仕組まれた夜と残酷な朝
銀髪の女の子から小さい角砂糖を二つ受け取り、ショコラちゃんに手を引かれ
真っ暗で生暖かな空気が流れるかまどの中、二人の息遣いだけが響いていた。
しばらくして、薄っすら明かりが見えてきてショコラちゃんはまた指を鳴らし
「シュガーキッチン……オープン……です」
そこ言葉と同時に俺たちは大きなかまどの前に戻ってきた。
ここから銀髪の女の子の、所に行くまでにそんなに時間が立っていないはずなのに
随分、長い時間帰っていなかったようなそんな不思議な感覚。
何も変わっていないはずなのに、何かが違う。
そんな得体の知れない違和感が心にあった。
胸の騒めきで辺りを見渡すが、ちーちゃんもりんごちゃんもいない。
二人共どこへ………?
そんなことを考えていたら
「……小太郎…ん……これ……食べて……下さい…です……」
そう言ってショコラちゃんは銀髪の女の子から受け取った角砂糖を一粒、渡してきた。
シュガーキッチンに帰ったら必ず二つ同時に口に含みなさい。どちらか一つでもダメです。分かりましたね?
そう銀髪の女の子は、言っていた。
なのにショコラちゃんが渡してきたのは、一粒だけだった。
「…ショコラちゃん?二つ同時じゃないとダメなんじゃ…」
俺が言い終わる前に、ショコラちゃんはその角砂糖を自分の口に入れ俺に口移しのキスをしてきた。
甘い極上の甘美な味が口に広がる。
今までき感じたことのない、気持ち良さと冷めない興奮。
そして高揚感が俺を包む。
唇が離れてもすぐに求めたくなった。
気持ちいい…。
もっと欲しい。
もっと味わいたい。
もっともっと………。
そんな気持ちが次第に黒く染まってゆく。
この女をxしたい。
めちゃくちゃにx x xして泣こうがx x xする。
何度も何度もx x xにxxしたい。
無理矢理でもいい…x xしてxxさせたい。
そんな欲望がわく。
ショコラちゃんの意思も俺の意思も関係ない。
もはや理性など何処にもなくなり、俺は遂にショコラちゃんを押し倒した。
彼女の両手首を掴み、邪魔な服を破いて欲望のままにxした。
欲にまみれて、理性も道徳心もなく
只々、己の欲望を満たす吐け口に彼女を使った。
止まらない性欲は何処までも貪欲にケモノのように彼女を貪り食う。
何日かの残酷な朝を迎える。
我に返った時には、無数のあざと俺に汚されて、気を失っているショコラちゃんが目の前にいた。
「…どうしてこんな事に…俺は…俺は…」
自分の犯した過ちに、どうしてこんな事になってしまったのかも理解できず俺は只々、涙した。
すると後ろの方から
「だから二つ同時にと言ったのです。こんな狡猾な企みに引っかかるなど愚の骨頂ですわ」
そう聞こえ、振り向くと銀髪の女の子がいた。
俺が呆然と見つめていると
「あらあら。醜い顔。また貴方はそちらを選ぶんですね。ふふふ…それが貴方の望みなら叶えましょう…」
銀髪の女の子はそう言い、銀色の粉を俺に振りかけた。
俺は、その粉を被るとだんだん意識が薄れていく。
目の前にはさっきまで気を失っていたショコラちゃんが不敵な笑みを浮かべて俺を見ていた。
______………小太郎…
遠くの方で俺を呼ぶ声がする。
俺は声のする方に段々近づいて行く。
温かいものに包まれる感覚が俺の全身を包み、目を開けると俺は湯船に入っていた。
「あれ…?俺はなんで…」
そんな事を呟くと、左側から声がした。
「あぁ〜小太郎さん!ちーとりんちゃんとお風呂入りながら寝てたのです?全く、シュガーキッチンのアイドルであるちーが一緒にお風呂に入っているのに、ぷんぷんなのです 」
その声に左側を見ると体を洗っているちーちゃんとちーちゃんの膝の上に座ったちびりんごちゃんがいた。
俺は、動揺してすぐに目線を外した。
「ななッなんでちーちゃんが⁈それをより服…服着てない⁈ どッどうなってるんだ…」
「あれれれ?小太郎さん覚えてないのです?ちーとイチャイチャラブラブして一緒にお風呂入って、洗いっこする事にしたのですよ?あんなに濃厚な時間を過ごしたのに覚えてないなのです?ちーはがーんなのです 」
そうちーちゃんが言うと
「おい!小太郎……ちーちゃんを泣かすなよな!男としてちゃんと責任取るんだ。僕とちーちゃんに…あんな…あんな恥ずかしい事させたんだからな… 」
二人共顔を赤らめて、恥ずかしそうに言うので俺の何が何だか分からないが、
恥ずかしい気持ちになった。
俺は一体…何をしたんだ⁈そんな事を思いつつも
横目で見るちーちゃんの体はとっても綺麗でドキドキして直視できなかった。
甘い甘い幸せの時間。
曖昧な記憶。
温かい満たされた気持ち。
狡猾に仕組まれた輪廻の螺旋を下っていることも俺はまだ知らない。
続く




