僕が先にきてみたんだ……似合うかな?」
黒い革製のコスチュームが林檎の白いきめ細やかな肌に際立ち、よく似合っていたが
ショコラちゃんが着る予定だった服を、奪ったのか?
でも……なんでSMの女王なんだ……?
そんな事を抱きながら俺は只々、ぼーっと林檎を見ていると
「おい!小太郎!僕の評価はどうなんだ!聞いているのか⁈ 」
そう言いながら林檎は、ベットの上に座っていた俺の前に来て真剣な顔で俺を見つめる。
余りにも見つめてくるので、視線を合わせてみたがなんだか恥ずかしい気持ちになって、目線を外した。
そんな俺を見ていた林檎も困った顔をして、目線を外し俯く。
「やっぱりこんな女っぽい格好なんて、僕には似合わないのかな?……僕じゃなくてショコラが着た方がよかったか?」
小さな声で林檎はそう呟いていた。
林檎は俺が何も答えない事で、自信を無くした様に小さく俯き今のも消え入りそうな感じになっていた。
俺も、何か言わなきゃ、答えなきゃいけないとは思ってはいるが、答え様にも上手く声が出ない。
すると俺の代わりに、隣にいた白が口を開く
「プレイヤーである佐藤小太郎は気高き第4乙女である貴女の事を、気に入っていますが今回の衣装に関してですが、些か好みではない様です。貴女自身が当初から着る予定だった服の方がプレイヤーである佐藤小太郎の好みに近くいいかもしれません。次を期待する。そうプレイヤーである佐藤小太郎は申しております。 評価は以上です 」
そう言われた林檎は、一瞬落ち込んだ顔をしたが自分の両手で自分のほっぺたを叩き
「わかった!僕は僕が小太郎に見せたい服を着ることにする!ちょっと待っていてくれ 」
そう言って林檎は忙しなく部屋から出て行った。
さっきの評価?といい上手く状況が飲み込めない俺は、どういう事か白と話したいが喉が渇き、口が固まっている様な上手く体の機能として脳から伝達出来ない、麻痺している様な無の感覚があって話せない。
その理由のは、俺には検討もつかず分からないがこの状況を隣で笑って見ている白は知っている様だった。
楽しそうに笑ってる……この状況の何が面白いんだ……?
そう考えていると
「佐藤小太郎は今回のこの戦いについて、ルールを何もご存知ないのですのね。 流石、無能で低俗な人間です。状況把握をする能力も乏しいとは……滑稽です 」
白は馬鹿にしたように鼻で笑い、続けてこう言った。
「プレイヤーである佐藤小太郎は優柔不断過ぎるが故、皆にいい顔します。口ではいい風にしか答えません。前回も結局それが原因で決めれなかったのです 」
自分の不甲斐なさ、優柔不断さは自覚しているがこうもはっきり言われてしまうと……。
心にグサグサ刺さる。
「察しが悪い、貴方の為にわたくしが分かりやすくご説明致します。そもそもプレイヤーである佐藤小太郎自信が己の性格を自覚しているなら、なおの事ですが突発的に条件を満たしてしまうとプレイヤーである佐藤小太郎の ‘’ 心 ‘’ のある部分に影響が出てしまいます。そこに影響が出てしまうとこの世界を半強制的にゲームオーバーにいしてしまい、全てをリセットし兼ねない事態に陥ります。それを目論む ’‘ 異形の存在 ’‘も既に我々、WitchSistersは確認済みです。」
白は隣で話しながら遠くを見つめ、話を続ける
「その ‘’ 異形の存在 ‘’ は勿論シュガー源老師様もご存知ですが、我々がゲームに関与していい範囲を大きく超えてしまう恐れがあり、我々の役目である行末を見守り、時に助け、如何なるENDにも誘うという役目の為、わたくしは記録に残す様にこちらまでシュガー源老師様の名により参りました。この「シュガープロジェクト」というゲームはプレイヤーによりいつくもの異なる成長を続けてきましたが、こんな事態は初めてです。」
ため息をつきながら白は、俺の目を見る。
「全てプレイヤーである佐藤小太郎の選択と導きに寄って変わってきています。それをお忘れなく……。
そろそろまた新たな乙女が来る様です。評価はプレイヤーである佐藤小太郎の心がわかる、わたくし白にお任せ下さい。プレイヤーである佐藤小太郎は、美しく甘く可愛い乙女を愛でてください 」
白が言っている事を理解する間も無く、部屋のドアが開いた。
「小太郎さん!ちーの着物姿似合うなのです?」
真っ赤な生地に、細かい菊の花があしらわれた艶やかな着物を着たちーちゃんが目の前にきたが
さっき白が言っていた ‘’ 異形の存在 ‘’ がどういう事なのか、俺の心の何に反応しているのか
俺は全く分からない。
それが俺の心のしこりが、引っかかって、何時迄も頭から離れないのだ。
続く




