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ロードバスターズ  作者: 碧衣玄
捜査協力編
21/40

捜査協力隊・ロードバスターズ

 クラッティスにムロたちが到着したのは、深夜0時を過ぎた頃であった。


「一部屋、朝食付きで一万五千ロロになります」


「高くないっすか!?」


「クラッティスじゃ安いくらいだぜ?」


「お前たちはここに泊まったことあるんだよな?」


「おう」


「下っ端刑事は懐が寂しいんだよ。むしろ何で十一歳の子供の懐が暖かいんだ?」


「クーンは田舎で特別な施設も無いから、子供が小遣いを使う機会は無いし、クラッティスに来るのだって列車に乗って行かないといけないしよ」


「それにしてもな」


「あとは無駄遣いを抑えることだな。ポリスさんは煙草を減らせば良いんじゃねえ?」


「禁煙出来るなら、とっくにしてるさ」


フルはフロントに部屋を指名する。


「かしこまりました。では三部屋で四万五千ロロになります」


「何で三部屋も取るんだよ?」


「ボウズ。ミカノちゃんは女の子だぞ」


「アタシ、ムロと同じ部屋で構わないよ?」


「……だってよ、ポリスさん」


「分かった」


 フルが宿泊代を払い、鍵を受け取った。


「おれは誰と同じ部屋なんだ?」


「セリオとカズマと同室で良いでしょ」


「俺は構わんぞ」


「僕も構わないよ」


「だがボウズも男だ。ミカノちゃんだけ同じ部屋にする訳には……」


「オレは何もしないし、する気も無い。もう眠いしな」


「絶対だぞ!」


 フルが念を押す。


「分かってる」


 ムロは部屋に入っていった。


「アタシなら大丈夫だよ」


 ミカノも部屋に入った。


「二人とも入ろうか」


「ああ」


「そうですね」


 もう一部屋に、フルとセリオとカズマが入っていった。


※ ※ ※


「これからどうする? 目撃情報を元に手分けして捜すか」


「でも刑事が嗅ぎ回ってるって知られたらヤバいんじゃないか?」


「フルさんは、刑事だって事は伏せて行動したほうが良いんじゃないかな?」


 フルの質問にカズマとセリオは答えた。


「……よし、そうしよう。ただ必ずお互いが視界に入るようにしとくんだ」


「分かったよフルさん!」


「承知したフルさん」


 フルの提案にセリオとカズマが同意した。


※ ※ ※


「……ねぇ、アンタ、アタシ達と別れてから、直ぐにグジアに向かったの?」


「ああいう長閑な街なら、何かしら得られるかって思ってな」


「なんで言ってくれなかったのよ」


「言ったら絶対についてきたろ?」


「頼ってくれていいんだよ?」


「……頼りたい時に頼れなくなったら、それこそ困るんだよ」


「頼ってほしい時に頼ってもらえなかったら嫌なのよ!」


「……頼りにしてる」


「遠慮なんてしないでよ」


「……」


「寝ちゃってるし」


 ミカノが、ムロのベッドに近寄る。


「不思議ね。幼なじみでも、お互いに知らない事や解らない事があるんだもん」


 ミカノが、ムロの髪に触れる。


「男と女じゃ価値観が違うのかな」


 頬をつねる。


「ムロのくせに一丁前に……」


 ムロは起きない。


「……カッコよくなって……」


 ムロの頬にミカノはキスをした。


「……アタシ……ムロが好きなんだ……」


 ミカノは顔を赤らめながら自分のベッドに戻っていった。


※ ※ ※


「ねむい」


 ムロは寝惚けながらも朝食を摂り、身支度をしてホテルを出た。


「待った?」


「ムロの朝寝坊は、今に始まった事じゃないから慣れっこだよ」


「俺も慣れた」


「オレ、そんなに寝坊してるか!?」


「一人で起きてこれただけ合格ね」


「寝起きに合格も不合格もあるかよ!」


「まあ良いじゃないか。とにかく聞き取りをしに行くぞ」


「「おー!」」


※ ※ ※


「分かりました」


「どうも」


「分かったよ」


「ありがとうございます」


「御時間とらせてすみませんでした」


 五人はクラッティスを歩き回り、警察から大量の武装石を盗んだ男の情報を聞き集めた。


「ご苦労さん!」


 フルが四人にジュースを渡した。


「ありがとうございます!」


「うま!」


「美味しい!」


「甘ったるくないな」


「カズマは甘いのは苦手なのか?」


 フルが訊く。


「嫌いじゃないが好んでは飲み食いしないな。どちらかといえば苦味が有るコーヒーとかのほうが得意だ」


「増せてるねえ」


「増せられてるだけです」


 時間が十二時を過ぎていた。


「何か食べるか」


「さっさと食べて聞き取りを再開しようぜ」


※ ※ ※


「………はい?」


 ムロは困っていた。


「子供が聞き取りなんかして探偵気取りか?」


「知りたいから聞いてるんだろ!?」


「大人の真似事は程ほどにな」


 相手にされずにムロは立ち尽くす。


「くそう……子供は相手にしないってか!?」


「そういうこともあるさ」


 フルが慰める。


「駄目だあ~」


「セリオ……」


「僕たちじゃ相手にされないや」


「セリオらしくないよ。もっと自信を持たないと」


「ごめんよミカノ。たまには弱音を吐きたくてね」


「吐きたいときに吐かないと、押し潰されるぞ?」


「ありがたいよ、そう言ってもらって」


「得れた情報は有ったか」


 フルが訊く。


「アタシから、一だけ」


「なんだミカノ?」


「……昨日の夜に男が手押し車で辺りを警戒しながら人気ひとけの無い路地に入っていったって証言があったのよ!」


「……ならば行ってみるか」


「ポリスさんも行動派だったりする?」


「捜査は足を使わなければな」


 ミカノの得た情報を頼りに、行動に移した。


※ ※ ※


「何か来るのか」


 男が武装石を発動させる。


「武装石、デス・アックス」


 通路が、壊された建物の瓦礫で塞がる。


「あっぶねー!?」


 ムロが武装石を発動させ、瓦礫を避けた。


「ありがとうムロ!」


「礼は要らないぜ……ミカノは道案内に集中してくれ!」


「分かったわ!」


「ムロが居なければ、俺達は助かってないな」


「僕達も僕達なりにムロを助けなきゃね」


「気を引きしめてけよ……捜査協力隊ロードバスターズ!!」


 フルの言葉にムロたちは振り返る。


「了解だぜ!」


 ムロの返事を合図に再び歩き出した。

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