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春、咲く。  作者: SeiKa
13/13

BaD enD~siDe:サク~

遅くなって、大変申し訳ない……。前回は、サクとハルのお母さんとの回でしたね。サクが、ハルの過去を知りましたね。これからサクは、どう動くのでしょう……。それは、読んでいく中で明らかになりますから、楽しみにしててくださいね★w今回は、前回もお話ししたように、サク視点でのお話です!ミウちゃんとの回になります。いつも読んでくださる方々、ありがとうございます。これらも温かく見守ってやってください。コメント・感想も待ってます。それでは、最後までお楽しみください。

 それからしばらく、俺とハルが勉強以外で話をすることはなかった。レンはもちろん何も知らないから、すごい俺たちのことを気にしてたけど、俺自信のことじゃないから、軽々しく口にはできない。

どうすれば、ハルを楽にしてあげられるんだろう。1回でいいから、昔みたいに笑って欲しい。ってか、俺に何ができんだろうな……。ただただ、自分の無力さを実感するだけだった。部活が終わりミウを待つ。

「サクー。」え

遠くの方からミウの声がする。俺はそれに反応して、ミウに手を振る。ミウは友達と別れ、俺の方に走ってくる。

「ごめんね。待たせちゃって。」

「ううん。大丈夫。そんなに待ってないし。お疲れ様。」

俺は、笑顔で答える。ミウも笑顔を向けてくれる。でも、嬉しいとは思えず、ただ罪悪感しかなかった。

『早く言わなきゃ。』

その言葉が頭の中をよぎった。2人でいつもの道を並んで歩く。中学から変わらず、俺が道路側で、ミウが歩道側。いつもの道、いつものミウの声、笑顔。俺は全然笑えなかった。

「……ごめん。」

俺は足を止めた。

「なんで謝るの?」

少し前を行ったミウが笑顔で、俺のところに来る。

「俺、もうミウの彼氏でいられない。」

ミウの笑顔が消えるのが、見なくてもすぐにわかった。

こんな顔もするのだと、少しほっとした自分がいた。ミウは、いつも俺には笑顔を向けて、明るい声で話しかけてくれていたから。その反面、泣きもしないし、怒りもしないミウに少し不安を抱いていた面もあった。自分は頼りにされていないんじゃないかって。

そんなことを思いながら、話を続けた。

「好きな人がいるんだ。」

俺は、包み隠さず正直に言った。嘘をついたら、もっと悲しむと思ったから。

「……いつから?」

震えた声。ミウの目には、今にも溢れそうなほどの涙。

あぁ、やってしまった。わかってたのに。言ったらこうなると、わかってたのに……いざとなると、やっぱり動揺する。

「いつからその人のこと、好きだったの?」

答えない俺に、ミウはもう一度聞いてくる。

「あ……えっと、話すと長いんだけど……簡単に言うと、小学校の時に好きで、諦めて、また高校で会って、やっぱり好きだって思って……」

「それって、ハル先輩のこと?」

ミウが、真っ直ぐ俺の方を向いて聞いてくる。口を開くのと同時に、雫が頬を伝う。俺は、何も言わずゆっくり縦に振る。

「そっか……」

ミウが少し笑顔で言う。

なんで笑顔なんだ……。俺、またミウに無理させてる。いつだってそうだった。ミウは絶対、大声を上げて泣くこともなかった。ずっと我慢させてる。

「……堪えなくていいよ。」

「え……?」

「もう、無理に笑わなくていいから。怒りたいときは怒っていいし、泣きたいときは大声で泣いていいから。もう、無理しないで欲しい。」

「……。」

ミウが下を向いて黙る。

「ごめん。俺がこんなこと言える立場じゃないんだけど……」

少しの間、沈黙が続く。

「……サク。」

ミウが、俺の名前を呼ぶ。俺は、ん?と言ってミウを見る。

「私のこと、好きだった?」

「……わかんない。」

一番聞かれたくなかった質問。一番、ミウを傷つける質問。一番、答えたくなかった質問。一番、伝えたくなかった思い。

「そっか。」

ミウが、吹っ切れたように笑った。その笑顔は、どういう意味だろう。俺は結局、ミウのことを何も知らないし、知ろうとも思わなかったんだと確信する。だって、今ミウがどんな気持ちか、全くわからない。最低だな、俺。2年も何やってたんだよ。

「仕方ないね。サクにはもう、好きな人がいる。諦める以外、ないもんね。」

どんどんミウの声が小さくなっていく。俺はもう、何も言えない。何も言う資格なんてない。俺はずっと黙っていた。

「ありがとう。こんな私と一緒にいてくれて。」

「え……。」

「楽しかった。好きな人と一緒にいるって、こんな感じなんだなぁって思って、すごく幸せだった。」

ミウの言葉を聞いて、涙が出た。最後の最後まで、この子は強かった。

「ほんと、ごめん。」

俺は、深く頭を下げた。ミウが首を横に振る。

「謝らないでください。サク先輩は、何も悪くないです。」

サク“先輩”。その呼ばれ方に懐かしさと、距離を感じる。

「じゃぁ、ここで。送ってくれて、ありがとうございました。」

ミウはそう言って、俺に背を向けて去って行った。

別れちゃいましたね……(T^T)これから先、サクとミウはどうしていくのでしょうか!そこら辺も気にしながら、これからも読んで頂けると嬉しく思います。次回は、今回のミウちゃん視点のお話をお送りします!この時、ミウちゃんは一体どう思っていたのでしょうか……。不定期投稿で、申し訳ありません。これからも温かく見守って頂けると嬉しいです。それでは、次回もお楽しみに!

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