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ロードバスターズ  作者: 碧衣玄
イグラズの命運編
34/40

武装石の願い

(……真っ白だ……)


(天国だろうが地獄だろうが……死んじまったことには変わりねえ……)


 ムロの意識は不思議な感覚でいた。


(……死んだらこうなるのか。真っ暗じゃねえから天国か……!?)


(あれ、声が聞こえる!?)


 ムロは耳を傾ける。


(……気のせいじゃねえ!?)


 ムロは目を凝らす。


「誰だ……!?」


 ムロは喋れることに驚く。


「あ……れ!? ……オレ、死んだんじゃ?」


 ムロの視界に拡がるのは真っ白な空間。人の姿はおろか、草木や建物も無かった。


「身体が光ってる!?」


 ムロの身体は光を帯びており、衣服は身につけていない。


「ムロ……なの?」


「その声は……ミカノか!?」


「やっぱりムロだった!」


 ミカノの声はムロに届くが姿は見えない。


「ミカノ、姿が見えないぞ?」


「こっちは見えてるわよ?」


「お前、自分の姿は見えてるのか?」


「見えてないわよ! だから困ってるのよ」


「……まあ、オレがお前を見えてないのは幸運だったな」


「どうしてよ?」


「光でボヤけてるけど……多分、裸だから」


「光が強くてアンタを見るのもやっとよ!」


「……ほかの人達は?」


「誰も見てないし、声も聞こえないわよ」


「……ワケわからん」


 ムロは身体を包む光を見つめる。


「……もしかして、武装石の光か!?」


「……じゃあ、アンタは今、武装石を発動してるってことなの?」


「どうなんだろうな」


 再びムロに声が聞こえる。


「ミカノ、何か言ったか?」


「言ってないわよ?」


「……身体から聞こえる!?」


 ムロが身体を動かす。


「大丈夫なの!?」


「………聞こえる、声が」


 ムロに幾つもの声が聞こえる。


《助けて、世界を》


《イグラズを救ってよ!》


《ボクたちが力をあげる》


《わたしたちの願いを叶えて》


《俺たちの分も生きてくれ!》


《私たちが生きれなかった分も、街の人たちには生きていてほしいんです!》


《僕たちを……このオリから解放して!》


(おり?)


《ワタシたちは実験の為に、都合よく良いように遣われて殺された。悔しい、命を粗末にした挙げ句に、ワタシの家族や大切な人たちを捲き込んで、私利私欲の為に大好きな国まで滅茶苦茶にして。ワタシは生きたかった! だから……お願いです……ワタシたちの代わりに、命を助けて》


 ムロに次々と声が届く。


「……武装石に使われた血液の持ち主なのか」


「武装石を造るには一個につき一人分の血液が必要なのよね。しかも子供の血が使われている」


「武装石にされた子供たちの願いの声!」


 ムロの目から涙が溢れる。


「ムロ……」


「なんでかな。勝手に涙が出てきやがる。悲しくないのに……光を通して武装石になっちまった子供たちが、オレを使って泣いてるんだ……」


「存在してる武装石が、ムロに集まってる……ムロの武装石の光に惹かれてるのかな」


「オレだって、どうにかしたいさ。けど、どうしたらいいか分からねえ!」


「……アタシも分からないわよ。けど、今はアンタしか頼れないの! ……この真っ白な空間をアンタの光で元に戻すつもりでいなさいよ!」


「元に戻す?」


「全ての武装石がアンタに集まってるなら、アンタが全ての武装石の力を使えるってことよ」


「……可能なのか!?」


「やってみれば良いんじゃない?」


「簡単に言ってくれるなあ……よし!」


 ムロが呼吸を整える。


《お願い!願いを叶えて!》


《俺たちの血液いのちを無駄にしないでくれ》


 ムロに武装石が語りかける。


「分かった。すまないけど使わせてもらうよ、君たちの武装石いのちを」


 ムロが武装石を発動した。


「うっ!?」


 ムロの身体を眩しく光る武装石が包み込む。背中には翼が生え、右腕の剣は右腕を包み込むように装備された。


「なんだ……温かい」


「ムロ!」


「心配するなよ。何ともないから」


「良かった~」


「……なあ、ミカノ。後悔したくないから言わせてくれ」


「こんなときに何よ?」


「オレは、ミカノ……お前が好きだ。だから、もしも生きて戻れたら……オレと結婚を前提に付き合ってくれ!!」


「こんなときに告白かい!」


 ミカノが突っ込む。


「〝こんなとき〟だからだ」


 ムロが真剣に言った。


「ばか。受けるに決まってるでしょ!!」


 ミカノは嬉し涙を流す身体が無いことを悔やんだ。


「ミカノ……ありがとな。じゃあ、いくぜ!」


 ムロが翼を羽ばたいて、剣を空間に振りかざす。


「極限再生」


 真っ白な空間が光と共に、様々な景色に変わっていく。


「極限蘇生」


 見えなかった人々が次々と現れる。


「あれは、ムロ!」


「何がなんだかな……」


 セリオとカズマも姿を取り戻す。


「二人も無事だったか!」


 ムロは辺りをうかがう。


「ムロ!!」


「ミカノ!!」


 ムロがミカノの元に行く。


「逢えたな」


「うん」


 セリオとカズマも合流する。


「よく分からんが何とかなったな」


「二人とも無事かい?」


「おう!」


「もちろんよ!」


「あ~ん?」


「!?」


 ザンが現れた。


「やっぱり生きてたか……ザン!」


「言ったろ。俺は不死に近いってなぁ!」


 ザンの武装石は左胸に収まっている。


決着ケリをつけるぜ……ザン!!」


「いいだろ……今度こそブッ殺してやる!!」


 ムロとザンは空中へと上がった。

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