心をひとつに
「空なら邪魔は入らない」
「何処で戦おうが、俺の勝利は揺るがないがなぁ」
ムロとザンは向かい合う。
※ ※ ※
「ザンのヤツ、何をする気でいるんだ!?」
「分からないよ。だけど警戒を怠ったら負ける」
「二人とも馬鹿なこと言わないでよ!」
ミカノがカズマとセリオを注意する。
「僕だって考えたくない……けど、それだけ油断ならない敵ってことなんだ」
「……アタシたちは、ただ見てるだけなの!?」
ミカノは空を見上げていた。
※ ※ ※
「来いよぉ?」
「言われなくても……」
ムロが姿を消した。
「無駄な足掻きだな」
ザンが左腕を横に突きだす。
「!?」
「何を驚いてるんだぁ」
「……何で位置が分かったんだ?」
「武装石の気配を探っただけだぁ」
「……てめえも気配を探れるのかよ!?」
「残念だが、かくれんぼは、俺には通じねぇ」
「……そうかい!」
「?」
「グラビティーショット」
ムロの攻撃でザンが地面に落下した。
「そんなに俺を潰したいのかぁぁ?」
ザンがムロに叫ぶ。
「ザンが消えたわよ!」
「違うよ。ムロが僕の武装石の能力でザンを移動したんだ」
「俺たちの武装石の能力も使えるのか」
※ ※ ※
「潰したいのは本音だが、かといって寝かせるのは気に食わねえよ」
ムロが高速移動しながら左手に剣を持ち振った。
「二刀流……かぁ」
「この剣は、てめえが散々コキ使った挙げ句、グジア共々殺しやがったガイの武装石のだ!」
ムロは二刀流を駆使するが、ザンは攻撃を見切って避けていく。
「当たらなけりゃぁ……」
ザンが回し蹴りをくらわす。
「なっ!?」
「……意味ねぇなぁ!」
(今だ!)
ムロが吹き飛ばされながら右腕の剣をザンに向ける。
「神聖な判決」
剣から光の砲撃が放たれた。
「あ?」
ザンが左手をかざして砲撃を防ぐ。
「生身で防いでる!?」
「下らない技だなぁ……めんどいなぁ」
ザンが砲撃を押し返していく。
※ ※ ※
「ムロが押されてないかい!?」
「ヤツは武装石を発動してないのに!」
「……セリオ、カズマ。アタシたちの武装石はアタシたち個人の血を使って目覚めさせたけど、今も所有者はアタシたちなのかな?」
「どういうことだい?」
「まだ所有が有効なら、アタシたちにも、まだ出来ることがあるかもしれないわ」
「考えがあるのか?」
「何て言うか……所有者がムロに集まった武装石を発動したら……なんか凄くなる気がしてね」
「女の勘ってやつか?」
「……だといいわね……」
「僕たちも協力する。ミカノの勘を信じる!」
「試してみるか、勘を」
「それじゃ、早速だけど……カズマ、カインとアンを連れてきて」
「正気か!?」
「正気よ。アタシの勘はあくまでも勘だもの。アンにザンを説得してもらうってことも試したほうがいいわ」
「……保釈の許可はどうするんだい?」
「それはセリオ、所長を説得するのはアンタに任せるわ」
「分かったよ」
セリオがクラッティス警察統一所に向かった。
「出来るだけのことはしてみるさ」
カズマが第二監獄場に向かった。
「……アタシはアタシの出来る事を」
ミカノは掌をムロの方にかざす。
※ ※ ※
「……防ぎきりやがった!」
「中々の攻撃だったが、それでも大したことはなかったなぁ」
「……なら!」
ムロが二丁の拳銃を出した。
「二丁拳銃」
ムロの銃撃をザンは見切って避けていく。
「危ないなぁ……」
「なんだよ。さっきみたいに受け止めないのか」
「あ?」
「なら……これで!」
ムロがザンに重力操作をし、テレポートでザンの上空に移動すると、二丁拳銃を狙撃形態にして放った。
「ちぃっ!」
「……肩をかすったか……」
ムロが姿を消しながら銃を放つ。
「当たらねぇ」
ザンが避けていく。
「油断大敵だぜ!」
ムロがザンをテレポートで自分の前に移動させる。
「!?」
「くらえ!!」
「うがぁぁ!?」
「……てめえに刺すのは二度目だぜ!!」
「調子にぃぃぃ……のるなぁぁぁ!!」
ザンが光だす。
「つうぅぅぅ……」
ムロが眩しさに目を閉じる。
「!!!?」
ムロに激痛が走る。
※ ※ ※
「連れてきたぞ」
カズマがカインとアンを連れてきた。
「早かったわね?」
「所長が特別に許可をくれたんだ」
「なら早速、発動を手伝って!」
「……気に入らねえがぁよぅ……ザン様に会えるなら協力してやらあああ」
「……これも罪滅ぼし、か」
眩しく光る空にアンとカインが手をかざす。
「発うう動おおお」
「発動」
ミカノとセリオとカズマも手をかざす。
「お願いっ! うまくいって!」
「僕たちの力を!」
「俺たちの……発動、起きろ!」
眩しい光がやむ。
「!!」
「そんな…………」
「何てことだ!!!!」
ミカノたちの視界に入ったのは、髪が伸びたザンと右腕を切断されたムロだった。
「腕が……落とされた!?」




