第2話 メンバー
今回もよろしくお願いします
「冴島くんそこまでです」
その声の主はオレンジ色の髪の大人っぽい女性だった。その女性の制服の襟にはSPの刻印が刻まれたバッジをつけていた。
「チッ。生徒会。」
と動揺した素振りを見せた冴島は構えていた手を下ろす。
「転校初日の彼をいじめない!」
と注意する女性。
「クソがっ...」
その一言を残し冴島は去っていった。
「うちの生徒は喧嘩っ早い人が多いものでごめんなさいね。」
「いや、別に。ところであなたは?」
「あっごめんなさい。紹介が遅れたわね!私は生徒会副会長、富永エリです。よろしくね。」
と軽く自己紹介された。
「先程はありがとうございます」
と礼を言う辰巳。
「いえ、いいのよ。私達生徒会は生徒の安全や規律を守るのが仕事ですから。大きな怪我はなさそうね。」
そう言うとでは、と言わんばかりに髪をかきあげて去っていく富永。
「辰巳くん。大丈夫だった?」
と近づいてくる水原。
「あぁ。大丈夫。」
と答える辰巳。
「ふぅー。危なかったぁ」
と安心する辰巳。その瞬間。ドガーン大きな音が鳴り響いた。
「何だ?」
動揺する辰巳に水原は冷静に答えた。
「向こうで戦闘が行われてるのよ。別に珍しい事じゃないよ。むしろこの学校ではこれが普通の光景!」
少し誇らしげに話す水原。
「でも、あれだけの音が鳴り響くって、どんな戦闘してるんだ?」
「見に行ってみる?」
と言うと水原は辰巳の手を引いて走った。
近くに行くにつれて人だかりが激しくなる。
「ちょっと...すいません...」
何とか人の波を押しよけて人だかりの前へでる。そこでは壮大なバトルが繰り広げられていた。そこには白髪の笑みを浮かべた、爽やかな青年とゴツゴツなマッチョの男がいた。
マッチョの男が白髪の青年に向かって殴りかかる。その腕は普通の腕ではなく、光沢があり黒光りする鉄に覆われていた。多分彼は鉄のSPECであろう。マッチョの男が白髪の青年めがけて殴る。しかし、その先にはもう青年は居ない。ふと見るといつの間にか白髪の青年はマッチョの男の後ろにいる。
「あっ、クソ、しまった!」
と言い後ろを振り返ろうとするマッチョの男。
しかし振り返ることは無かった。マッチョの男が振り返る瞬間、マッチョの男はぶっ飛んだ。
「いったい、今何が?」
驚いている辰巳に不意打ちをかけるかのようにさらなる出来事が起きる。ぶっ飛んでいったマッチョの男が何故かこちら側にもう一度ぶっ飛んできた。その現状を前に水原が口を開いた。
「あの白髪の彼は3年の風魔空牙能力はエアーSPEC。あなたと同じナチュラル型のね。」
「エアー?ってことは空気?なんかあんまり強そうじゃないな。」
「そんなことないわよ。この学校でも五本指に入るぐらいつよいわ。彼は自分の周りの半径30メートルの空気なら自由に操れるわ。射程範囲ならほぼ何でも出来ると言っても過言ではない。」
空気。一見弱そうに聞こえるが風魔の能力はとてつもなく強く、厄介であると感じた辰巳。水原は説明を続ける。
「で、風魔くんと戦っているのはあなたと同じクラスの硬 鉄心彼は鉄のSPEC!触れた所や自分の身体を自由に鉄に出来る。更に鉄で何かを作り出すことも可能!彼のSPECはボディ型。」
(両者ともつよいSPECだなぁ)
そう話してる間にも戦闘は続いていた。起き上がった鉄心は既に全身鉄になっていた。それに動じること無く近づいてきてはぶっ飛ばし、ぶっ飛ばしては近づけるを繰り返す風魔。そして鉄心が等々起き上がらなくなった。そして鉄心に近づき両手で空気を丸め込むように構える風魔。すると空気の球のようなもが風魔の手に現れる。その球を鉄心に向けて投げた。球は鉄心めがけて飛んだ。鉄心に当たった瞬間。その付近をも巻き込むように球が弾けた。物凄い風圧ともに鉄心の悲鳴が鳴り響いた。
「ぐうぁぁ」
風圧が収まると鉄心は気を失い倒れていた。
風魔のミニカメラロボにはポイントが20プラスされていた。どうやら鉄心が奇襲を仕掛けて負けたらしい。すると先程の副会長が鉄心に近づいてきて。
「全く。ここ一週間であなたを何度ヒールしたことか」
と言い鉄心に両手を翳す。鉄心の身体が緑色の光に包まれる。すると鉄心の傷がみるみる治っていく。そして鉄心完全に傷が癒えて鉄心が起き上がる。
「畜生ぉぉぉぉ。次は負けねぇー」と言い走り去ってしまった。
「今何を...」
と不思議に思っているとまたもや水原が口を開く。
「副会長の富永エリはヒールSPEC。彼女が居るから私達は心置き無く戦えるの。」
(なるほど。だからボロボロになってまで戦うのか。 )
と納得した辰巳だがある事が気にかかった。
「てかヒールSPECって朝言ってた三つの種類の何にも属さなくない?」
「あぁ。そうだったわね。朝は時間が無くて説明出来なかったんだけどSPECにはもう一種類あるの。」
「もう一種類?」
「ええ。もう一つは特殊SPEC。その三つには属さない種類。色んな能力があるわ。」
「特殊!そんな種類が...」
と話している最中に学校のベルがなった。
急いで教室に戻る生徒達。
教室に戻ると遊馬先生が一言。
「炎堂も転入してきた訳だし。ここで皆の名前とSPECを自己紹介しよう!」
と言い出した。
2-1クラスメンバー紹介
『炎堂辰巳』
SPEC:ナチュラル型 炎
効果:炎を作り出せる。身体を炎にする
『水原美鈴』
SPEC:ナチュラル型 水
効果:水を作り出す。身体を水にする。
『冴島雷』
SPEC:ナチュラル型 電気
効果:電気を作り出す。身体を電気にする。
『硬 鉄心』
SPEC:ボディ型 鉄
効果:身体を鉄にする。触った所を鉄に出来る
鉄で何かを作り出せる。
『変化材鬼』
SPEC:特殊型 素材変化
効果:触ったものを今まで触れた事のある素材
に変えられる。
『金剛銀山』
SPEC:ナチュラル型 ゴールド&シルバー
効果: 金や銀を作り出す。身体をカチカチの
金や銀に変えたり、ドロドロの金や銀
に変えることが出来る。
『土田粘』
SPEC:特殊型 モーディング
効果:手から出す粘土で物を作りそれを実物化
できる。
『鋼刃』
SPEC:ボディ型 ブレード
効果:身体を自由に刃物に変えることが出来る
『符動奏』
SPEC:特殊型 サウンド
効果:自由に音を消したり吸収したりできる。
吸収した音を別の場所で鳴らしたりその
音で攻撃したりできる。
『鼠川ねず』
SPEC:フォームチェンジ型 ねずみ
効果:ねずみが出来ることはほぼ全てできる。
体の一部や全身をネズミに変えること
ができる。
『佐川龍之介』
SPEC:フォームチェンジ型 龍
効果: 体の一部や全身を龍に変えれる。
そして....
担任
『遊馬威武器』
SPEC:ボディ型 ウェッポン
効果:体の一部をいろんな武器に変えれる。
『影浦漆人』
SPEC:ナチュラル型 漆黒
効果:闇を作り出し操る。自分の影を操る。自分自身の体を闇に出来る。
この学校は今の三年生が最初の入学者だ。
辰巳はこの学校でこれから戦っていくことになるのだ。
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