乙女の花園と此の世のルール
シュガー源老師からの手紙を開けると手紙から大きな声で
「第二乙女ショコラの発言を特例で許可する!!但し、詳しい内容や試練本来の理念が分かってしまった場合!今後の試練は実施が困難になるからのぉ。残っている乙女を全員不合格扱いにするか、もしくは関わりにプレイヤーのある部分の記憶を全て貰う事になるがいいかのぉ?その線引きはこちらで決めさせてもらうのじゃ!!以上!! 」
そう言って手紙は粉々に砕け跡形も無く、消滅した。
「プレイヤー佐藤小太郎。いかがなさいますか?対価を乙女で支払うか、自分の記憶で支払うのか……はたまたこの話自体を無しにするか……時間も限られています。お早めにお答えください 」
俺はどうしたら良いんだ…。
ショコラちゃんが黙っていた理由も真実も知りたい。
ショコラちゃんの話の内容で対価を支払うのかどうかが決まる。
俺のせいじゃ無かったら、俺が対価を支払わなくても良いよな……。
記憶が無くなるという事に敏感になっていた臆病な俺はずるい選択を思いつく。
「なぁ白! もちろんショコラちゃんからの話は聞く!だけど……対価の支払いが発生した場合
はその時考えさせてくれないか? 話を聞かないと今は答えが出ない 」
白は、俺の汚い心を見透かすような目で見つめ笑い
「ふふふ……承知致しました 」
「……では麗しの乙女ショコラの証人出廷!」
その掛け声と同時に傍聴席の柵の扉が開き、ショコラちゃんが入ってきた。
真っ直ぐ前を見つめるその瞳からは強い意志と覚悟が感じられた。
「証人は嘘や偽りを述べた場合。きつい罰を受けてもらいます。宜しいですね?麗しの乙女ショコラ 」
「はい……大丈夫……私……嘘つかない……」
「ふふふ……良い覚悟の目……では検事である白の権限を使い、麗しの乙女ショコラの発言を証言として有効させて頂きます 」
そう言い白は白い角砂糖を出しショコラちゃんに手渡した。
その角砂糖をショコラちゃんが口に含んだ途端、一瞬強い光が包む。
「馴染んだようですね。では麗しの乙女ショコラお願いします 」
「……はい 」
「小太郎さん……今から聞く事……私の話を信じて……ください…」
そう言われて俺は深く頷いた。
それを見てショコラちゃんも深く頷き語り出した。
「小太郎さん……詳しくは言えないのですが……私達…お互い……敵であり…仲間…。だから…小太郎さんの……知らない……戦い……あります …シュガーキッチンは……弱肉強食……乙女の世界。 強い者…に逆らえない……それが此処の……ルール」
「ショコラちゃんどういう事? 全然話が見えない…もっと詳しく話してくれないか? 」
「あまり……詳しくは……でも……試練……の時……苺ちゃん…いました……ずっと……」
そうショコラちゃんが言うと今まで黙っていた苺が口を開いた。
「そんなことないですぅ! ショコラちゃんは嘘をついているですぅ!苺を悪者にしょうとしてるですぅ 」
「被告人は黙りなさい!!!!不規則発言は許しません」
「…でも…こんなのって酷いですぅ!苺はシュガーキッチンのルールに従っているだけですぅ」
「良い加減に不規則発言はおやめなさい!! 」
「でも!」
そう白と苺が言い合いしてるとショコラちゃんが
「苺ちゃん……が悪いわけ……じゃ……ない……ここの…ルール…」
「そうですぅ…苺はルールに従ってるだけですぅ…ッ!!」
苺のその発言を聞き、白が苺に詰め寄る。
「良い加減なさいと何度も忠告しましたよね?貴女は、忠告の意味を理解しているのですか?これが最後の忠告です。忠告が聞けないようなら此処から去って頂きます。なのでこれからの発言には十分注意して下さい。 第一案内人苺。宜しいですね? 」
苺は深く頷き黙った。
「再開します。麗しの乙女ショコラ、発言を続けてください 」
「……はい」
再びショコラちゃんが俺の方を向き話し始める。
「苺ちゃんは……ルールを守っている…だから……あの場に居たことは……いけない事…じゃない……でも……それを小太郎さんに……は言えない……これがルール……ごめん」
「じゃあ…じゃあなんでショコラちゃんも、居た事黙ってたの?言ってくれても良かったじゃん! 」
「それは……試練内容……だから……言えなかった……小太郎さん……には……言っちゃダメ……」
「そんなんじゃわからない!どうして俺にだけ知らされていないことがあるんだ!!」
俺にだけ知らされて居ない、シュガーキッチンのルールに俺は内心戸惑いが隠せないでいた。
続く




