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春、咲く。  作者: SeiKa
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Dog anD DwarF

1話を読んでいただきありがとうございます。さてさて、今回のお話は新しいクラスでハルは人生を変える人に出会います。是非、読んでいただけると嬉しいです。感想などもお待ちしております。

 ハル、高校2年。家に近い高校に合格し、赤点を取らない程度に中間の順位を保ちながら適当に生活を送っていた。別にクラス替えしても友達ができるなんて思ってないし、欲しいとも思わない。気を使うとか面倒だし、必要以上のことはしなくていいと思う。

必要として欲しいとも思わないし、必要にもしない。友達とか、人と仲良くしたところで、今までの生活が変わるわけでもないし。愛想悪いとか言われても関係ない。他人が自分を評価する権限なんてどこにもない。他人を干渉するなら、自分のこと考えろよ。他人のこと色々言えるほど、お前は完璧なのかよ。うざ。

俺は基本、他人(ヒト)と話すのが嫌いだ。皮肉、自慢、悪口、貶し(けなし)。くだらないことペラペラ話すのが嫌いだ。いじめられても何とも思わない。もう、神経が麻痺しているからだろうか。先生に心配されるのも面倒だ。真剣に考えてるフリして、何もできない。上辺だけの心配をするなら、話しかけないで欲しい。鬱陶しいだけだ。

口だけの約束は約束にならない。とっくに経験済みだ。それでも信じる奴は、馬鹿だな。馬鹿以外の何者でもないと思う。友達ごっこ。見てるとイライラする。

-ドン。自分の出来を確認して向かおうとすると横から誰かにぶつかった。

「あ、ごめん。」

振り返って謝ってくる。背の高い男。見たことない顔だな。初めましての人か。まぁ、興味ねえけど。俺は何も言わず、自分の席に着いた。イヤホンからBluetoothのイヤホンに変えて音楽を聴く。すると、目の前にさっきの男が立っている。謝ったことを無視したから、文句でも言いに来たか。好きなだけ言ってくれ。どうでもいいから。

「さっきはごめん。大丈夫だった?」

何だよ。来たと思えば、また謝ってきて。何とも思ってねえよ。俺は変わらず無視を続ける。

「どっか、痛いところない?」

前の椅子に座りながら、また聞いてくる。うっせえって。怪我してたら言うっての。面倒くせえ奴だな。

「ねえ、ハルだよね?」

男がいきなり俺の名前を呼ぶ。なんで俺の名前知ってんだよ。驚いた俺は、男の顔を見た。

「あ、やっと目が合ったね。なんで、名前知ってんのって感じ?俺の後ろの席だから。」

あぁ、なんだ。名簿表見ただけか。……ん?待てよ。今、なんて言った……?俺の、後ろの席……は?まじかよ。こいつが俺の前かよ。うわー。面倒くせぇ。

「よろしくね。」

優しい笑顔を向けてくる。俺は一応、会釈する。はぁ。無理。こういうの。一番、面倒な奴だろ?無視しても、避けてもついてくる奴だろ。まさに、犬系男子。なんで、こんな奴にぶつかったんだよ俺……。

「ハル、聞いてる?」

「え?」

何……?さっきから、ずっと俺に話しかけてたの?俺、何も聞いてなかった。ってか、聞く耳すら持ってなかったよ……!

「あ……ごめん。」

「え!?聞いてなかったの!?うわぁ……ショックだぁ。」

「ごめん。で……何?」

申し訳ないと思い、俺は再度聞き返す。

「俺に勉強教えて!!!」

「え……!?」

勉強教えろって言った……?今。

「いや……そんなに頭良くないし。」

「でも、俺よりかはいいよね!?」

知るかよ。お前と初めましてなのに、お前の方が下とかわかるかよ。あぁ、でもこの話し方だと馬鹿っぽいな。うん、馬鹿だ。

「……学年順位、何位なの?」

俺は、恐る恐る聞く。俺より上だったら、1年無視しよ。嫌味でしかねえから。

「え?下から3番目。」

すげぇ真顔で、普通のトーンで答えたな。ってか、本当に馬鹿じゃねぇか。

「あ……そうなんだ。」

「ハルは、俺より上だろ!?ってか俺の下、3人しかいねえから当然、ハルの方が上だよな!?」

「まぁ……。」

「うん!じゃあ、俺に勉強教えて!!」

何で、俺が勉強教えないといけないんだよ。いやいや、無理っしょ。面倒だし。教えたところでコイツの成績が上がるなんて保証は何処にもない。

「いや……もっと頭いい人いっぱい居ると思うけど……?」

「俺は、ハルがいいの!」

「……何で?」

「傍にいるから。」

アホか!?アホなのか!?考えが単純すぎるだろ。何?近くにいるからとか。笑いを通り越して呆れる。

「傍にいる方が、授業中とかでも聞きやすいじゃん?でも、周りの人見ると、みんな教えるの下手そうなんだよねぇ。ハルなら、教え方うまいかなって思って。」

「はぁ……。」

教え方下手とか、お前が言うかよ。お前、教えてもらう立場だろ。

「教えてくれる……?」

う、上目遣い。何だ……犬だ。もうこのさい、犬としよう。うん、コイツは犬だ。

「まぁ……いいけど。」

「やったあ!!!!!ありがとう!!!!」

唯々、素直な反応。嘘のない笑顔。本当に犬みたいだな。餌あげたら一生付いてきそう。

「何ができないの?」

「えっとね……全部!!!」

おいおい……絞れよ。まぁ、言うと思ったけど。

「特に何ができない?ってか、嫌い?」

「……数学!」

「わかった。」

俺の得意分野だ。これなら教えられるな。……あれ?俺、自分から話しかけてた……さっき。いつの間にか、コイツのペースに乗ってた……?いやいや、コイツは犬だぞ。馬鹿なんだぞ。

「いつ教えてくれる?ってか、連絡先交換しよ。」

「いつでもいいよ。教科書と問題集とその答えを持ってきてくれれば教える。」

2人で連絡先を交換しながら答える。……サクって言うのか。

「よしっ!これでいつでも話せるね!」

また、笑顔……。ずっとニコニコしてるなぁ、コイツ。疲れねえのかな?俺だったら、すぐ疲れるな。その後、始業式とHRを終え、帰りの支度をする。

「サクぅ。帰ろぉ。」


ハルは、サクに出会いました。この人に関わることによってハルの人生は大きく変わります。そして最後に出てきた人は一体…!?次回をお楽しみに。

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