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Zodiac Sign - ゾディアックサイン-  作者: 真野亜駆
第一章 始まりのGemini
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―代償―

授業も終わり、千尋も翔も部活で、俺は一人帰路についていた。

オフィウクスの言葉を頭の中で整理していた。

俺の持っている、(サイン)は、何かを代償にすることにより、能力を得れるということだ。

多分、宮本は代償を支払ってサインの能力を得ている。

つまり、宮本に会う日数で俺は、負けた時の代償を考えなければいけない。

「代償って何にすればいいんだ……」

そんなことを考えていると、自宅についていた。


部屋に着くと、俺は部屋のベッドに倒れこんでいた。

どんなに考えても、代償になるようなものは思いつかなかった。

俺は、机の上の写真立てを眺めていた。

「恒平。この前の写真おいておくね」

「いいよ。写真なんておかなくても」

「どうせ、勉強なんてしない机でしょ。飾っておいてもいいでしょ」

「確かに、勉強しないけど……」

そんなやり取りをして机の上は写真立てがいっぱいになっていた。

千尋や翔と撮った写真や小さい頃、父親と母親と一緒に撮った写真。

いろいろな写真を眺めていた。


「いろいろ。あったな」

楽しかったこと、悲しかったこと、つらかったこと、たくさんの思い出だった。

「コンコン」

俺の部屋をノックする音がする。

扉が開いて現れたのはいつもの幼馴染の顔だった。部活帰りで制服と竹刀袋を担いでいた。

「恒平チャイム鳴らしても出てこないから」

「ごめん。気づかなかった」

俺は、机の手に取った写真立てを机に戻す。

「なに? 写真見てたの?」

「あぁ」

「思い出に浸っちゃってたの? 恒平らしくない」

「そんなんじゃないよ」

俺は、否定した。

「何かあったの」

千尋は俺を心配そうな顔でのぞき込む。

「大丈夫だよ。丁度この写真の翔がバカやってたことを思い出していただけ」

ははは、と俺は無理やりな笑いを作りだす。

「私じゃ、助けにならないかもしれないけど……」

千尋は続けて、

「相談のるから、一人で抱え込まないでね」

俺は、千尋の言葉に、

「ありがとう」

心からの、ありがとうを送った。

「さて、今日は恒平が夕飯作ってくれる日でしょ?」

「えぇ、もうそんな時間」

「私が帰って来てるってことはもう7時過ぎだよ」

「まだ、準備してなかった……」

「じゃあ、てきぱきと私のために料理してきて下さい」

にこっ、と千尋は、人差し指を下にし、俺をリビングに促す。

「はぁい」

俺は、千尋に感謝しながら、一階に降りて夕飯の支度をした。


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