死守
「お疲れー!」
「乗り軽いな」
「学校なんて縛りから解放されたら、護衛なんて天国みたいなもんだぞ!」
「お前な……学校を何だと思ってるんだ!?」
「心身の学びの場」
「俺たちは、ロードバスターズを優先するために高校には行けてないんだ。喜ぶべきだったろ!?」
「オレは別に行く気は無かったしな」
「お前な~!」
ムロとミカノ、セリオとカズマがクラッティス警察統一所で合流し、双方の捜査報告をした。
「会って直ぐにああいう会話が出来るのは仲の良い証拠だよね」
「会って直ぐに会話の様子から仲が良いって判断するのも、仲が良くないと無理だけど」
「あはは」
セリオとミカノは、言い合いをしているムロとカズマを見て感想を言った。
「……二人共! アタシ達は別にお喋りしに集まった訳じゃないでしょ!」
「……分かってるぞ、んなこったあ」
「……アタシと会うのは、あの日以来よね?」
「そうだ」
「正直アンタを第二監獄場に移送するためとはいえ護衛するのは嫌だわ!」
「ならば、何故来たのだ?」
「……アタシもロードバスターズだからよ!」
「いい女に成ったな」
「アンタに言われても気分が悪くなるだけよ」
「……高嶺の花か」
「話は結構。呑気にはしてられないの。何故、護衛が付けられたか解るわよね?」
「何となくな」
「行くわよ……カイン」
ミカノが冷静さを保ちながらカインの護衛を始めた。
「……ミカノ、とにかく裏道を通ろう。人目につきにくい道が良いはずだよ」
「そうね」
ミカノとセリオは、クラッティスの賑わう道を避けて裏道を通っていく。
「それにしても流石は技術の街ね。見たことのない物が沢山あるわ」
「裏道なのに凄い数だ」
最新の製品にも小さな部品が使われている。その小さな部品を造るのにも多くの人々の努力が結集されている。セリオは小さな努力の成果を見て素直に驚いた。
「セリオ、立ち止まらないの!」
「ごめんよ」
ミカノとセリオが裏道を通るのを建物の上からムロとカズマが見ていた。
「誰かが銃で狙っているかも知れないな」
「カズマ、いくらなんでも拳銃じゃ遠くは狙えないんじゃ」
「残念だが技術が進歩して遠距離用の銃が開発されている。遠距離射撃も安易だ」
「マジかよ!?」
「だが“こちら”も策はある」
カズマがポケットから武装石を取り出す。
「お前、それ!?」
「そっちが潜入捜査してる時に所長から貰ったんだ。所長から聞いたぜ? いつの間に所長に武装石の事を話したんだな」
「……所長には話しとかないとって思ってさ」
「……所長から話を聞いて、お前が武装石の秘密を話したがらなかった理由が分かったよ」
「それでも使うのか?」
「ああ……命を生かす為だ」
※ ※ ※
「銃撃か!?」
「セリオ! 頭を下げなさい!」
セリオとミカノが頭を下げた。
「あそこのビルだ」
カインが目の前に聳え立つビルを指す。
「アンタ!? 死にたい気!!」
「相手はスナイパーなんだろう……何故、さっさと俺っちに撃たないんだ?」
「知らないわよ!!」
ミカノが頭を更に下げる。
※ ※ ※
「カズマ……多分ビルからだ」
「分かった……」
カズマが武装石を発動した。
「……二丁拳銃……」
カズマの両手に一丁ずつ拳銃が収まる。
「見えるか?」
「ああ……そして驚いている……スナイパーは女性だ」
「撃てるか?」
「やってみる」
カズマが構える。
※ ※ ※
「またビルからだわ!」
「どうすれば!?」
セリオたちが身動きをとれずにいた。
※ ※ ※
「撃つ!」
カズマが銃を放つと、ビルからライフルが落ちた。
※ ※ ※
「撃ってこない」
カインがビルを見る。
「さっさと進むわよ、的にはなりたくないわ」
「そうだね」
ミカノとセリオは道を進んでいく。
※ ※ ※
「なんとかなったな!」
「安心は早いぞ、まだ分からん」
ムロとカズマも建物の屋上等に行きながら進んでいく。
「あんな人混みでは狙い撃ちは厳しいな」
「オレが張り付くから、カズマは上から頼む」
「気を付けろよ」
「……おう!」
ムロがミカノたちの元に向かった。




