リリルム
「着いたー!」
「二時間掛かっちゃったね」
「もう夕方か」
ミカノ、セリオ、カズマの3人は、列車を乗り継いで西の街、リリルムに着いた。
「ミカノは宿をとってくれ、俺は用事がある」
「何処に行くの?」
「まあいいから」
カズマが何処かに行ってしまった。
「勝手ね!」
「カズマにも事情があるんだよ」
「そうだけど」
「ミカノ、早く泊まる場所を確保しないと泊まれないよ」
二人は宿探しに向かった。
※ ※ ※
「本当に確かなのか?」
【それを確かめる為に行ったんだろ?】
カズマが電話をしている。
「それはそうと言ってしまったぞ、ミカノたちに全て」
【そうか】
「お前と別れたあとも、ミカノは納得してなかったしな」
【なんか悪いな、押し付けたようでよ】
「俺に謝るなんて気持ち悪いから止めてくれ。それに結局、帰るのを断られた」
【え!?】
「悪いが旅は続行する」
【それじゃ、オレが憎まれ役を買った意味は?】
「無駄だったようだ」
【次、顔会わせづらいな】
「心配するな。嫌われたどころか心配されてるぞ?」
【?】
「俺に一芝居させたんだ……必ず爺さん見つけるぞ、ムロ!」
【一芝居は無駄になっちまったが見つけないとな! そっちは悪いが任せたぜ、カズマ!】
「ああ、任された」
カズマが通話を終了した。
「さて、ここか」
カズマが電話をしながら目的の場所にたどり着いていた。
「あいつが刑事から得た情報通りなら、この中に」
カズマが建物に足を踏み入れた。
※ ※ ※
「ミカノ」
「どうしたのセリオ?」
「訊きたいことがあってね。入っていい?」
「うん」
セリオが、ミカノの部屋に入った。
「話って何?」
「ほら……カズマが言ってたでしょ?『ムロはミカノ、君のことが好きなんじゃないか』って」
「うん」
「あのとき、ムロは居なかったんだから素直に答えても良かったんじゃないかな?」
「どういうことよ」
「好きなんでしょ? ムロのことを」
「何言ってんの!?」
「顔赤いよ?」
セリオがからかう。
「セリオの意地悪!」
ミカノが枕を抱えて顔を隠す。
「僕は、ムロとミカノが仲良くしてるのを見てるのが好きなんだ」
「そんなことあった?」
「いっぱいあるよ?」
「正直、解らないのよ」
「ん?」
「ムロとは、一緒に居て当たり前だったから、カズマから言われた時には解んなくて」
「僕も二人の幼なじみだよ。傍で見てきたからこそ、僕には解るよ」
「どうなの?」
「それは自分自身で気づかなきゃ駄目さ」
「本当にセリオは意地悪だよ」
セリオは、自分が泊まる部屋に戻った。
※ ※ ※
「これは、一体!?」
カズマの視界には骨が散らばっていた。
「誰だ!」
カズマに誰かが声をかける。
「見つかったか!?」
「そこに誰か居るのか!」
「ちっ」
カズマが走り出した。
「逃がすと思うか!」
「!?」
カズマの頬を何かがかすめた。
「動くなよ?」
「畜生!」
カズマの背中に何かが当たる。
「うっ!?」
「眠ってもらう」
カズマの意識が途切れた。




