表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第0話  双子と幼馴染の最初の一歩

天才の双子とちょっと追い付けない幼馴染は晴れて国家魔導者となったようです

その世界は魔法で全てが構成されている。

例えば、家を建てたり、植物や動物を育てたり、人と連絡をしたり。

あらゆる物事に魔法が関わっている。

魔法無しでは多くの物が破滅していくだろう。


その世界は魔族と人間が存在する。

魔族は人間を襲い全てを奪う。人間は自衛の為に魔族を狩る。

魔族を狩る事を許された者をその世界では国家魔導者と呼ぶ。

国家魔導者は年に一回の国家試験で選ばれる。


「国家魔導者試験の合格者は前に出よ!」


王の前に並ぶ多くの人間の中、異常な程の存在感を放つ二人の少女がいた。


史上最年少の試験合格者という事でその時の魔導者任命式は多くの人で賑わった。


「魔法導師部門、シヴァンス・レロント」


「はい」


「賢人部門、オラージェ・レロント」


「はーい!」


「其方らは魔法を正しく使い、我が国の平穏を維持する事に貢献すると誓えるか?」


「誓います」


「もちろん!誓います!」


「よかろう。其方らを国家魔導者と任命しよう!」


湧き上がる歓声や口笛の中、二人の少女は顔を見合わせる。


「やったね!シヴァお姉ちゃん!」


「えぇ、良かったわね。オロ」


史上最年少―――わずか九歳でその資格を得たのはとある双子。

姉はシヴァンス・レロント。

膨大な魔法知識を持つ天才であり、炎魔法を得意とする物静かな少女。

妹はオラージェ・レロント。

その身に底知らずな魔力を宿し、光魔法を得意とする活発な少女。


沢山の人に祝われながら城を出た二人にもう一人の少女が話し掛けてくる。


「おめでと、お二人さん」


「シセル!ねぇ、見て見て!賢人の証明バッチ!!」


「わわっ!落ち着けって!」


「オロ、シセルが困ってるでしょ?」


「むぅ…」


渋々オラージェが離れ、シセルと呼ばれた少女は溜め息を吐く。


「シセル…あのさ」


「いいよ、オロ。喜ぶのは当たり前だってーの」


「シセル…私もオロも…」


その途端、木で作られた小さな剣が双子に向けられる。


「私も絶対に二人と並ぶから!!待てなんて言わない!いつか二人に追い付いてみせる!」


シセルの真剣な表情を見て、二人は少しだけ笑顔になる。


「いいわ、待たない。必ず追い付いてきて、シセル・アーゼンテ」


同時に発せられたその声にシセルは幼いながらに途方もない悔しさを味わった。




それから三年後、双子はある任命式を見に行った。


「魔法剣士部門、シセル・アーゼンテ」


「はい」


「汝は魔法を正しく使い、我が国の平穏を維持する事に貢献すると誓えるか?」


いつかの聞いた王のあの台詞が双子の記憶から蘇る。


「誓えます!」


「よかろう。汝を国家魔導者と任命しよう!」


そして湧き上がる拍手。シセルは双子の方に振り向き、言った。


「これでやっと、二人をちゃんと守れるからね」


双子は喝采の中、しっかりとその声を聞き取る。


「シセルは努力型だもんね」


「シセルの努力はいつか私達も越えてしまうかもしれないわ」


三年前より人が少ない任命式で、三人は魔導者として相まみえる。


魔法剣士部門を最年少―――十二歳で突破したのはある少女。

名前はシセル・アーゼンテ。

決して非凡な才能があった訳でないが、諦める事のなかった死に物狂いの努力で上を目指す、氷魔法が得意な少女。





本に囲まれた部屋でペンを置いた彼女は言う。


「私はこの知識でこの世界に明かりを灯したい」





様々な道具が並ぶ部屋で片眼鏡モノクルを外した彼女は言う。


「例え何かが起こっても、私はお姉ちゃん…とシセルを守るからね!」





多くの人型の的が吊るされた森の中で剣を収めた彼女は言う。


「二人は見てて危なっかしいから私が守らないと…」





これは、三人の魔導者の少女達が

一人は希望を

一人は未来を

一人は約束を

守るためにちょっと歪な運命に挑む話である。







初めてここに書いた小説がオリジナルファンタジー系なんて自分でも思ってなかったです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ