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Zodiac Sign - ゾディアックサイン-  作者: 真野亜駆
第二章 時戻りのLibra
20/29

―文化祭―

「おい。恒平。看板できたか?」

翔は、俺に話しかける。

「まだだよ」

「おせーぞ。このままだと間に合わないぞ」

俺たちは、星洋祭の準備をしていた。

星洋祭は、学校の商店街中が3日間お祭り騒ぎで学校の一大イベントである。

ちなみに、学校内でも催しが行われ、俺たちも準備に追われていた。

残された時間は残り3日だった。この3日間、授業はなく、文化祭の準備をしていた。

「しかし、なんだよ。この看板」

看板には、こう書かれている。

「メイドと執事と怪獣とホラー喫茶」

「ちょっと、いろいろ混ぜすぎじゃないか」

「お前がいないときにいろいろあったんだよ」

「いろいろって?」

俺は、宮本の一件で少しの間病院に入院し、学校を休んでいた。

そのため、文化祭の出し物の打ち合わせをしていなかった。

「文化際の出し物をみんなで集計をとったんだが、その時に出た案が、メイド喫茶、執事喫茶、お化け屋敷、戦隊もののショー」

「あぁ……」

「そして集計をしたら、同率で収集つかなくなって結局先生が、全部混ぜて提出しちまって今に至るわけだ」

「……」

俺は、先生を不憫に思った。苦渋の選択だっただろう。

「所で、金谷は大丈夫なのか?」

「あ、あぁ……平気だ」

「そうか」

俺は、千尋のいない教室を眺めていた。


※※※


「千尋、準備できた」

「ごめん。まだ」

私は、剣道部の出し物を準備していた。今は、屋台の中のおでん鍋を設置していた。

剣道部はいつも定番で、おでんを文化祭の出店を行っていた。部活の仲間が、

「時間ないからね。あ、そうだ。これ」

と渡されたのは、歴代の部員たちが残していったおでんのレシピだった。

「レシピ通りに作れるか、しっかりと何度も練習しないとね」

部員の仲間が私に、活を入れる。

「そうだね。しっかりとおでんの出汁、つくれるようにならないと」

「一先ず、出汁の練習して、その後具材入れてたしかめよう」

「うん」

私は、おでん鍋に出汁のレシピ通りに入れていく。

「そういえばさ、最近恒平君と会えてないんじゃない?」

「うん。そうだね。クラスの出し物の事もあって忙しいし」

「なに? 向こうの出し物のほうの手伝いの方がよかった?」

「そ、そんなことないよ」

私は、否定する。

「全くもう、ラブラブでなにより」

「ちゃかさないでよ」

「ごめん、ごめん。それじゃ、時間もないし、作ってみようか?」

「うん」

私たちは、おでんの出汁の作成に勤しんだ。


※※※

「キーンコーン、カーンコーン」

終業のチャイムが学校中に鳴り響いた。

「翔。ごめん。少し早くあがってもいいか」

俺は、翔に声をかける。

「おいおい、まだ看板できてないぞ」

「すまん。ちょっと、用事があって」

「……仕方ないな。明日朝早くこいよ。俺も早く来るようにしておくから」

「わかった。すまん……」

「いいよ。じゃーな」

俺は、用事のために荷物を持って、教室を後にした。


※※※


「お疲れ様」

私は、部活の準備が落ち着いて、自分の教室に戻る。

「お疲れ」

翔君が挨拶を返してくれた。

「あれ? 恒平は?」

「今日は、もう帰ったぞ。何か、用事があるようだった」

「そうなんだ……」

私は、答える。

「なんだ、恒平は金谷に挨拶して帰らなかったのか?」

「うん……」

「そうか、まぁ明日もあるし、俺も今日は上がろうと思っていたんだ。帰るか一緒に」

「そうだね」

私は、翔君と一緒に学校を後にした。


※※※


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