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ロードバスターズ  作者: 碧衣玄
独りの旅編
19/40

誓い

『・原因は地下の石か?』


『・生存者0、グジアの呪い』


『・立ち入り禁止から一ヶ月、癒えぬ喪失』


『・街の名所が繋がった謎の地下。一体目的は?』


『・加工された鉱石……深まる謎。真相は闇に』


「好き勝手書きやがって」


「本当だな」


「真っ当な記事は書けないのかね?」


 グジアが一夜にして消滅してから一ヶ月。自然か人為か……様々な検証や臆測が飛び交い、次は我が街かと不安を抱えて過ごす人々も続出していた。


「どうする?」


「任せる」


「黙ってるのか?」


「言いたくない」


「腹へったか?」


「ハンバーガー」


「飲み物は?」


「オレンジジュース」


「支払いは……」


「……ポリスさん」


「行き先は?」


「グジア跡地」


「会いたい人は?」


「生きてる人」


「会いたくない人は?」


「友達」


「嫌いな人は?」


「悪人」


「好きな人は?」


「ミ……おい!?」


 列車の座席に刑事とムロが座っていた。


「大丈夫なのか?」


「何が」


 刑事はグジアが消滅した日に、気絶から覚めたムロから連絡を受けて会い、ムロから事情を聞いた後はムロと共に慰安旅行に出ていた。


「行ったらボウズが変にならないかってよ」


「避けられないからな……いつまでも」


「そうか、おれは構わないが」


「刑事の仕事は?」


「有給が使えたからな」


「悪いな」


「子供が大人に気を使うな」


 列車が走り出した。


「あの~」


「はい」


「この花を差し上げます」


 杖を突いた老人が刑事に色とりどりの花の花束を差し出す。


「何故、私達に?」


「わしもグジアに行きたいんじゃが……辛くての……孫の死んだ現実がの……」


「お孫さんが!?」


「新聞にも少し載ったようでの……これからが勝負って言っていたしの……」


「新聞!?」


「どうした?」


「いや、別に」


「貰ってもらえるかの?」


「……あの、お孫さんの御名前は?」


「アキじゃ……」


 三十分後、グジア跡地に着いた。


「良かった。ここは入れた」


 立ち入り禁止が少し緩和され、レストランが在った場所に立ち入れた。


「花束が投げ込まれているな」


「立ち入り禁止区域にも花を供えたい人が居るんだな……」


 ムロがアキの祖父から譲り受けた花束をレストラン跡に供えた。


「アキねーちゃん。守ってあげられなくてゴメン。会いに来るのが遅くなってゴメン。お祖父ちゃんに涙を流させてゴメン。街を守れなくてゴメン」


「ムロ……」


「……オレが子供でゴメン。謝ってばかりじゃ駄目だよな? だから前へ進むよ……オレなりに一歩ずつ前に」


「もう良いのか?」


「いつまでも立ち止まれない、進まないとな!」


「何処に」


「さっきは会いたくないって言ったけど、やっぱり友達に会いたいや」


「分かった!」


 ムロと刑事は列車を乗り継いで、ミカノたちが暮らす町、クーンに向かった。


「そういえば御老人から本を戴いたんだ」


「本?」


 刑事が本を差し出す。


「お孫さんが好きだった本らしいが、『本は読まれることに意味がある』と貰ったんだ」


「どういう本なの」


「少年少女が軽い気持ちで旅に出たんだが、色んなことに巻き込まれて、そのたびに試練を乗り越えて最後には……いや、本は読まれることに意味があるんだった……自分で読んでみな」


 ムロが本を受け取った。


「ロードバスターズ……か」


「本は苦手か」


「その逆だよ」


 ムロが読み始める。


(こうして見ると年相応の子供だな)


「少し寝る。もし着いたら起こしてくれ」


 ムロが頷いた。


「フッ……」


 刑事は嬉しそうに眠りに入った。

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